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定年後の伊豆高原 バラと酒と音楽と

伊豆高原に終の棲家を建築し永住。カミサン、愛猫ジローとの伊豆での老後は如何に。薔薇・酒・音楽・日々の徒然。

終の棲家

2007年10月10日 | 定年後の徒然日記
伊豆高原の家、私はこの家を「終の棲家」として建てました。「終の棲家」とは文字通り、人生の終焉を迎えるための、そして残りの人生を夫婦して恙無く安心して楽しめる我が家であるべきとの思いがあります。その為のロケーションの選択であり、その為の設計であり、その為の準備も十分にしてきたつもりです。

でも、「なんで手が動かないの?なんで足が動かないの?なんで上手く話せないの?なんでこんな体になっちゃったの?もう病院は嫌、お家に帰りたい…早く帰りたい…」涙をいっぱい浮かべながら呂律の廻らない言葉で訴える家内に、うろたえて慰めともならない言葉を返すしか出来ない自分が情けなくてなりません。

桜の名所としても知られる伊豆高原の観光スポットさくらの里。冬の木枯らし吹きすさぶ時期外れの公園は人気もなく寂しいものです。「寒いわねぇ」「大室山からの吹きおろしは堪えるな」「もう足が痛くて歩きたくない…」「痛くても歩かなくちゃ…先生が言っていたじゃないか、無理をしてはいけないけど、ゆっくりでいいから散歩を続けてくださいって」
寒い冬も二人で散歩を続けてきました。希望もあったし二人の散歩は楽しいものでした。この夏も汗だくになりながら雨でもない限り散歩を続けてきました。それは治るという確信があったからです。
勿論今でも私は「治る」という希望は失っていません。でも、家内の泣き顔を見ると心が挫けそうになってしまいます。

この住まいは私達夫婦にとっての本当の終の棲家となるだろうか…不安です。
今日、玄関前の手摺工事が完成しました。介護保険から20万円の補助が出るそうです。有り難いことではありますが、手摺がなんとも白々しく見えてしまいます。