goo blog サービス終了のお知らせ 

シネマ見どころ

映画のおもしろさを広くみなさんに知って頂き、少しでも多くの方々に映画館へ足を運んで頂こうという趣旨で立ち上げました。

「HERE 時を越えて」(2024年 アメリカ映画)

2025年04月23日 | 映画の感想・批評


 わあ、こんな映画の撮り方があるんだ!カメラが一点に固定され、全く動かない。そして恐竜が闊歩する大昔から、火山の噴火、氷河期などを経て、人類が誕生。さらに時間は経過し、土地がならされて一軒の家が建つ。此処こそこの物語の舞台となるところ。それも映し出されるのはリビング一室だけという限られた空間。こんな作品、今までにあった??しかし、此処はこの家に何組かの家族が移り住み、それぞれの家族が集まる大切な場所となって引き継がれていく。
 最初、それぞれの家族のエピソードが、時を交差して慌ただしく映し出されるため、頭の中での整理が大変だが、徐々にその時代と共に生きた家族の関係が明らかになってくる。中心となるのがリチャードとマーガレットの夫婦。演じるのは何と「フォレストガンプ/一期一会」で共演したトム・ハンクスとロビン・ライト。そして監督を務めるのが同作のロバート・ゼメキスと来れば、これはもう何かやってくれるに違いない。
 次に驚いたのはなんとこの2人が10代から70代までを1人で演じきったということ。いつまでも若々しいお二人だが、いくら何でも10代を演じるには無理があろうというもの。しかし、高校時代の姿も違和感は全く感じさせず、まさにデビューの頃のトムとロビンの姿なのだ。これには仕掛けがあって、ゼメキス監督お得意のVFX処理のたまもの。つまり、若い頃の容姿などを自然に見せるために大量のアーカイブ画像を使用したということだ。なるほど納得なのだが、その年齢にふさわしい演技や動きは俳優たちに細かく要求されるわけで、それを難なくこなしたお二人には、お見事と言うしかない。
 高校で出会って、恋に落ち、マーガレットが妊娠したため10代で結婚した2人。お互い画家になる夢、弁護士になる夢を諦めて、両親と同居しながらこの家で生活を共にしてきたのだが、マーガレットが50歳を迎えたとき、新たな転機がおとずれる。
 長年生きてくると、楽しかったこと、悲しかったこと、様々に起きた出来事がいっぱいあるのだが、この作品を観ていると忘れかけていたことが次々と脳裏に浮かんできて正直困った。リビングの一室で起きたことしか映っていないのに、ここまで想像力をかき立ててくれてるとは・・・。年老いたマーガレットが発した言葉に涙して、ラスト、ついにカメラが動き、画面は一気に大空間へ!!この言いようのない開放感に救われて、新たな希望を感じられたのも確か。人生って、素敵なものですね。
(HIRO)

原題:HERE
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:エリック・ロス&ロバート・ゼメキス
撮影:ドン・バージェス
出演:トム・ハンクス、ロビン・ライト、ポール・ベタニー、ケリー・ライリー、ミシェル・ドッカリー


最新の画像もっと見る

1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かにあのラストの開放感ったら! (onscreen)
2025-05-09 12:47:53
確かに、あのラストの開放感ったら格別でしたね!
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。