徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
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酒気帯び操縦

 と言っても、今回はエアライン・パイロットではありません。そうそうライン・パイロットが酒気帯び操縦するような世の中になったら、それこそ世も末でありましょう。

事故にならずに幸いでしたが、この酒気帯び操縦はジェネアビのパイロットです。

ドイツで(多分ビールでしょうね;それともワインかな)酒に酔って気分は上々のオッサンが軽飛行機に乗り込み離陸。
離陸したのはフランクフルト郊外の飛行場とのことですから、近くには FRANKFURT/MAIN (EDDF) 国際空港があり、空域としては少々古いチャートを見ても、CLASS C が広範囲に広がっています。
※目的地と記されている HAHN (EDFH) 空港は、FRANKFURT/MAIN の CLASS C の外側にあります。MAIN 国際空港との直線距離は約 50 NM (約90km)です。

CLASS C 空域を飛行する航空機は "Continuous two-way" RADIO COMMUNICATION が要求されていますから、当然、管制サイドは当該軽飛行機に呼びかけたのでしょうが、まさか管制官は相手のオッサンが酔っぱらいとは思っても見なかったでしょう。
管制官が Separation を確保するために、飛行方位や高度などを指示してもそれに従った動きをしていないのはレーダー画面見ていれば一発で解りますからねぇ。
こりゃおかしい、となった頃には上機嫌のオッサン、悪天候の中 lost position となり、警察当局のヘリが出動。ヘリに誘導されて何とも羨ましいことに、天下の MAIN 国際空港に誘導され着陸したとのこと。

欧米では、定期民間航空機とジェネアビとを原則として同等に扱いますから、ジェネアビが肩身の狭い思いをすることはあまりありません(勿論、空域によっては多少の制限はありますが、それに従って飛行すればジェネアビだから云々、と言うことはまずありません)。
それ故、ライセンス保有者が空を飛ぶ機会も少なくありません。

ジェネアビの飛行機とエアラインの飛行機が上手く共存しているのですが、このようなルール違反はいけません。

流石に、このオッサン、御用となってしまったようです。

不謹慎ではありますが、酔っぱらっていたのによく着陸できましたね。総飛行時間を知る由もありませんが、御年も考えると、相当に操縦経験が豊富だったのかも知れません。


【こぼれ話】酒酔いパイロットのせいで数十便が遅延=独フランクフルト空港 (時事通信) - goo ニュース
【フランクフルト14日】ドイツのフランクフルト近郊で66歳のパイロットが酒に酔ったまま軽飛行機を離陸させて騒ぎになり、欧州最大の空港の1つであるフランクフルト国際空港で旅客機数十便の運航が遅延するなど大混乱になった。

このパイロットは13日、フランフルト近郊の飛行場から軽飛行機で飛び立ったが、間もなく、パイロットが管制官の指示に従っていないことが判明。軽飛行機は近くのハーンの飛行場に着陸する予定だったが、悪天候の中で方向を見失い、警察のヘリコプターの誘導でフランクフルト国際空港に無事着陸した。

このパイロットの血液からは1リットル当たり1.74グラムのアルコールが検出され、逮捕された。

この騒ぎでフランクフルト空港ではルフトハンザ航空機だけで30便に遅延が生じた。〔AFP=時事〕

2006年 4月15日 (土) 17:45
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