肉を多く食べる人、お酒を飲む人の方が長生きとのデータ (女性セブン 2016年9月29日・10月6日号)
“日常のちょっとした選択”で、あなたの寿命が変わるとしたら!? 科学的な調査に裏づけられた、魔訶不思議な長寿の法則を紹介します。
まずは、「肉をたくさん食べる人と食べない人」はどっちが長生きするかについて。高齢者こそ肉を食べてほしいと言うのは、ナグモクリニック東京院・更年期外来担当で、日本機能性医学研究所所長の斎藤糧三さん。
「年をとるほど、たんぱく質の摂取で、筋肉量の低下が抑えられることがわかっています。ですから、肉を食べることで、転倒や寝たきりのリスクが少なくなります。
ただし65才までは、動物性のたんぱく質のとりすぎ(適量は肉で1日500g~600g)は、かえってがん細胞の発育も促進する場合も。度を越して食べすぎないよう注意して」(斎藤さん)
一方、65才を過ぎると「がんリスクは上がらない」と斎藤さんはいう。成人は動物性たんぱく質に含まれるアミノ酸バラスで、成長因子分泌が増す。その結果、がんがあった場合は、それを促進してしまう(発がん性を上げるわけではない)。しかし高齢になると成長ホルモンの分泌が下がるので、その影響が低い。安心して食べられそうだ。
つづいて、「お酒を飲む人と全く飲まない人」はどっちが長生きするかについて。
米・テキサス大学の研究チームが、飲酒について55才から65才の1824人を対象に、20年以上にわたって観察している(2010年)。調査対象者を「重度の飲酒者」「適量の飲酒者」「飲酒をしない者」の3つに分類した。すると、飲酒しないグループの死亡率は69%と最も高かった。続いて重度の飲酒者が60%、適量の飲酒者が41%。
在宅医療の施設を運営する長尾和宏さんは、こう語る。
「酒は百薬の長といいますが、少量を飲むと胃腸の血流がよくなり、食欲が増進したり、ストレス軽減になったり、お酒の効用がさまざま出てきます」(長尾さん)
また、肝臓の臓器機能の維持としても、多少の飲酒は必要との見方もある。
「消化器は休みすぎると機能が落ちることがあります。適量のアルコールを入れておく方が、血流の面でも肝臓の解毒を維持する意味でもいいと考えられます」(前出・斎藤さん)
なんと、肝臓のために飲酒が必要だった。
生まれ持った体質や体形も、長寿と関係があるのだろうか?
ハワイ大学の教授が、1900年~1919年に生まれた8006名の参加者を約158cm未満とそれ以上などのグループに分け、約50年間、追跡調査した。すると、身長が高い人ほど生存期間は短くなっていたという。
また、低身長の男性はFOXO3という長寿遺伝子を持っている人が多いことも判明した。
だが、この結果に、動物の専門家である哺乳動物学者でねこの博物館館長、日本動物科学研究所所長の今泉忠明さんは首をかしげる。
「不思議な結果です。小さい方が長生きなら、小さい遺伝子が残るので、人間全体が小さくなるはずです。
孔雀のオスが美しいのは、メスに選ばれるため。これは性淘汰といって、進化の過程で重要です。人間の場合は、足が長かったり、容姿がいい男性がモテる傾向にあります。ですから、人間はだんだん大きくなっているのです」(今泉さん)
この理屈からいえば、背が高い人の人口が増えていることになるが、背が低い人は高い人より長寿になることで、自分の種を残せる機会を増やしているのかも。
(女性セブン2016年9月29日・10月6日号)
人間ドックの検査で「健康」とされる基準が見直されることになる (HUFFPOST 2014/04/06)
人間ドックの検査で「健康」とされる基準について、人間ドック学会などが作る専門家委員会は4月4日、現在の基準で正常とされている数値の範囲を、大幅に緩めるべきだとする調査結果を発表した。
およそ5万人のデータを解析し、正常とされる数値の範囲を調べたところ、血圧や中性脂肪、悪玉コレステロールなどの数値について、現在正常とされる数値に違いが見られたという。朝日新聞デジタルなどが報じた。
人間ドックや企業の健康診断では、基準値の範囲内に入るかどうかで正常かどうかを判定している。
しかし、この基準値は、同学会が公表している判別値を使う施設もあれば、日本高血圧学会など各専門学会が定めた診断基準を利用する施設もあるなどバラバラな状況だ。
人間ドック学会などは新基準を健診施設などで利用するよう働きかけるという。
喫煙原因で年769万人死亡=日本はワースト6位―英医学誌 (時事通信社 2021/05/28)
単純に「健康には減塩」は、科学的ではない
