社会人になって初めての米国駐在となった1998年、サンフランシスコでBMW Z3という2シーターのオープンスポーツ車を購入した。これが、僕のBMW一号車だったわけだが、それ以来すっかりBMWに魅了されており、現在乗っている320i グランツーリスモ(GT)で5台目だ。
そんな米国駐在の頃、アメリカの本屋で購入したハードカバーでかなりずっしりとしたBMWの豪華写真集を購入して、今でも大切に持ってたまに眺めている。この写真集は、BMWの歴史を振り返りながら、これまでの名車の数々を紹介する内容になっており、美しい写真がふんだんに使われており、洋書ならではの見事な内容となっており、お気に入りの1冊だ。
この写真集の中で紹介されている過去の名車の中でも、特に気に入っているのがBMW 507というスポーツカーだ。507はBMWが1956年から1959年まで4年間だけ製造していた車なのだが、アルブレヒト・フォン・ゲルツがデザインを担当した2シーターのカブリオレである。3200ccエンジンを搭載し、当初は安価な車を目指したものの、開発費が嵩んでしまい、結果的に高級車となってしまい、販売不振となって製造が4年で中止となったいわくつきの車なのだ。この4年間で販売された車数は254台だけであり、その後は幻の名車として市場で何十億もの値が付く車となっている。
しかし、この車が有名になったのは、あのエルビス・プレスリーがドイツ駐留時に購入し、その後もアメリカに持ち帰り、愛車として乗っていた為だ。当初ホワイトカラーの507を乗っていたが、ファンたちが口紅でメッセージを書いて車体が赤く染まってしまったことで、レッドカラーに塗り替えたとの伝説もある。エルビスは結局その後この車を売却し、最終的にはBMWコレクターとして有名なジャック・キャスター氏の手に渡ったらしいのだ。
そんなエルビスの名車BMW 507だが、なんと比較的最近の2014年に、ジャック・キャスター氏の納屋の中で、このエルビスの名車507が発見されたのだ。発見された時はあまりにもボロボロの状態だったが、BMW本社に送られ、クラシックカーチームの職人さんたちによって復元作業が行われた。発見された507はシボレーのエンジンに変えられてしまっており、ボディーは8度も塗りなおされていたらしく、古い塗装を全て剥がしてやり直す必要もあった模様。復元の際にエンジンもBMWに戻し、元々の美しいホワイトボディーを取り戻すことに成功したのだ。この復元作業はとても興味深く、エルビスの名車が現代に蘇ったというのも、考古学的な感動もあってとても惹きつけられたニュースであった。
復元された507はため息が出るほど、実に美しい。スポーツカーとしての性能もさることながら、まずは車体を横から見たその流線型のフォルムや、BMWの象徴でもあるフロントグリルの面構えなどが実に美しい。この流線型の美しさとデザインの美的センスは現代の車には無いもので、今見るとクラシックカーではあるのだが、どこか未来型デザインでもあり、まさにレトロフューチャーなフォルムなのだ。
僕は紺色が好きなのだが、507にもネイビーカラーのものもある。やはりネイビーも何とも神々しい美しさだ。
当然実物など所有出来るわけもないので、僕はBMW純正の507ミニカーのネイビーカラーを購入し、所有しているが、たまに眺めながら楽しんでいる。やっぱりこの車は、何度見てもその美しさに見惚れてしまう名車である。
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