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半導体露光装置各社 ArF液浸装置の新型機開発に着手

2007-12-24 | 微細化/大口径化動向


 半導体露光装置メーカーが、フッ化アルゴン(ArF)液浸露光装置の新型機開発に相次いで着手する。

 チップ上の回路線幅30nmの次世代半導体製造に用いる。オランダのASMLは、08年末に新型機を投入するほか、ニコンとキャノンは09年に量産対応機の市場投入を目指す。


●新型機投入 需要取り込む

 半導体メーカーは、2010年ごろの量産を視野に同30nm世代品の量産に乗り出す。露光装置各社は、この時期に新型機を投入し、需要を取り込んでいく。

 ASMLは、ArF液浸露光装置の需要増加を見込み、08年末に新型機を投入する。

 新型機は、明るさを表すNA(開口率)が1・35。回路線幅を32nmまで微細化した次世代半導体製造には、露光を2回実施するダブルパターニング方法が有力視される。

 このため、2回露光の重ね合わせ精度を向上するほか、一時間当たりの生産性を表すスループットを既存機種より約30%増の175枚に高めたものを開発する。

 ニコンは、ArF露光装置「NSR―S610C」の後継機として、08年中に「620」の試作機を開発、09年に量産対応機を市場投入する。回路線幅32nm以降のダブルパターニングに対応する次世代半導体の製造機種となる。

 キャノンは、今夏までにNA1・35で回路線幅45nm世代以降を狙ったArF液浸露光装置「FPA―7000AS7」を複数台受注、このほど出荷したばかり。回路線幅32nmに対応する新型機開発にも着手し、09年の市場投入を目指す。

 ArF液浸露光装置は、投影レンズとウエハーの間を純水で満たし、空気中では難しいNA1.0以上を実現する。

 一台当たりの価格は40億~45億円するが、チップ上の回路線幅が40nm世代まで微細化すると、ArF液浸露光でなければ回路を形成できない。


●露光装置各社 争い激化

 ASMLは、07年に187台の露光装置を出荷する予定で、そのうちArF液浸露光装置は35台で、全出荷台数に占める比率が約19%にのぼる。07年7―9月には、NA1.35の「XT1900i」を市場投入。

 ArF液浸露光の出荷台数は07年上期に12台だったが、同年第3四半期には12台にのぼり、受注ベースでは同機種のみで22台の実績をつくった。

 ニコンは現在、NA1.3の「NSR―S610C」など2機種を販売しており、06年度7台だったArF液浸露光装置の出荷台数を3倍増となる21台に増加、全出荷台数180台に占める比率を12%に高める。

 キャノンは全出荷台数181台に占める比率は低いが、今後、巻き返しを図る。


●微細化へ向かう半導体メーカー

 半導体メーカーは、07年から09年に回路線幅40nm世代の次世代半導体の生産に乗り出す。いずれもArF液浸露光装置を用いる。

 松下電器産業はASML製で同45ナノメートル品の量産を開始。NECエレクトロニクスはASML「1700i」を導入し、08年度末をめどに同40nm品の量産を始める。

 ルネサステクノロジはニコン製を導入し、08年に量産を始める。

 エルピーダメモリは09年に回路線幅を65nmから50nmに微細化したDRAMの量産に乗り出すが、その際にASML製とキャノン製の導入を検討している。





【記事引用】 「asahi.com/2007年12月6日


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