さらにダメ押しともいうべき研究結果が、今年の「The Lancet」というイギリスの一流医学誌に発表されました。この研究では、高血圧のある患者さんとない人とに最初から分類して、心血管疾患のリスクと尿中ナトリウム排泄量との関連を、再度多数例で検証しています。
その結果によると、高血圧の患者さんでは、塩分の摂取が増えるとともに血圧は上昇していて、食塩の摂取量で10~15グラムくらいを超えると、動脈硬化の病気のリスクは増加します。
そして、正常の血圧の人だけで解析すると、塩分は15グラムを超えても動脈硬化の病気は増えず、7.5グラムより制限すると、明らかに病気は増加していました。
つまり、塩分を制限することが健康に良いのは、高血圧などの病気を持っている人だけで、そうでない人にとっては塩分は充分に取ることがむしろ健康的だということが明らかになったのです。
ただ、注意していただきたいことは、高血圧以外にも腎臓病や心臓病では塩分が害になるということで、単純に病気の自覚がなければいくらでもたくさん塩分を取って良い、ということにはならないのです。
従って、血圧の高い方では1日の塩分は10グラムは超えないようにし、血圧が正常であれば、15グラムくらいまでは問題ない、むしろ少ないほうが体に悪い、というくらいに考えていただくのが良いと思います。
「健康には減塩」という考え方は、すべてが間違いということではないのですが、あまり科学的ではない考え方になっているようです。
(文=石原藤樹/北品川藤クリニック院長)
「減塩をしても血圧は下がらない」と聞いたら、あなたはどう思いますか? 「塩分は控えめに」という標語が常識になっている現代人にとっては、信じがたい話ですよね。ところが、ボストン大学医学部のリン・ムーア准教授は、2017年4月22~26日にシカゴで開催された米国実験生物学連合学会で、「低ナトリウム食は血圧を下げないかもしれない」と題した研究結果を発表しました。
減塩運動は成功したのに高血圧患者は増えた減塩神話の矛盾。やっと語られるようになった過度な減塩の危険性と間違いについて。(IN YOU journal 2018/06/25)
減塩ブームが日本に来たのはなぜ?
減塩ブームは数年前から日本中で叫ばれ、未だにその余波は続いています。そもそもなぜ、減塩ブームが日本に来たのでしょうか。
減塩ブームはアメリカからでした。
1960年、アメリカでブームとなり、1970年から日本も減塩ブームとなります。
2015年4月、厚生労働省は一日の塩分摂取量を成人男性は8グラム以下、成人女性は7グラム以下を推奨しています。
このブームや根拠はどこからきているのでしょうか。
アメリカでは減塩運動は成功しているのに高血圧患者は増えているという矛盾。
減塩の根拠となった実験と論文
1954年。医学者ルイス・ダール博士は塩を食べない民族では高血圧者がいないことを聞き、
日本をはじめアメリカ、マーシャル島、アラスカを調査して食塩摂取量と高血圧発症率の関係を調査します。
その結果、塩分摂取量が少なければ少ないほど高血圧発症率が低いことがわかったのです。
この調査は極めて判りやすい例であったため、塩と高血圧が密接に関係していると引用されるようになりました。
ちなみに日本の結果は鹿児島では1日平均14gの食塩摂取で高血圧発症率は約20%で青森は1日平均28gで高血圧発症率は約40%でした。
さらに1955年メネリー博士の実験が追い打ちをかけます。
10匹のマウスに通常の20倍の塩を投与し、さらに飲み水も1%の塩水にして与える実験を6ヶ月間行いました。
その結果、4匹のマウスは高血圧を発症し、残りの6匹には変化がありませんでした。
この結果をもって「塩を摂取しすぎると高血圧になる」という結論が導き出されたのです。
この2つの結果を受けてアメリカで減塩ブームがはじまり、そのブームが日本にもやって来た、というわけです。
アメリカや日本が減塩に取り組み始めて50年が経過しました。
アメリカ、日本ともに50年前よりも塩を摂取する量は減っていますが、皮肉なことに減塩運動は成功しているのに高血圧患者は減るどころか増えているのです。
大切なところなのでもう一度繰り返します。
減塩運動は成功しているのに高血圧患者は増えているのです。
塩分摂取量グラフ
高血圧患者グラフ
実は、塩分摂取量によって血圧が上昇する人を食塩感受性タイプといい、それ以外の人は塩が原因で血圧が上がるわけではありません。
東京大学医学部の研究によると食塩感受性タイプは約2割であり、食塩非感受タイプは約5割。
残りの約3割は食塩とその他の要因が重なって血圧値に関係するタイプであるのだそうです。
さらに言うと食塩感受性タイプの人すべてが高血圧症になるわけではありません。
