定年後の伊豆高原 バラと酒と音楽と

伊豆高原に終の棲家を建築し永住。カミサン、愛猫ジローとの伊豆での老後は如何に。薔薇・酒・音楽・日々の徒然。

手術日決まる

2009年08月22日 | バラ日記
担当の整形外科医・循環器科・麻酔科・心臓血管外科などの医師が集まり、家内の診察検査データを評価。結果は手術実施となった。
あれこれとリスクを考えると心配事が絶えないが、数枚の合意書(つまり考えられるアクシデントの結果、死亡もしくは重篤な後遺症が出ても医師の責任ではないという類のもの)に署名押印する。

手術は火曜日。人工大腿骨置換え術は一時間ほどで終える手術だが、貧血で白血球が少ないので輸血が必要であるし、手術部位の細菌感染による化膿は通常の数倍のリスクだという。手術中の様々なアクシデントがおこったとしても各分野の専門医と最新の設備が整っているのだから医師の力量を信頼する事にした。というより任せるしか選択の余地はないのだが。

無事手術を終えればすぐに二週間ほどの病院内リハビリをおこない、その後、中伊豆温泉病院か中伊豆リハビリセンターなどのリハビリ専門施設に入院して一~二か月程度のリハビリを行う予定だ。中伊豆リハビリセンターは二年前に家内が低血糖脳障害によりリハビリ入院したし、昨年は亡父が脳梗塞治療の後で東京の病院から転院して三か月のリハビリを行ったところだ。

医師からの説明と手術後のリハビリ施設転院の話を家内にゆっくりと説明する。
骨折した右足の骨にワイヤーを通して足を引っ張られてままの家内、少しでも動かすと激痛が走る。不安にあふれた顔をして説明を聞く。

という訳で手術は安心して受けられるよ。麻酔で眠っているうちに一時間で終わっちゃうから痛くないよ。
「うん、よ・か・っ・た」
手術後は専門のリハビリ施設でしっかりとリハビリすれば歩けるようになるよ!
「でも、また山の上のリハビリセンターに入院するんでしょ、わたし、あそこ行きたくない」
うん、よく判るよ、寂しくなっちゃうしね。でもさ、頑張らなくちゃね。僕も毎日行くからさ。
「行きたくない…」

「行かないと…どうなっちゃうの?」
歩けなくなっちゃう…つまり車椅子の生活だし、数メートルも歩けなければ自分でトイレにも行けなくなっちゃうよ。
…家内、口をきかなくなってしまった。

山奥の寂しい施設に取り残され、辛いリハビリを続ける孤独で長い時間。誰でも不安と寂しさに何で自分だけがと涙を流すという。
中伊豆リハからの帰り道、拓郎の「全部抱きしめて」が流れるたびに泣きながら真っ暗な山道を帰った毎日がまた始まるのか。