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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

ゾウの長い鼻「秘密」解明!? 危険の臭いかぎ分ける=セントアンドルーズ大学(英国)

2007年10月20日 | 生きもの色々
 【ロンドン=木村正人】アフリカゾウが、体臭や衣類の色で危害を加えられる可能性のあるマサイ族を識別していることが分かった。英セントアンドルーズ大学の研究チームが、アフリカ大陸東部のケニアで調査した結果をオンラインの科学誌に発表した。
 マサイ族には男らしさの証明のためゾウをヤリで突く風習があるなど、アフリカゾウにとっては危険な存在。調査は、マサイ族と、農耕主体でゾウに危害を加えることはまずないカンバ族で比較。それぞれの部族の男性が着用して体臭をつけた服を、アフリカゾウにかがせて反応を見た。
 その結果、アフリカゾウは、マサイ族が着た服のにおいをかいだときの方がはるかに早く、遠くに逃げることがわかった。落ち着きを取り戻すまでの時間も、長くかかった。
 アフリカゾウは色に対しても反応し、マサイ族の伝統的衣装の色である赤い衣類を見せると威嚇的な反応をしたという。白い衣類には反応はしなかった。大きな体のアフリカゾウにとってもマサイ族は、あまり出会いたくない相手のようだ。

[Yahoo!News(産経新聞提供) / 2007年10月20日]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071020-00000911-san-int

満月の光が「合図」 サンゴ産卵の謎とけた=クインズランド大学(オーストラリア)

2007年10月20日 | 生きもの色々
 世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(オーストラリア)のサンゴが満月とともにいっせいに産卵する仕組みを、豪州や米国などのチームが突き止めた。体内にある光センサーの一種が、満月の光を「合図」として感知しているという。19日の米科学誌サイエンスに発表した。

 約35万平方キロものサンゴが毎年、10~11月の満月の後の真夜中にいっせいに産卵する。潮流や水温、天候などの変化を手がかりにタイミングを合わせていると考えられてきたが、詳しい仕組みは謎だった。

 豪クインズランド大などは、サンゴにさまざまな色や強さの光を照射する実験をしたり、満月の夜のサンゴの反応を調べたりした。

 その結果、新月から満月まで光が強くなるにしたがってサンゴの体内にあるセンサー役の遺伝子がじょじょに活性化し、満月に合わせて産卵の引き金を引くとわかった。

 この遺伝子は5億年以上前、有害な紫外線から身を守るため原始生物の体内でできたのが起源と考えられている。いまでは昆虫から人間まで幅広い生物の体内時計の制御にかかわっている。

 研究チームは「サンゴはこのセンサーで、(紫外線に近い)満月の青い光を感知し、繁殖のタイミングを合わせている」という。

(写真:グレートバリアリーフのサンゴの産卵=オーストラリア研究評議会(ARC)提供)


[朝日新聞 / 2007年10月20日]
http://www.asahi.com/science/update/1019/TKY200710190433.html