あくまで塩の影響を受けて血圧が上がるというだけで高血圧症になるのではないのです。
むしろ塩よりも高血圧になる原因は動物性脂肪や白砂糖にあると言われています。とくに人間よりも体温が高い動物、つまり鳥(鶏の体温は約41度)、豚、牛(ともに約39度)の脂は人間の体内では溶けにくくドロドロとするため血管にこべりつきます。これが血液の流れを悪くし、高血圧の原因となるのです。
食肉の消費動向
気を付けなければいけないのは、塩分摂取量よりも動物性脂肪や白砂糖を採りすぎないことなのです。
前述したダール博士の論文は調査条件が不明確なため、現在では科学的には正しいとは考えられていません。さらにダール博士は論文の説を証明するためにラットに食塩を与えて血圧が上昇するか動物実験をはじめますが、
期待通り血圧が上昇するラットがいる反面、いくら与えても高血圧にならないラットがいることを発見しますが、そのことについてはクローズアップされていません。
メネリー博士の実験は塩分量を人間に換算すると1日約500グラム(!)となり、現実的な値ではないことはだれが見てもわかるものであり、
10匹という少ない数で実験が行われていること。高血圧を発症したのは4匹であり、逆に6匹は異常な塩を与えられても正常であったこと。
さらにその4匹は現在でいう食塩感受性ラットと考えられること。
以上のことを踏まえると塩を採りすぎるとが高血圧になる、という結論はかなり疑い深いものになると筆者は考えています。
ではなぜ現在でも塩は悪者なのでしょうか。
なぜ減塩運動は収まらないのでしょうか。
だれのための減塩運動?不都合な真実。
大手メディアからその声は聞こえてきません。むしろ減塩運動は拍車をかけている勢いすらあります。
降圧剤の売上グラフ
上がり続ける降圧剤の売り上げ。
誰が得をするのかを、考えて欲しい。
だれが損をして誰が得をしているのでしょうか。
冷静になってよく考える必要があります。
大手メディアは残念ながら公平なメディアではないものが多い・・ということに私たちは気付く必要があります。
大手メディアは何で儲けているのでしょうか。
それは宣伝広告費です。
テレビ、新聞、雑誌などの、大手によって成り立っている大手メディアは、広告主にとって不都合な情報を流し続けることができるでしょうか?
収益源がクライアントからの広告料なので、そのようなことは、できないはずです。
大手メディアに公平性はない、と私は考えています。
取り扱う情報の内容に、圧倒的不自然さがあるのです。降圧剤が比較的リスクが少ない薬であるとはいえ、リスクがないわけではありません。
ガンや脳梗塞や心筋梗塞、認知症の副作用が指摘されています。
このことを知ると降圧剤の売り上げと増え続ける認知症患者、ガン患者の数はまったく因果関係がないとは言えないのではないかと感じます。
和食はヘルシーと世界では人気だが、日本では…
もはやブームというよりも和食はヘルシーだ、ということで定番になっているといったほうがいいかもしれません。
ただし、日本では米離れになり、魚の摂取量も減少、塩分が高いとのことで味噌離れも起きています。
みそメーカーのマルコメみそが以下のような研究開発結果を発表しています。
「味噌は血圧を上げる」のウソ。
味噌の血圧上昇抑制効果。
参考HP:「味噌は血圧を上げる」のウソ 味噌の血圧上昇抑制効果
米や魚、味噌の摂取量が減り、塩分摂取量も減っている。増えているのは鳥や豚、牛の動物性たんぱくと脂肪です。
減塩のリスクはないのか
体内の塩分が少なると様々なリスクがあります。まず挙げられる症状は低ナトリウム血症です。
症状は虚脱感や疲労感、精神錯乱、頭痛、食欲不振や痙攣、昏睡になり死に至ることもあります。
昔、炭鉱夫が暑い坑内で作業をしていると大量の発汗で塩分が喪失し痙攣を起こして死ぬものが続出する、という事故が多発したそうです。
その炭鉱夫たちに塩をなめさせながら労働すると、事故がなくなったそうです。また減塩をしすぎると認知症や心臓病のリスクが高くなることも指摘されています。
参考HP:気をつけろ!減塩しすぎると「認知症」になる
人間に必要な塩分とミネラル
敵に塩を送る。
上杉謙信が、今川・北条の塩止めで苦しんでいる武田信玄に塩を送ったという逸話からきている言葉です。
人は適切な塩分がなければ生きていけません。
またそれに加え、ミネラルも必要です。
日本は昔から塩は海からつくられています。
海から作られた自然塩には人間にとって大切な微量ミネラルを含んでいるのです。
私は最も減塩すべき塩は精製塩だと考えています。
99%以上塩化ナトリウムの塩というのは自然にはないものです。
私は「人間は自然から離れる生活、自然から外れたものを食すればするほど自然ではない、不自然な体になる。」と考えています。
やはり摂取すべきは自然塩です。
もちろん、自然塩だからいくらとっても良いというわけではありません。注意点としては、
食塩感受性タイプの人は自然塩でも血圧に影響を受けるので注意が必要です。
また、すでになんらかの重篤な疾患がある方も、減塩をする必要がある場合もあるでしょう。
すでに健康上の問題が出ている方は、塩分の多い食事はリスクがありますので専門家に相談することをお勧めいたします。
ちなみに私は1日あたり15g以上の塩分を摂取していると思います(正確に測ったことはないのですが…)。
減塩など意識したことはありません。私は味噌汁が大好きで夕食には3杯もいただくことがあります。
季節の野菜を入れた味噌汁は格別です。
さらに朝晩は人間の体液に近い塩水を1Lほどいただきます。
人間の体液の塩分濃度は約0.9%のため、1Lの水に9弱gの自然塩を溶かしたものをいただきます。
水分補給をスムーズに行うのと微量ミネラル補給のためです。
私の血圧は上は120程度で下は60程度です。
塩分代謝をよくしよう
大切なことは、よい塩を適度に摂取すること。
塩の代謝をよくすることです。適切な塩(自然塩)を適度(15~20g程度)に採り、塩を排泄するカリウムが含まれている海藻や野菜、果物を食べること。
また米や大豆にもカリウムが含まれています。玄米は白米より2倍多くカリウムが含まれています。
玄米が食べづらければ、7分づきや5分づき米にするだけでずいぶん違います。
減塩よりも適度によい塩を摂取し、米や味噌汁、季節の野菜をいただくこと。
肉などのたんぱく質よりも汚染の少ない、天然の魚介類などを適度に摂取するようにしましょう。
そうすることで塩の代謝がよくなります。
健康な方の過度な減塩はメリットよりもデメリット、リスクが大きいことをぜひ知ってください。
先進国で食塩摂取が一番多い日本が、なぜ長寿国なのか (PRESIDENT Online 2015.2.14)
高血圧は塩のせいなのか?
「塩分は高血圧や脳卒中の元凶である」「心臓病には、塩分の摂取を控えるべき」「糖尿病の人は、減塩食にすべきだ」……。こうした「塩悪玉説」が唱えられるようになって久しい。
1950年代、日本に来た米国のダール博士が、鹿児島から青森までを調査した。当時、鹿児島の人たちの平均塩分摂取量は14g/日で高血圧の発症率が約20%だった。北に行くに従って、塩分の摂取量が増加するとともに高血圧も増加し、青森の人たちの塩分摂取量が約28g/日、高血圧の発症率が約40%にも達していることがわかった。そのため、「塩分=高血圧の元凶」と結論づけられたのである。
この調査結果を受けて、1960年ごろより東北地方を中心に減塩運動が始まり、やがてそれが全国に波及していく。おかげで減塩醤油、減塩味噌、減塩梅干しなどが増えていった。それで、高血圧が減ったかというと、減るどころかむしろ増加傾向にある。いまや高血圧患者は5000万人もいるという。
東北など寒冷な地域でくらす人たちが、大量の塩分をとる習慣があったのは、寒さを防ぐために必要だったからである。塩分は体を温める働きをもっているのだ。現在のように暖房が十分に発達していなかった厳寒の冬を乗り切るためには、塩分を多めにとって体を温める必要があった。もし当時、塩分を控えていたら、高血圧や脳卒中を発症するずっと前に、冷えから起きる肺炎や結核、リウマチ、うつ病などにかかって生命を落とす原因になっていたかもしれない。
また、寒い地方の人々の高血圧の原因としては、冬の間に屋外での運動ができなかったこと、新鮮な野菜の摂取が不足していたこと、厳しい寒さそのものが血管を収縮させて血圧を上昇させていたこと等も考えられる。塩のみを高血圧の元凶とするのは間違いだろう。
塩分は体に悪いのではなく、要は出すことなのだ。塩分は十分にとって体内で利用し、汗や尿で体の外へ排泄すればよいのである。というのは、塩分(特に化学的な合成塩の食塩ではなく、約100種類のミネラルを含む自然塩)には、新陳代謝を促して体温を上げたり、体内の有害物を解毒したりする作用があるからである。
スポーツや入浴、サウナで十分に発汗する、あるいはニンジン・リンゴジュースや生姜入りの紅茶など利尿を促進する飲み物を飲んでいるという前提で、きちんと塩をとることは、健康を促進することはあっても、健康に害になることはない。
石原結實(いしはら・ゆうみ)●医学博士・イシハラクリニック院長。1948年、長崎県長崎市生まれ。長崎大学医学部卒、その後同大学院博士課程を修了。1982年、イシハラクリニックを東京に開設。
(PRESIDENT Online2015.2.14)