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猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

シスターズ 異常な愛情

2025-03-05 23:08:57 | 日記
2019年のアメリカ映画「シスターズ 異常な愛情」。

母親の拘束から逃げるかのように家を飛び出したライリー(クリステン・
ヴァガノス)。残してきた病弱な妹・ベス(ミカヴリー・アマイア)は、母
親・モニカ(リビー・マンロー)の支配下で病院にも行けず、病状は悪化す
るばかりだった。それから3年が経過し、2人の前にライリーが戻ってき
た。久しぶりの我が子の帰宅にも関わらず、モニカは警戒心をむき出しに
対応。ライリーが帰省したのは、ベーカリーを開き、恋人である看護師・
エイデン(ザック・ゴールド)との婚約を報告、彼を紹介したいからだった。
モニカは祝福するも、相変わらず「ベスを病院に連れて行ったら」という
ライリーの話には全く耳を傾けなかった。だが、べスの髪がごっそり抜け
るのを見たライリーは、不安になりエイデンに相談する。

実際に起きた事件を基にしたサスペンス。父親が死んだ後、母・モニカ、
妹・べスと共に暮らしている高校生のライリーは、母親が2人の娘を大事
に思うあまり、ろくに学校にも行かせない束縛ぶりに嫌気が差し、1人で
家を出ていく決意をする。それから3年後、苦労しながらも小さなベーカ
リーの店をオープンさせ、看護師をしているエイデンという婚約者もでき
たライリーは、久しぶりに母親とべスが住む自宅へと戻る。母親はライリ
ーが戻ってきたことを喜びつつ、家に入るなりライリーにシャワーを浴び
させ着ている服を消毒するなど、異様な潔癖症の様子を見せる。
ライリーはべスにも再会するが、べスは体調が悪く顔色も青白かった。母
親はべスがギラン・バレー症候群という免疫性の病気にかかっていると説
明し、そのために外部から毒素が侵入することを防いでいるのだと話す。
そしてライリーが自分で作ってきたお土産のケーキも捨ててしまう。ライ
リーがべスに話を聞くと、病気の診断を受けてから家を1歩も出たことが
なく、自宅で勉強をしているのだと知る。しかし勉強に使っている百科事
典などは古いもので、ライリーは新しい知識も取り入れた方がいいと母親
に助言するが、母親は自分のやり方があると拒絶する。
ライリーは、ティーンエイジャーでありながら化粧の仕方も知らないべス
のために髪を結ってあげるが、櫛で髪をとかすとべスの髪がごっそりと抜
けてしまう。驚いたライリーはエイデンに電話し、ギラン・バレー症候群
について調べてもらうと共に、べスの血色の悪い爪の写真を撮ってエイデ
ンに送信する。そしてライリーは外の世界を知らないべスのために、自分
のスマホで色んな写真を見せてあげるが、母親は外から持ち込んだものは
危険だからとスマホを取り上げてしまう。母親はライリーのスマホを温室
に持ち込むと、金づちで叩き割る。
タイトルの通り母親の異常な愛情、そして狂気の物語である。予定調和の
展開だが、これが実際に起きた事件だと思うと怖い。ライリーは最初に家
を出ようと決めた時べスに一緒に行こうと声をかけたのだが、おとなしい
べスは母親の元から離れるのを恐れて行かなかった。異常に過保護で過干
渉な母親の歪んだ愛情は、べスの心をすっかり支配していたのだろう。色
んなシーンで「次はこうなるよね」と予測できてしまうが、それでもなか
なかスリリングだった。ただラストが気に入らない。ライリーとべスはど
うして母親に会いに行ったのだろう、と思った。あんな目に遭ったのだか
ら会いに行かなくていいのに。普通は絶縁一択だろう。実際にはどうだっ
たのかわからないが、その点がしっくり来なかった。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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アメリカでいう児童相談所に相談しても… (ウラジーミル・アスポン)
2025-03-07 09:34:20
主人公のライリーはロクに学校にも行かせてもらえないなど、妙な母親の元が嫌で母親
から逃げるように家を出たんですね。
ベーカリーをオープンし、婚約者も出来たので、実家に報告する事になったんですね。
毒親でも実家なんですね。

病弱な妹のベスを病院にも行かせない母親の件に関しては、アメリカ版の児童相談所に相談した方がいい気もしますね。
髪の毛がごっそり抜けたベスの件で婚約者エイデンに相談するのもいいけど、既に犯罪レベルなので、公的な所に相談すべきだと思います。
ギラン・バレー症候群という免疫性の病気なら、現代のきちんとした医療を受けた方がいいですね。
着ている服を消毒するなど、清潔にするだけで、病気が防げるわけはないです。
しかも娘のライリーが手作りしたお土産のケーキも捨てるとは最低ですね。

病気の診断を受けてから家を1歩も出た事がないベスは古い百科事典で、自宅で勉強をしているんですね。
リモートでオンライン学習ならいいけど、古い百科事典で勉強しても意味ないですね。

妹はスマホなどネットからも遮断されている状態ですね。
ライリーが妹にスマホを見せるので、母のモニカはスマホを金づちで叩き割って情報を遮断しましたね。
母モニカは、ベスを束縛したいので、遮断したいのは外の「バイ菌」よりも「情報」ですね。
周りの情報を得れば、ベスも自分の置かれた状況の異常性に気付くから、母親はネットを見せないようにしていますよね。

毒親で縁切り一択だと思うんですが、それでもライリーとべスは母親に会いに行ったりするんですね。
そもそも、最初に家を出る時に、ベスも連れて家を出て行くべきだったと思う程です。
返信する
Unknown (杏子)
2025-03-07 15:07:55
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。毒親でも実家なんでしょうね。妹がいるし…

病気なのに病院にも行かせてもらえず、学校にも行かせてもらえないベスのことは、
確かに児童相談所や福祉局のようなところに相談すべきだったと思いますが、
若いライリーには思いつかなかったのでしょうね。

母親は世間の情報をベスから遮断して束縛したいので、ライリーが帰ってきたことを
快く思ってないです。スマホで色んな情報を与えようとするので、スマホも隠してしまいます。
ライリーはスマホを探し回りますが、実は叩き壊されていたんですね。
この母親、異常すぎます。こんな人いるんですね…

ライリーはベスの髪の毛をエイデンに郵送して病院で調べてもらおうとしますが、
エイデンが調べると大変なことが判明します。

母親は毒親というだけでなく殺人犯なので、ラストでライリーとベスが
母親に会いに行くのは納得がいかないです。あんな人でも母親に対する愛情は
残っているんですかねえ…
絶縁しないのが不思議です。
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