2023年の日本映画「静かなるドン 後編」。
関東進出を狙い、新鮮組との抗争で関西の鬼州組内部では跡目
争いが勃発。一方、新鮮組現総長・近藤静也(伊藤健太郎)は同
僚・秋野明美(筧美和子)が抗争に巻き込まれたことを悔やみ、
抗争を回避して裏社会から身を引くため、鬼州組と親子盃を交
わすことを提案する。坂本組長(寺島進)の妻・龍子(内田慈)は
その提案を受け入れず、亡き夫が信頼していた若頭・沢木(朝
井大智)を新組長にするが、龍子は悪徳幹部・汚田(宮崎吐夢)
の策略で殺される。彼女の死を新鮮組の犯行と思い込んだ沢木
は、全面戦争に打って出る。
新田たつお氏の任侠漫画の実写化の後編。新鮮組との抗争が激
化する中、鬼州組内部では次期組長の座を巡って混乱が広がっ
ていた。一方、静也は秋野とお互い思い合っているにも関わら
ず、ヤクザという立場が足かせとなり、一歩を踏み出せずにい
た。もし秋野と一緒になるとしたら、秋野は姐さんにならなけ
ればならず、もう普通の勤め人生活は送れなくなる。静也は自
分の信念とヤクザ社会の掟との間で揺れ動いていた。
そんな中で静也が出した決断は、鬼州組と親子の盃を交わし、
新鮮組を「子」とすることで、自分は総長の座から身を引くこ
とだった。当然組員たちは大反対をする。静也は1人で大阪の
鬼州組の事務所を訪問し、亡き坂本組長の妻・龍子に親子盃の
話をするが、「主人はそんなことを望んでいない」と断られる。
龍子は夫が信頼していた若頭の沢木を組長にするつもりでいた
が、汚田がそれに異を唱え、龍子を組長代理にすることを提案
する。
汚田は龍子に組長が務まるはずがないとわかっており、裏で実
権を握ろうと画策していた。そして秋野は自分のデザインが認
められ、個展を開くことになった。静也は個展を観に行くが、
そこには龍子も来ていた。秋野は静也と龍子が知り合いである
ことに驚くが、自分と静也とで龍子に東京見物をさせようと思
い立つ。このシーンがなかなかいい。秋野を中心に、静也と龍
子は束の間の堅気の時間を楽しむ。もんじゃ焼き屋で、事情を
知っている龍子が静也に「あんたも大変やな」と言うところが
良かった。
しかしこの後物語は大きく動く。汚田が部下に龍子を殺させ、
それを新鮮組の犯行に見せかけたのだ。沢木は怒り狂い、静也
が「殺したのは自分じゃない」と言っても聞かない。新鮮組組
員たちは鬼州組と戦争をしようと静也に訴えるが、静也はどう
しても首を縦には振らなかった。この辺りの静也の態度はちょ
っとイライラした。龍子があんなにひどい殺され方をしたとい
うのに…ずっと迷っているのだ。
しかし、静也を慕う運転手の鳴戸(深水元基)が妻子と共に殺害
されてしまい、とうとう静也の怒りは爆発し、単身鬼州組に乗
り込む。割とコミカルだった前編に比べ、後編はかなりシリア
スである。静也の「普段は温厚で優しいが1度キレると手がつ
けられない」というところもよく描かれていた。ラストは切な
いが、やっぱりユーモラス。新鮮組幹部の猪首(本宮泰風)がよ
く静也を「坊ちゃん」と呼んでいるのが良かった。
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関東進出を狙い、新鮮組との抗争で関西の鬼州組内部では跡目
争いが勃発。一方、新鮮組現総長・近藤静也(伊藤健太郎)は同
僚・秋野明美(筧美和子)が抗争に巻き込まれたことを悔やみ、
抗争を回避して裏社会から身を引くため、鬼州組と親子盃を交
わすことを提案する。坂本組長(寺島進)の妻・龍子(内田慈)は
その提案を受け入れず、亡き夫が信頼していた若頭・沢木(朝
井大智)を新組長にするが、龍子は悪徳幹部・汚田(宮崎吐夢)
の策略で殺される。彼女の死を新鮮組の犯行と思い込んだ沢木
は、全面戦争に打って出る。
新田たつお氏の任侠漫画の実写化の後編。新鮮組との抗争が激
化する中、鬼州組内部では次期組長の座を巡って混乱が広がっ
ていた。一方、静也は秋野とお互い思い合っているにも関わら
ず、ヤクザという立場が足かせとなり、一歩を踏み出せずにい
た。もし秋野と一緒になるとしたら、秋野は姐さんにならなけ
ればならず、もう普通の勤め人生活は送れなくなる。静也は自
分の信念とヤクザ社会の掟との間で揺れ動いていた。
そんな中で静也が出した決断は、鬼州組と親子の盃を交わし、
新鮮組を「子」とすることで、自分は総長の座から身を引くこ
とだった。当然組員たちは大反対をする。静也は1人で大阪の
鬼州組の事務所を訪問し、亡き坂本組長の妻・龍子に親子盃の
話をするが、「主人はそんなことを望んでいない」と断られる。
龍子は夫が信頼していた若頭の沢木を組長にするつもりでいた
が、汚田がそれに異を唱え、龍子を組長代理にすることを提案
する。
汚田は龍子に組長が務まるはずがないとわかっており、裏で実
権を握ろうと画策していた。そして秋野は自分のデザインが認
められ、個展を開くことになった。静也は個展を観に行くが、
そこには龍子も来ていた。秋野は静也と龍子が知り合いである
ことに驚くが、自分と静也とで龍子に東京見物をさせようと思
い立つ。このシーンがなかなかいい。秋野を中心に、静也と龍
子は束の間の堅気の時間を楽しむ。もんじゃ焼き屋で、事情を
知っている龍子が静也に「あんたも大変やな」と言うところが
良かった。
しかしこの後物語は大きく動く。汚田が部下に龍子を殺させ、
それを新鮮組の犯行に見せかけたのだ。沢木は怒り狂い、静也
が「殺したのは自分じゃない」と言っても聞かない。新鮮組組
員たちは鬼州組と戦争をしようと静也に訴えるが、静也はどう
しても首を縦には振らなかった。この辺りの静也の態度はちょ
っとイライラした。龍子があんなにひどい殺され方をしたとい
うのに…ずっと迷っているのだ。
しかし、静也を慕う運転手の鳴戸(深水元基)が妻子と共に殺害
されてしまい、とうとう静也の怒りは爆発し、単身鬼州組に乗
り込む。割とコミカルだった前編に比べ、後編はかなりシリア
スである。静也の「普段は温厚で優しいが1度キレると手がつ
けられない」というところもよく描かれていた。ラストは切な
いが、やっぱりユーモラス。新鮮組幹部の猪首(本宮泰風)がよ
く静也を「坊ちゃん」と呼んでいるのが良かった。
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