札幌医大の宝金清博教授(中枢神経治療学)らの研究グループは12日、患者本人の骨髄の幹細胞を使って脳神経細胞の再生を促す国内初の脳梗塞(こうそく)の治療を発症後約2カ月の50代の女性に実施したと発表した。
受精卵を壊してつくる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と比べ倫理的に問題も少なく、拒絶反応が起きない利点がある一方、改善効果の詳しいメカニズムなど解明されていない点もある。国内の脳梗塞の発症者は年間約30万人に達していると言われており、今回の治療で期待した効果が得られるか今後の経過が注目される。
治療を受けたのは昨年11月に脳梗塞を発症した北海道の女性。女性の骨盤から12月下旬に骨髄液を採取し、幹細胞を抽出した。この幹細胞を約2週間かけて培養し、細菌やウイルスに感染していないか検査した上で、12日午前に腕に点滴で投与した。拒絶反応は見られないという。
脳に達した幹細胞から放出されたタンパク質の一種「サイトカイン」が血管や神経の再生を促す。回復が見られるのは数カ月後という。
宝金教授は「脳梗塞の症状を完全に治すことはできないが、生き残った神経細胞の保護や血管の再生を促すことで脳機能の促進が期待される」と話している。
[産経ニュースiZa / 2007年01月12日]
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/life/health/34734/
受精卵を壊してつくる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と比べ倫理的に問題も少なく、拒絶反応が起きない利点がある一方、改善効果の詳しいメカニズムなど解明されていない点もある。国内の脳梗塞の発症者は年間約30万人に達していると言われており、今回の治療で期待した効果が得られるか今後の経過が注目される。
治療を受けたのは昨年11月に脳梗塞を発症した北海道の女性。女性の骨盤から12月下旬に骨髄液を採取し、幹細胞を抽出した。この幹細胞を約2週間かけて培養し、細菌やウイルスに感染していないか検査した上で、12日午前に腕に点滴で投与した。拒絶反応は見られないという。
脳に達した幹細胞から放出されたタンパク質の一種「サイトカイン」が血管や神経の再生を促す。回復が見られるのは数カ月後という。
宝金教授は「脳梗塞の症状を完全に治すことはできないが、生き残った神経細胞の保護や血管の再生を促すことで脳機能の促進が期待される」と話している。
[産経ニュースiZa / 2007年01月12日]
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/life/health/34734/