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西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

浮世絵

2014-03-12 | よもやま話 (c)yuri saionji
これも歌川国芳の猫の浮世絵です。

「猫の歌舞伎」と題するこの絵は天保13(1842)年頃の作です。

ちょうどこの年は
江戸の芝居小屋が、人形町から浅草聖天町に強制移転させられ
新規開業となった年だ。
演奏は、朱塗りの「蛸足見台」の形からすると常磐津だろう。

       

浮世絵

2014-03-11 | よもやま話 (c)yuri saionji
歌川国芳の猫の浮世絵をもう少し見てみよう。

これは「おぼろ月猫の盛」という題で、吉原遊女屋の見世先を描いたものです。
格子の中に並ぶ遊女を品定めする男ども。

左のほうに長い煙管を差し出している遊女がいますね。
吸い口が客の方にむいています。
これは「吸い付け煙草」といい、
遊女が気に入った客に差し出す煙管です。
いわばお誘いですね。

だいたいが贔屓にする行為ですが、
客もその女が気に入れば煙管を受けます。
これで商談は成立し、客は二階へ上がり、お繁りとなる訳です。

基本的に大門内は医者以外、乗り物御法度でして、駕篭に乗っているのは医者でしょうかね。

  

浮世絵

2014-03-10 | よもやま話 (c)yuri saionji
歌川国芳の戯れ絵「猫の稽古」だ。

国芳は無類の猫好きで常に数匹から十数匹の猫を飼っていたのだとか。
この絵はじじ猫の持っている唄本からすると、
どうやら清元の稽古らしい。

ちなみに女師匠の元に通う、いなせな男と
長屋のご隠居といったところか。

    

踊り

2014-01-29 | よもやま話 (c)yuri saionji
これは「洛中洛外図屏風歴博本」に描かれた
「輪舞遊楽図」だ。
1500年代後半とされているが、
三味線を弾く人を取り囲んで踊っているから、
1600年に入ってからの物だろう。

三味線がここまでポピュラーになるのは
遊女歌舞伎が発祥してから後のことだからだ。
しかも男が交じって三味線を弾いている。
祇園御霊会の祭りだろうが、こういう場所で三味線を弾く図は珍しい。
     
皆着飾って輪舞に興じる。
明治に作曲された「元禄風花見踊り」は、この絵にヒントを得て作られたのかもしれない。

遊女歌舞伎

2014-01-13 | よもやま話 (c)yuri saionji

これは「洛中洛外図」舟木本の屏風絵のワンシーンだ。

慶長9(1604)年に秀吉を祀る、豊国神社の臨時祭礼があった。
ちょうど時期を同じくして、遊女屋の主、
林又一郎が五条河原に遊女歌舞伎をかけた。

祭礼の民衆の風流や、五条橋下あたりの小屋掛けの様子などが画かれている。

この遊女歌舞伎が、三味線を使った歌舞伎の始まりになるのだ。

          
真ん中、床几に腰掛けて三味線を弾いているのが
「おしょう」といわれるNO1の遊女。回りの遊女は連れ三味線だ。

客はここで遊女にめぼしをつけて、日が暮れたら
六条柳町の遊女屋に行く、という仕組みになっていた。
だから客は男が多い。