雑誌『男の隠れ家』の特別編集で、『完全保存版 ブルース・リーに愛を込めて』という雑誌が先日出版された。今まさに書店やコンビニなどに置かれているが、『燃えよドラゴン』からのオフショットとなる穏やかなブルース・リーの表情がこんなに大々的に本屋に出回るのは、ファンとして何とも快感である。
今年はブルース・リー没後50周年にて、様々なイベントや記念出版物が出ており、先日も日、米、英で新たに出版された雑誌を紹介したばかりだが、またまた日本でも新たな出版物が登場して嬉しい限りだ。しかも、今回の雑誌はちょっとマニアックな趣向。着眼点がかなりユニークで面白い。
ブルース・リーの映画紹介や彼の生涯などを振り返ったもの、或いは截拳道などにフォーカスした本・雑誌は実に多いが、この雑誌はブルース・リーの聖地巡礼にフォーカスしており、これまでも一コーナーでサラッと取り上げられることはあっても、ほぼ一冊の雑誌として取り上げているのはかなり珍しい。逆にこの内容で買う人がどのくらいいるのかなあ?と不安になってしまったが(笑)、通常の特集に飽きてしまった僕のようなマニアックなファンには逆に嬉しい企画である。
ブルース・リーの映画を撮影している地や、ブルース・リーゆかりの地などを丁寧に取り上げているが、場所も幼少期を過ごした香港を中心に、映画の中で撮影に使われた場所などを幾つか紹介していて面白い。特に、ブルース・リーが渡米する前に通っていた母校のセント・フランシスコ・ザビエル学校の取材にページが割かれている。
僕も昔香港に行った際、ブルース・リーが亡くなったクイーンエリザベス病院や、『死亡遊戯』の撮影で使われた中華レストラン“南北楼”などを昔巡ったことのある場所も多く載っている。また、米国も、生まれたサンフランシスコ/中華街の病院や、大学に通いながら初めて道場を開いたもう一つの聖地シアトルなども色々と紹介しているのが嬉しい。シアトルにブルース・リーのお墓があり、昔は人生の節目に良く訪れていたが、この雑誌でも取り上げられている。
基本聖地巡礼にスポットを当てている雑誌だが、一応ブルース・リー主演作の簡単な紹介も忘れてはいない。また倉田保昭、船木誠勝などへのインタビュー記事や、クンフー映画におけるブルース・リーの後継者であるジャッキー・チェンの作品にもリスペクトを示し、後半少し取り上げている。
ブルース・リーを知る為のA to Zなどもあり、なかなか面白い。
ブルース・リーへの愛とリスペクトが詰まった、良い企画雑誌であった。