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62年前の貴重なマンガの入門書、『マンガのかきかた』!

先日、1962年に出版された『マンガのかきかた』という古い本を入手した。この本は秋田書店から出版されており、“冒険王“という当時人気であった漫画雑誌の編集部が”ぼくらの入門百科シリーズ“の1冊として出版したものだ。表紙のイラストは手塚治虫が手掛けているが、今となってはこのレトロな雰囲気が最高である。

秋田書店の漫画は小学生の頃から良く読んでいたので、同じ秋田書店から出版されたこの本の存在も以前から知ってはいたのだが、なにせ62年も前のかなり古い本なので、なかなか状態の良いものが出回っておらず、入手出来ずにいた。しかし、今回たまたまラッキーなことにかなり保存状態の良いものが見つかり、価格もそう高くなかったので迷わず購入。残念ながら初版本ではなく、初版から9年後の1978年に出版された第80版なので、それほど希少価値が高いわけではないのだが、それでも保存状態が良いものが多いわけではないので、いずれにしてもかなり貴重である。背表紙や中身もかなりキレイな状態だ。

この本はいわば“漫画の描き方入門書“とも言える本であり、漫画家になりたいと思う少年少女が急増していた時代のニーズに応えた本であったことが容易に想像できる。そしてこの本を僕が入手したかった最大の理由は、手塚治虫、横山光輝、藤子不二雄、石ノ森章太郎、ちばてつやなど多くの巨匠・有名漫画家が漫画・イラストなどを提供する形で協力しており、かなり力の入った入門書である。

内容としては、漫画を描く為の道具を揃えるところから、デッサンの描き方、デフォルメの仕方、構図、吹き出し、背景、人間などの描き方など懇切丁寧に解説している。また1コマ漫画、ストーリー漫画、ギャグ漫画、少女漫画など様々な種類の漫画に関して説明されている。

また最後には漫画原稿の出版社持ち込みや、新人デビューの仕方、漫画の原稿料についてなど、当時漫画家を志望していた人たちには興味深いテーマを多く取り上げていることがわかる。今見ると陳腐に見える部分もあるが、逆にこの方が当時の息吹を感じることが出来るという意味で、貴重な漫画関連史料であると感じた。

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