チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

<4月21日・防衛省交渉の報告②>このまま美謝川切替工事に着手することは許されない --- 名護市との法定外公共物管理条例に基づく協議、底地の買収、県との林地開発協議が必要!

2021年04月25日 | 沖縄日記・辺野古

 4月21日(水)、衆議院議員会館で行った防衛省・厚労省交渉は、具志堅隆松さんやご遺族の方たちも来られたので、南部地区からの遺骨混りの土砂調達問題が中心だったが、辺野古新基地建設事業の工事の問題点についても追及した。

 21日のブログでは、参加されたご遺族の方の発言を紹介した。今日は、「防衛省・厚労省交渉の報告 その②」として、今年度、予定されている美謝川切替工事についての防衛省回答の問題点を説明したい。

(なお、この問題に関連する質問文は、4月20日の本ブログに全文掲載しているので、参照されたい。)

 

1.美謝川切替工事について

 沖縄防衛局は、本年4月2日、「シュワブ(R3)美謝川整備工事」の入札公告を行った。2021年度予算の内訳書でも、「埋立工事に要する経費」の付帯工事として、美謝川整備工事費として10億4400万円が計上されている。開札予定は6月18日であるから、着工は7月に入ってからと思われる。 

 

<法定外公共物管理条例に基づく名護市との協議について>

 質問3-1-3で私たちは、「美謝川の切替にあたっては、名護市と、法定外公共物管理条例に基づく協議が必要ではないか」と質問した。防衛省は昨年12月7日の回答文書で、『今後、美謝川の整備を開始する際には、協議の要否も含め、名護市に相談したいと考えています』と回答している。そこで今回、「防衛省はその後、『協議の要否』について、名護市と相談したのか」と質問したのだ。

 ところが防衛省は、「名護市との調整状況については、相手側との関係もありお答えは差し控えます」と回答を拒否した。一方、後述のように、林地開発については、「沖縄県との協議を開始した」と説明しているのだから、このような回答拒否は通用しない。渡具知名護市長は、「条例に基づく申請がされた場合、関係法令などに基づいて審査を適切に行う」としている。名護市との協議がないまま着工すれば、名護市法定外公共物管理条例違反である。

 

<底地を買収しない限り、河川工事に着手できない>

 質問3-1-2で私たちは、「今回の美謝川切替ルートの底地は、名護市や民間の所有地だが、底地の用地買収は終えているのか」と質問した。

 防衛省は、「提供施設区域内の美謝川の水路予定地内には、名護市やその他の所有者の所有地が存在しています。これらの土地で形状変更を行う際には、国と土地所有者間で締結した土地建物賃貸借契約書に基づき、防衛局から土地所有者に通知します」と回答した。

 しかし同契約書第9条は、「駐留軍が---形質変更する場合はあらかじめ土地所有者に通知する」とされている。提供施設内の工事は、米軍が行うものと日本政府が行うものがあり、それぞれ法令の適用も異なる。防衛省が引用した部分は、あくまでも米軍が行う工事についての定めであり、日本政府が行う工事には適用されない。

 そもそも、河川にされてしまうと、所有者は未来永劫、その土地を使用できない。そのような行為は、契約書第9条の「形質変更」には含まれない。他人から借りた土地を、使用不能にしてしまうことは許されない。

 また、切り替えられた美謝川は、法定外公共物(提供施設内は国所有、それ以外の部分は名護市所有)である。ところが防衛省の説明では、提供施設内で切り替えられた美謝川部分も、名護市や民間の所有のままということになってしまう。切替工事に着手するには、事前に、底地の買収が必要である。

 

<林地開発協議について>

 質問3-1-6で私たちは、「美謝川切替ルート、辺野古ダム周辺の土砂採取区域一帯には、森林法に基づく地域森林計画の対象とされた森林で、開発行為には知事との協議が必要だ」と質問した。

 これに対して防衛省は「沖縄防衛局と沖縄県で事前協議を開始したと報告を受けております」と回答した。

 しかしこれは事実に反する。4月22日の沖縄タイムスがさっそく報道したが、私も23日(金)に沖縄県森林管理課に行き、事情を聞いた。それによると、「北部農林水産振興センターが別の案件で防衛局と協議した際、今回、防衛局が提出したと主張しているものとみられる書類が説明もなく残されていた」という(上記沖縄タイムス)。とても、協議が始まったとは言えない。

 このまま切替工事に着手することは許されない。

  (美謝川河口部分(4月20日、環境監視等委員会資料より))

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