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シネマ見どころ

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「LUCY/ルーシー」 (2014年 フランス・台湾・アメリカ合作)

2014年09月11日 | 映画の感想・批評


 「レオン」でナタリー・ポートマンを発掘し、「ジャンヌ・ダルク」ではミラ・ジョヴォヴィッチの魅力を引き出したリュック・ベッソン監督が「自分の手で彼女たちを輝かせたい」と今回起用したのは、今が旬のスカーレット・ヨハンソン。闘うヒロインを描いた新たな感覚のSFアクション大作がまた一つ誕生した。
 人間の脳はいまだ解明されていないことも多く謎に包まれていて、普段はその能力の10%ほどしか機能していないらしい。もしその脳が100%覚醒したらどうなるか?!冒頭の、一つの細胞が時間とともにどんどん分裂していく場面から、見る者はベッソンが考え出した世界にぐいぐいと引き込まれていく。
 ベッソンは地球の多様性、異質な文化の融合も一つのテーマにしているようだ。その一つがバラエティに富んだキャスト。ルーシーを混乱の状況に追い込むマフィアのボスに韓国出身のチェ・ミンシク。ルーシーをサポートする脳科学者にはアフリカン・アメリカンのモーガン・フリーマン。そしてルーシーを守る刑事にエジプト出身のアムール・ワケドが演じている。舞台の設定も面白く、韓国マフィアが登場するのはソウルではなく台北。フリーマンやワケドの活躍の場はベッソンの出身地フランスのパリだ。この二つの街の雰囲気がまたいい。
 常識だと少々辻褄が合わない所もあるが、これもベッソンが脳を12%(?)覚醒させて生み出した世界だと考えれば楽しい。そこに米ILMの協力による視覚効果と特撮が加わって、想像をはるかに超えた世界が次々現れる。
 「E.T.」や「2001年宇宙の旅」など、往年の名作を思い出させるシーンはご愛嬌。ベッソンも根っからのSFファンだったんだね、きっと。
 (HIRO)
 
監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン
撮影:ティエリー・アルボガスト
出演:スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン、チェ・ミンシク、アムール・ワケド