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猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ムカデ人間

2014-05-14 03:49:45 | 日記
2010年のオランダ映画「ムカデ人間」。
ドイツ郊外。かつてシャム双生児の分離手術の名医だったヨーゼフ・ハイター博士は、
これまで行ってきた分離手術とは反対に、人間の口と肛門を繋げて「ムカデ人間」を
創造したいという密かな願望を持っていた。
ある日、旅行中のアメリカ人女性リンジーとジェニーが、車で移動中にタイヤがパンク
し、どしゃぶりの中を歩いていくうちに博士の家を見つけ、助けを求める。博士は2人を
家に入れる。そしてグラスの水に睡眠薬を混入し、それを飲んだ2人は眠ってしまう。
2人は、博士が自ら拉致した日本人のヤクザ(北村昭博)とともに、地下室に並べられた
患者用のベッドに拘束されてしまう。

まあ悪趣味なホラー映画だが、ずっと観たかった。ええ私は悪趣味ですとも。
ムカデ人間というものをよく思いついたものだ。その姿は本当にエグい。演技が大変
だっただろうな、と思う。
何と言っても良かったのが日本人のヤクザ。ずっと関西弁で「なにすんねん。しはくぞ、
ほんま」などと博士に毒づき続けるのがおもしろい。日本人の私が観ていると、笑えると
いうかユーモラスというか。しかも重要な役なのがまたいい。
この日本人役の北村昭博という俳優、主にアメリカで活躍している人らしい。監督は
どうしてこの人を選んだのだろう。とてもドイツ人な博士のキャラも良かった。
なかなかに衝撃的なラスト。この映画、「バスケットケース」みたいなカルト的な人気が
出るのではないだろうか。



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ブレイブハート

2014-05-10 15:25:14 | 日記
1995年のアメリカ映画「ブレイブハート」。
13世紀末のスコットランド。残虐で冷酷なイングランド王エドワード1世(パトリック・
マクグーハン)が率いるイングランドの侵略で、家族を皆殺しにされたウィリアム・
ウォレス(ジェームズ・ロビンソン)は、叔父に引き取られ育った。
成長して故郷に戻ってきたウォレス(メル・ギブソン)は幼なじみのミューロン(キャサ
リン・マコーマック)と恋に落ち、結婚するが、彼女はイングランド兵によって殺害
されてしまう。ウォレスは復讐を誓い、悪政に苦しむスコットランドの民衆の支持も
得て、彼らとともに自由と解放を目指す抵抗軍を作り、彼のカリスマ性と指導力に
魅かれた人々が続々と集まってきた。

アカデミー賞を受賞した壮大な歴史大作である。とてもおもしろかった。178分もの
映画だが、飽きることなく一気に観ることができた。ウイリアム・ウォレスのことは
少し知っていたので、ずっと前からこの映画観たかったのだ。
ウォレスは叔父の元で育ったので読み書きもでき、戦法にも詳しく、民衆の支持を
得る。エドワード1世の方はウォレスの抵抗軍の何倍もの兵を持っているのだが、ウォ
レスの戦法によって負けてしまう。だがそれだけでは終わらない。裏切り者も出る。
ウォレスが裏切り者の正体を知った時の表情は本当に悲しそうで、胸が痛んだ。それは
裏切り者の方でも一緒だった。
本作は必ずしも史実に忠実に描かれている訳ではないらしく、エドワード1世の息子の
エドワード王子(ピーター・ハンリー)の妃イザベル(ソフィー・マルソー)とウォレスが
想い合うというのは本当は時代がずれていて、違うのだそうだ。他にも所々史実と違う
描写があるらしいが、それでも当時の背景はわかったし、とても興味を惹かれた。アメ
リカ映画ながらイギリスの俳優が多数出演しているのも雰囲気が良かった。
そしてメル・ギブソンの圧倒的な存在感。彼は後に「パッション」(これは観れない)を
作っているが、歴史上の人物に興味があるのだろうか。
ラストの10分くらいは本当に感動的だった。素晴らしいラストシーンだ。ウォレスの
「フリーダム!」の叫びが耳に残っている。



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汚れなき悪戯

2014-05-05 02:51:41 | 日記
1955年のスペイン映画「汚れなき悪戯」。
聖マルセリーノ祭を迎えたスペインのある小さな町。病気の少女の見舞いに訪れた
神父は、この日にまつわる美しい奇跡の物語を話して聞かせる。
19世紀前半、スペインのある町の町長を3人のフランシスコ修道士が訪れ、戦争で
破壊されたまま廃墟となっている、丘の上の市有地の修道院を再建する許可を求めた。
町民の助けを得て再建した修道院ではやがて12人の修道士が働くようになったが、
ある年の聖マルセリーノ祭の朝、門前に赤ん坊が置かれていた。両親は既に死んでい
ることがわかったので、修道士たちは里親を求めて歩き回ったが、適当な家が見つか
らず、結局修道院で育てることになった。
5年後、マルセリーノと名づけられた赤ん坊は活発な少年に成長していた。彼は修道
士たちから愛され、宗教や勉強を教わっていたが、母親も同じ年頃の遊び相手もいない
境遇に、修道士たちは憂慮していた。

NHKのBSプレミアムで放送していたので、ものすごく久し振りに観た。昔リバイバルで
映画館で上映していた時に観にいったが、号泣したのを覚えている。
宗教色の濃い童話のような物語だが、とても感動的だ。かわいそうな気持ちと感動を
同時に感じる、キリストの奇跡の物語である。
とにかくマルセリーノがかわいい。くるくる動く大きな瞳。あの顔を覚えている人は
多いのではないだろうか。孤児だが、12人の修道士に愛され大切にされ育つ。それでも
時々母親を恋しく思う。5歳の子なら当たり前だ。母親を想う気持ちにこちらも胸が
ギュッと痛くなる。
12人の修道士にあだ名を付けて呼んだり、マヌエルという架空の友達と会話したりする
のも子供らしくてかわいい。この映画は物語もだがマルセリーノのかわいさで大ヒット
した部分もあると思う。
ラストの奇跡のシーンは、それを見ていた12人の修道士と同様、感動の涙を流さずには
いられない。
マルセリーノ役のパブリート・カルボは、10代で映画界を引退し、2000年に52歳の
若さで脳卒中で亡くなったそうだ。


先日「バタフライ・エフェクト」を観たが、全然おもしろくなかった。感想が特にない。
「すごくおもしろいよ!」と勧められて観たのだが…私には合わなかったようだ。
ラストが切なかった、それだけは良かった。



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