部品Blog

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ウェハー大口径化へ 進む開発

2008-01-22 | 微細化/大口径化動向


 シリコンウェハーの大型化をにらみ、ウェハーや製造装置メーカーが研究体制を拡充し始めた。

 直径450mmの次世代ウェハーは、早ければ2012年頃に実用化されるとの見方が有力。製造コストをどの程度削減できるか不透明な要素も多いが、次世代品への移行に必要な技術開発は静かに進み始めている。


●SUMCO 新拠点

 シリコンウェハー世界2位のSUMCOは、約150億円を投じ、伊万里工場(佐賀県伊万里市)の敷地内に研究開発拠点を今年末までに新設する。

 国内7ヶ所の製造拠点に分散している技術者約1000人を集約し、研究開発を効率化するのが目的で、結晶から加工まで一貫拠点とすることで、新技術の量産への早期展開を目指す。技術者のうち200人は次世代技術開発の専任とする。

 微細化対応と並んで、次世代ウェハーの開発も主要な開発課題の一つ。

 シリコンウェハーは、巨大なシリコンの塊をスライスして作る。450mm品に移行するためには、大きな塊を造るるつぼや、引き上げ装置、周辺部材など全てを作り直す必要がある。

 特に重量対策は重要で、搬送装置など機材の大型化で工場も大型化する必要が生じる。


●450mm研究着々

 ウェハーメーカーのコバレントマテリアルは昨秋、自社の技術開発展示会で450mmの試作品を出した。現在も製造子会社のコバレントマテリアル新潟を中心に、事業化調査を進めている。

 ウェハー最大手の信越化学工業も研究を進めている模様。ウェハーを加工するための装置メーカーでも、大口径対応の研究開発に着手している。

 成膜やエッチングの装置では、大口径化してもムラなく均一に加工できるようにするための技術開発が不可欠になる。

 成膜装置大手の日立国際電気は昨夏、次世代品対応のため、社内プロジェクトを設立。コンピューターを使って大口径化で生じる現象を解析するなどの作業を進めている。

 日本半導体製造装置協会(SEAJ)は技術部会で、半導体メーカーの採用意欲を含めて次世代ウェハーをめぐる市場動向を調査し始めた。

 装置業界でも搬送に必要な容器の大きさや装置の高さなど、標準化に向けた動きが出ている。





【記事引用】 「日経産業新聞/08年1月21日(月)/3面


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