フィリピン男子初の金メダリスト

写真：産経ニュースより

　パリオリンピックが閉幕しました。

　日本はメダルラッシュで、自国開催（2020東京）を除くと、過去最高のメダル数なんだそうです（金20、銀12、銅13）。

　同居しているD（三女の夫、フィリピン人）は、オリンピックにあまり興味がない。フィリピン人選手がほとんど出ていないからですね。

　日本の出ているバスケットボールやバレーボールを少し見ていた程度。フィリピンで高校教師をしていたとき、バレーボール部のコーチをしていた経験があるんだそうです。

　そんな中、８月３日に、フィリピン人が金メダルをとったというニュースが飛び込んできました。

　体操男子種目別ゆかで、フィリピン人のカルロス・ユーロ選手が金メダルをとったのです。

「体操にフィリピン人が出てたんだ！」

　さらに翌日の４日には、種目別の跳馬でも金を獲って、二冠。

「すごいね！」

　前回の東京オリンピック（2021年開催）では、女子ウエイトリフティングで、 ヒディリン・フランシスコ・ディアス選手がフィリピン人として史上初めて金メダルをとり、フィリピンが大騒ぎになったことがありました。このとき、Dはまだ日本に来ていませんでした。

金メダルで１億円！

　体操のカルロス・ユーロ選手は、男子としてはフィリピンで最初の金メダリスト。二つの金メダルというのは、同国で初めての快挙です。

　カルロス・ユーロ選手は、2002年生まれの22歳。

　マニラ出身で、13歳のときに体操のフィリピン代表合宿で日本人コーチ（釘宮宗大）に才能を見出され、日本に来ないかと誘われる。ただ、両親と４人兄弟の実家は貧しく、留学費用は出せない。そのため、コーチとフィリピン体操協会が負担して、2016年に来日。その後、IOCとJOCが共同で発展途上国の選手を支援するプログラムを活用し、年間300万円の援助を受けることができたそうです。

　日本で高校を卒業後、釘宮コーチの所属する帝京大学の日本語課程を経て帝京大学に入学。東京オリンピックにフィリピン代表として出場し、種目別跳馬で4位入賞。2022年には、社会人チームの徳洲会に入り、岡慎之助選手や杉野正尭選手とともに練習。2023年にフィリピンに帰国。

　男子初の金メダル、それも２個、ということで、フィリピンは東京大会のディアス選手の時以上に盛り上がっているそうです。

フィリピン体操男子が金メダル２冠で巨額報酬をゲット！

　カルロス選手が受け取る報奨金は…

フィリピン政府から1000万ペソ（約2500万円）
国会下院から600万ペソ（約1500万円）
ある不動産会社から高級コンドミニアムと現金計3500万ペソ（約8750万円）
ある大手レストランチェーンからは、ラーメン、マカロニチーズ、グリルチキンなどの生涯食べ放題権
ある大学病院から、内視鏡検査を一生無償で受けられる権利

　ラーメンを食べ放題食べて、胃腸を壊したときに備え、内視鏡検査受け放題…

　大手レストランチェーンと大学病院のコラボでしょうか？

　別の報道によれば、 ミンダナオ大学が無料で学位をプレゼントするそうです。

　こんなお祭り騒ぎになるのは、これまでフィリピン人のメダリストが少なかったから。

　以下は、オリンピックでのフィリピン人のメダリスト一覧です。

テオフィロ・E・イルデフォンソ
（フィリピン初のメダリスト）
1928年アムステルダム大会　水泳男子200m平泳ぎ　銅メダル
1932年ロサンゼルス大会　水泳男子200m平泳ぎ　銅メダル

ミゲル・ホワイト
1936年ベルリン大会　陸上男子400mハードル　銅メダル

ローエル・ベラスコ
1992年バルセロナ大会　ボクシング男子ライトフライ級　銅メダル

マンスエト・オニョク・べラスコ・ジュニア
（フィリピン初の銀メダリスト、ローエル・ベラスコの弟）
1996年アトランタ大会　ボクシング男子ライトフライ級　銀メダル

ヒディリン・フランシスコ・ディアス
（フィリピン初の金メダリスト）
2016年リオデジャネイロ大会　ウエイトリフティング女子53kg級　銀メダル
2020年（2021年開催）東京大会　ウエイトリフティング女子55kg級金メダル

ネスティー・アルケイドゥ・ペテシオ
2020年東京大会　ボクシング女子フェザー級　銀メダル

カルロス・ユーロ
（フィリピン男子初の金メダリスト、同一大会で二つのメダルも初）
2024年パリ大会　体操男子種目別ゆか　金メダル、同跳馬　金メダル