猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

聖なる復讐者

2024-04-02 22:14:39 | 日記
2022年の韓国映画「聖なる復讐者」。

クリスマスの朝、知的障害のある青年・ウォル(パク・ジニョン)が
屋上の貯水槽で無残な死体となって発見される。アルバイト先の監
視カメラには、殺害された夜、不良グループに絡まれるウォルの姿
が残されていた。ウォルの双子の兄・イル(パク・ジニョン/2役)は、
自分とは違って優しかった弟を殺した人物を追い、そして事件の真
相を探るため、不良メンバーのいる少年院に自ら入り、復讐の機会
をうかがう。

逃げた両親の借金返済と祖母を養うため、立ち退かせ屋として金を
稼ぐ18歳のイルと、知的障害を持ち笑顔を絶やさない双子の弟ウ
ォル。クリスマスの朝、ウォルが屋上の貯水槽で死体となって発見
される。死体には無残な暴行の痕があった。前夜のコンビニの監視
カメラには、不良グループに絡まれるウォルの姿が映されていた。
イルは弟を殺した犯人グループを見つけ出し、暴行事件を起こして
犯人のいる少年院へと入り込む。グループのリーダー・ジャフン
(ソン・ゴニ)はイルの執念に驚く。
イルは闇バイトをし、ウォルはコンビニでバイトをしている。ウォ
ルは小学校中学年程度の知能だと言っていたが、それでコンビニバ
イトができるのだろうかと思った。ウォルはクリスマスが大好きで、
クリスマスを心待ちにしていた。何度もイルに「イル、クリスマス
キャロルを歌おうか」と言っていたが、イルは「早く寝ろ」と言う
だけ。イルはそれほどウォルを大切に思っている様子には見えなか
ったが、さすがに殺されたとなると復讐心が芽生えてもおかしくは
ない。祖母もウォルの後を追うように死んでしまう。
少年院にはイルの事情を知っている教官でカウンセラーのスヌ(キ
ム・ヨンミン)や暴力や虐待を平気で行う「狂犬」とあだ名された
教官のハン(ホ・ドンウォン)などがいて、イルの復讐はなかなか機
会がない。スヌはイルに何度も復讐をやめるように諭していた。少
年院の院生たちにイルが何度も「市営住宅のくせに」と言われてい
たが、韓国では市営住宅に住む者は蔑まれているようだ。日本でも
そういう点はあるかもしれない。確かに裕福な人は市営住宅には住
まないだろう。イルはジャフンにいじめられているファン(キム・
ドンフィ)と親しくなり、ファンも復讐に協力するようになる。
おもしろかったが、とにかく暗く、後味の悪い映画だった。院生た
ちは皆同じ年頃で、皆坊主頭、同じ制服を着ているので見分けがつ
きにくい。集団でケンカをするシーンなど、誰と誰が敵対していて
誰が誰の味方なのかといったことがわかりにくかった。カウンセラ
ーのスヌがイルに肩入れしている理由は胸が痛む。イルとウォルの
2役を演じたパク・ジニョンが良かった。同じ人には見えない。こ
の人、「GOT7」というアイドルグループのメンバーでとても人気
がある人だそうだ。ラストもとても後味が悪いが、見応えがあった。



映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング
人気ブログランキング
人気ブログランキング
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする