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僕の好きなヒッチコック映画ベスト5!

昨年12月に出版された新しいヒッチコック映画解説本、『ヒッチコック映画読本』を購入した。映画評論家の山田宏一による本だが、山田宏一と言えばヒッチコック映画のバイブルである『ヒッチコック/映画術』を蓮實重彦と共に末オており、他にも多くのヒッチコック解説本を出版していることでも知られている。



僕は大学の卒論でヒッチコックを取り上げたほど、かなり昔からのヒッチコック映画ファンなのだが、多くのヒッチコック関連書物を所有している。長い年月の中でかなり蓄積されて行ったが、今回久しぶりにまた新たな一冊がコレクションに加わった。



『ヒッチコック映画読本』は、改めてヒッチコック映画をテーマや年代ごとにまとめてわかりやすく解説しており、他の映画評論家との過去の対談なども盛り込まれており、ヒッチコックファンとしては充実した、面白い内容だ。

先月、ミニシアターで『ヒッチコック/トリュフォー』を観てから、また久々にヒッチコックブームになり、今回本を買って読むに至ったのだろう。またヒッチコック映画がむしょうに観たくなり、持っているDVD(ヒッチコック映画全51本の内、約40本のDVDを所有している)を幾つか引っ張りだして、最近また久しぶりに観賞しているが、ここ最近『疑惑の影』、『ロープ』、『めまい』の3作を観賞した。



ここで改めて、僕の好きなヒッチコック映画ベスト5を好きな順で寸評と共に紹介したい。

第1位: 裏窓
間違いなく僕にとってのNo.1ヒッチコック映画。大好きなグレース・ケリーの魅力が開花した作品としても特筆に値する。アパートの一室から中庭を挟んで見えるアパート内に舞台が限定されているかなり地味な設定だからこそ、逆にグレース・ケリーの華やかさ、美しさと、『ロープ』、『救命艇』、『ダイヤルMを廻せ』で見せたヒッチコック流の密室系サスペンスがより一層冴え渡る最高傑作。ファンや批評家の間でも人気の高い作品である。



第2位: 鳥
その後ブームとなる動物物パニック映画の先駆的な映画。ショック度合いでは『サイコ』の方が強烈だが、この作品は僕が小学生の頃アメリカで初めて観たヒッチコック映画として、深く印象が残っている作品なので第2位。伏線を張りながら観客をジワジワと恐浮ヨと追い込んでいくサスペンスの重ね方は完璧としか言いようが無い。『サイコ』そして『鳥』と続くこの時期のヒッチコックは、間違い無く映画人生における最後にしてピークとして映画史に名を刻んだ。



第3位: めまい
ヒッチコック映画の中で最も甘くて切ないラブサスペンス。美しい金髪とブルネットの二役を見事に演じたキム・ノバックの代表作にもなったが、ヒッチコックのグレース・ケリーへの忘れられない想いがキム・ノバックに投影された、極めて私的でマニアックな作品でもある。僕の大好きな街サンフランシスコを舞台にしている点でも見所満載。



第4位: サイコ
主人公と思われていた女性が、映画の前半でいきなり殺害されてしまうショッキングな展開と、予想もしない衝撃の結末で観客の度肝を抜いたサイコスリラーの金字塔。ヒッチコックのそれまでの洗練されたサスペンススリラーとは全く変え、遊びやユーモアを一切排除し、特にあの映画史に残る有名なシャワーでの殺害シーンは強烈な爪痕を残した。映画の宣伝方法も斬新であった。



第5位: 北北西に進路を取れ
ヒッチコックの18番である"巻き込まれ型サスペンス"の集大成にして最高傑作であり、初期イギリス時代の『暗殺者の家』や初期アメリカ時代の『海外特派員』の、ある意味リメイク的な作品。ヒッチコックが好んで起用したケイリー・グラント主演で、彼の代表作の一つとなった。スパイ映画としては、007的なオシャレさと楽しさと、アメリカの有名な観光地でのロケとスケール感も見逃せ無い。



これ以外にも、『海外特派員』、『疑惑の影』、『汚名』、『見知らぬ乗客』、『泥棒成金』、『ダイヤルMを廻せ』、『知りすぎていた男』など、人々を魅了した多くの傑作サスペンスをこの世に残した。



これからまたじっくりと、ヒッチコック作品の数々をDVDで堪能してみたい。あまり細かく観てこなかった作品も含めて、改めて観返してみたい。
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