「2014年には、450mmウェーハによるLSIの量産を始めたい。」
米インテルが,7月の 「SEMICON West2007」 のサプライヤ向け会議でこのように明言した。同社が本気の姿勢を示したことで、Siウェーハ径の450mmへの移行に関する議論は、にわかに活発化し始めている。
●米インテルが推進 装置メーカーは消極的
米インテルの意向を反映する形で、米ISMI (International SEMATECH Manufacturing lnitiative) が「450mmプロジェクト」を始動させる計画をSEMICON会期中に明らかにした。
ISMIは、米国の半導体コンソーシアムSEMATECHの傘下にあり、米インテルはその主力メンバー企業である。 ISMIは従来、450mmへの移行を視野に、300mmラインでのLSIの生産性向上を狙う「300mm Prime」を推進してきた。
その目標は、ウェーハ面積当たり30%のコスト低減とマスク当たり50%のサイクル・タイム削減である。ISMIは今回、300mm Primeでは「コスト低減目標を達成できない」との評価結果を踏まえて,450mmへの移行を打ち出した。
米インテルのように450mm化を強く主張しているメーカーは現状では少ない。
製造装置・部材メーカーの反応はさらに冷ややかである。300mm対応のプラットフォームを根本から見直す必要があり、開発投資が莫大になるためである。
装置最大手の米Applied Materials, Incでさえ、「現時点では ROIが成り立つか不透明」として消極的。
ただし、サムスン電子や台湾TSMC、東芝といった大手が450mm化に動けば、流れが変わる可能性はある。 米インテルは、これらのメーカーに450mmの必要性を理解してもらうために働きかけている模様だ。
【記事引用】 「NIKKEI MICRODEVICES/2007年9月号」