西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

鳥追い

2013-05-07 | よもやま話 (c)yuri saionji

こちらは編み笠の鳥追い。
作者も制作年も、前日の女太夫と同じ、豊国。
わらで編んだ編み笠を被っている。


小窓に赤羽根水天宮とあるが、
これは三田の久留米藩上屋敷内にあった水天宮のこと。
9大藩主、有馬頼徳(よりのり)が久留米の自邸にある社殿から分霊したのだとか。
すると、塀越しにお賽銭を投げ入れる人が後をたたなくなり、毎月五の日には門戸を解放したのだそうだ。

櫓のような高い塔は、頼徳の父頼貴(よりたか)が大名火消しに任ぜられて
組んだ日本一高い(3丈・約9メートル)火の見櫓だ。

「情けありまの水天宮」、「湯も水も火の見も有馬の名が高し」
とうたわれるほど、有馬上屋敷は江戸の名所だったようだ。

水天宮は明治4(1871)年の廃藩置県により青山の中屋敷に移され、
翌年日本橋蠣殻町の下屋敷に移され、現在に至っているという。

御際神は、源平合戦で8歳にして海に沈んだ安徳天皇。


コメント
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