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DNA配列:逆に記録 情報、元に戻す機能も-藻類で発見=立教大学

2007年11月11日 | 生きもの色々
 生命の設計図であるゲノム(全遺伝情報)のDNA配列が、通常とは逆の順序で記録されているケースのあることを、立教大などが真核生物の藻類「シゾン」で発見した。しかも細胞内では、逆の順序のDNA情報をもとに作られたRNA(リボ核酸)の前後を入れ替え、順序を元に戻す未知の現象が起きていることも突き止めた。生物が想像以上に多様な方法で生命情報を操っていることを示す重要な成果という。

 真核生物の遺伝情報は、DNAの塩基配列によって記録されている。この情報をもとに、たんぱく質を構成するアミノ酸を運ぶ運搬RNAなど、複数のRNAの働きで、その生物固有のたんぱく質が合成される。

 シゾンのDNA塩基配列は完全に解読されているが、その配列に対応するはずの運搬RNA遺伝子の多くが見つかっていない。研究チームは、この点に着目しシゾンを解析した。

 その結果、遺伝情報の配列が部分ごとに逆転しているDNAが見つかった。例えば「モンシ・ロチョウ」と書くべきところを、「ロチョウ・モンシ」と書くようなものだ。

 これから作られたRNAは両端が結合して環状になった後、結合部とは反対側が切断されて、正常な配列に加工されることを突き止めた=図。

 同大理学部の関根靖彦准教授(生命理学科)は「他の生物も同様の仕組みを持つ可能性がある。DNAの情報がどう使われるかという生命の謎の解明に貢献すると考える」と話す。【永山悦子】

[毎日新聞 / 2007年11月11日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20071111ddm016040079000c.html