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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

ゼロ歳児にも遊び相手を選ぶ能力=エール大学

2007年11月24日 | 心のしくみ
ワシントン(AP) 意地悪な相手と優しい相手を見分けて、優しいほうと遊ぼうとする――生後6カ月から10カ月の赤ちゃんに、こんな複雑な判断能力があるとの研究結果を、米エール大の研究チームがこのほど、英科学誌ネイチャーに発表した。


チームは、大きな目が描かれた木製のおもちゃ3個を使って実験を試みた。1つのおもちゃが急坂を上ろうとする。そこへもう1つの「良いおもちゃ」がやって来て手助けし、別の「悪いおもちゃ」は引きずり下ろそうとする――という場面を赤ちゃんに見せた後、これらを赤ちゃんに与えたところ、ほぼ全員が、悪いおもちゃではなく、良いおもちゃのほうを選んだという。


また、手助けも邪魔もしなかった「中立のおもちゃ」を加えてみると、悪いおもちゃより中立、中立より良いおもちゃを選ぶ傾向がはっきりと現れた。男児と女児の反応に差はなかった。ただ、おもちゃから目を消した実験では、赤ちゃんたちはこれほどの判断力を示さなかったという。


チームを率いた同大の心理学者、カイリー・ハムリン氏は「ゼロ歳児にこのような社会的能力があるとは驚きだ。人間は生まれたばかりの時点で、教えられなくても社会性を備えているようだ」と述べた。


一方、フロリダ・アトランティック大の心理学者、デービッド・ルーコビッチ氏は、「赤ちゃんは生後6カ月までの間に、非常に多くの社会的経験を蓄積する。この実験で示された能力が、経験によって得られたのではないと結論付けるのは誤りだ」と批判する。


これに対し、ハムリン氏は、「予備実験では、生後3カ月の赤ちゃんにも同様の反応がみられた」と主張している。同氏らのチームはさらに、これが人間特有の能力かどうかを調べるため、サルを使った実験にも取り組んでいるが、結果はまだ出ていないという。

[cnn.co.jp / 2007年11月24日]
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200711240001.html

肺炎感染 細菌に「足」発見=大阪市立大学

2007年11月24日 | 生きもの色々
 肺炎を引き起こす細菌、マイコプラズマの一種に、クラゲのような形をしたたんぱく質の集まりが一つ存在することを大阪市立大大学院理学研究科の宮田真人教授らが見つけた。このたんぱく質構造は、体内に入ったマイコプラズマが感染のため、肺細胞に素早く移動する能力とかかわりがあるとみられ、構造の解明が治療法開発につながると期待される。今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。

 実験に使ったマイコプラズマは魚のえらに炎症を起こす。細菌は長さ1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)弱のひょうたんのような形をしている。

 マイコプラズマの細胞膜を薬品で溶かし、電子顕微鏡で見たところ、中に直径約250ナノメートル(ナノは10億分の1)の楕円(だえん)形の頭の下に長さ約600ナノメートルの足が20本ほどついたクラゲのような形のたんぱく質を見つけた。

 マイコプラズマの移動には、細菌の外側に約400本ある長さ約50ナノメートルのたんぱく質が足となって動く必要がある。この足に異常があって移動しないマイコプラズマではクラゲ構造も見られないという。

[朝日新聞 / 2007年11月24日]
http://www.asahi.com/science/update/1122/OSK200711220059.html