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筋委縮性側索硬化症(ALS)の症状進行を遅らせる動物実験に成功=UCSD

2006年12月16日 | 蛋白質
全身の運動機能がまひする難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の症状進行を遅らせる動物実験に、米カリフォルニア大サンディエゴ校(UCSD)のドン・クリーブランド教授らが成功した。

 研究チームは、SOD1という酵素が異常だと、これが脊髄(せきずい)にあるミクログリアという免疫細胞を傷つけ、ALSの症状の進行につながることを解明。この酵素の鋳型となる核酸(伝達RNA)とぴったり結合して、鋳型をふさいでしまう構造の核酸(アンチセンス)を合成した。

 これを、ALSの症状を模したラットの脳内に、生後65日で注入した。このラットは通常、生後95日でALSを発症し、同平均122日で死亡するが、アンチセンスを注入したものは、発症後の進行が遅く、同132日まで生き延びた。

 中枢神経への薬剤注入はポンプを体内に埋め込む方法が鎮痛用に実用化されており、
研究チームは「1年以内に臨床試験を始めたい」と話している。

【ワシントン=増満浩志】
[2006年12月16日/読売新聞]

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060728i313.htm