単純な毎日

最近見たテレビのドラマの中で気になった言葉があった。

「毎日やるべき事をずっとやり続けていると見えてくるものがある」

という言葉。
これは仕事をしている女の人に上司が言った言葉だが。

そしてまた最近見た映画の中でも気になるフレーズが。
「西の魔女が死んだ」という映画の中で、
孫がおばあちゃんに
「魔女になるための修行をしたい」と言ったら
おばあちゃんはこう言った。
「毎日、早寝早起きをし、きちんと食事をとり、
良く体を動かす事」。
キョトンとする孫におばあちゃんは
「単純な事でびっくりしたでしょう、でもそういう単純なことを
毎日繰り返すことが今のマイ（孫）には一番難しいことなんじゃないかしら」

なんだか、このことも
単純な毎日、やるべきことを繰り返すということが
一番難しくて一番大切な事だ・・と言っているような気がして。

良く、お坊さん？が修行をするというと、
ま、滝に打たれたり、絶食して何日も過ごす、というような荒行も
中にはあるのかもしれないけど、
オーソドックスなのは、
毎朝早く起きて、境内を綺麗に掃除をし、決まった時間にお経を読む、
という毎日。
今はないかもしれないけど、
昔はきっと遊びも気分転換もなかったんだろうなって。
これもやっぱりそういう事なのかなって。
毎日毎日単純な生活を繰り返しお経を読む、
そうしていく事で見えてくるものがあるって事なのかなって。

あたしは、

子供もいない、仕事もしてない専業主婦。
子供はたまたまできなかったが、
それだって努力すればできたかもしれないところを
そうする気にはなれなった。
仕事も自分が嫌でしてない。
それは体調の面でもそうだし、精神的にも自分にとって
すごく負担だから、など、いろんな理由があるが。

子供のことに関しても仕事のことに関しても、
いたしかたない、という面もあるし、
ある程度は自分で選んだ事、でも両方あるという微妙な感じ。

そんなある程度理由があって自分でそうしてることでも
やっぱり人とどこか比べて勝手に劣等感を抱いているところがある。

子供でも仕事でもない事で何か自分に
この人生の大挽回ができる事はないのか、
そんなことをずっと思ってきた気がする。

でも、そんなあたしちょっと待てよ、と。

もう一回ちゃんと自分を見つめなおしてみないか？
そんなふうにちょっと思ったんだよね。

ドラマや映画に影響されたというだけではないが、
あたしは今、本当に単純な生活を繰り返している。
無理してそうしてるわけではないが、
そうしていると本当にいろんな発想や余裕が出てくる気がする。

だからあたしは毎日毎日修行僧のように
掃除せんたくをし、家をすっきりと保ち、
犬の散歩へ行く。
あとはほとんど特別な事は何もするつもりはなくても
自然と自分のいい方に生活が整えられていく気がする。

なんだこれ。気持ちいい・・。

なんだか無理していろんな事を見つけていこうという気も失せてくる。
すごく穏やかな気持ちが
少しづつあたしの生活に入ってくるような気がしてきて。

ま、最近そんな暮らしをしています。