犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

金メダルで1億円!

2021-07-30 23:06:04 | 日々の暮らし(2021.2~)
「フィリピンの選手が金メダルを取って、大騒ぎになってるらしいよ」

 結婚したのに来日できないフィリピン人の夫と、毎日、ネット通話をしている娘が教えてくれました。

「なんの競技?」

「女子重量挙げ。フィリピン人選手がオリンピックで金メダルをとるの、これが初めてなんだって」


「へえ。で、フィリピン人がみんな喜んでるんだ」


「ちがうよ、金メダルの賞金が1億円で、その金額に驚いてるの」


「1億円⁈ すごいね! 日本はそんなに多くないと思ったけど」


「日本もお金がもらえるの?」


「前は少なかったけど、最近増えたみたい。でも何百万のレベルだと思うよ」


 調べてみると、日本が五輪のメダル獲得者に報奨金を出すようになったのは、1992年のアルベールビル五輪から。64年の東京五輪以降、日本のメダル数はアジアでトップだったが、84年に中国に抜かれ、88年には韓国にも抜かれた。中国や韓国は報奨金やその他の経済的支援(年金など)を保証していた。危機感を強めた日本は、遅ればせながら報奨金を導入、金300万円、銀200万円、銅100万円を支給した。その後、金メダルのみ増額され、現在は500万円。

 今回、女子重量挙げでフィリピン初の金メダルを獲得したヒディリン・ディアス選手には、国が規定していた1000万ペソ(約2200万円)以外に、ドゥテルテ大統領がポケットマネー300万ペソを約束、企業からも賞金や賞品の申し出が殺到。27日時点で、総額は5850万ペソ(1億2700万円)。寄付金は、もっと増える見込みとのこと。(※29日の報道では2億2000万円!リンク

 フィリピンの平均年収は約31万ペソ(約68万円)ですから、夢のような金額です。

「もらったお金、盗まれないように気をつけないとね」

「家の場所もわかっちゃうだろうし、「どうぞ盗りにきてください」って言っているようなもんだもんね。それに親戚や友達もみんな、お金をせびりにくるよ」


 私が昔、アルバイトとして雇っていた韓国人(男性)が、帰国後、政界に入り、金泳三大統領の秘書官をやっていました。彼から、秘書官の中に、「大統領の親戚担当」がいる、という話を聞きました。なんでも、韓国では身内に成功した人が出ると、怪しい族譜(家系図)を手にした自称親戚が大量に湧いてきて、慶弔金をせびりにくるそうな。担当秘書官が、それらの人々の対応をしていたそうです。

 フィリピンも、似たところがあるのかもしれません。

〈参考〉
フィリピンパブ嬢の社会学(リンク

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