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藤沢周平の傑作、『小川の辺』公開!

先月、映画『花のあと』について書いたが、
同じく藤沢周平原作の最新映画、
『小川の辺』が7月2日から公開されている。
最近すっかり藤沢文学にはまっており、
この映画を楽しみにしていた。



藤沢周平作品は山形県をイメージした海坂(うなさか)藩を舞台に
いつも物語が展開するが、今回もしっかりと踏襲している。

藤沢周平の作品に共通して流れるテーマに、
日本人が本来持っているとても清らかな
義と情の精神世界が表現されており、
最近の日本人が忘れてしまっているDNAを呼び覚ましてくれる。
今回の『小川の辺』も、とても静かで清らかで美しい情景の中で
義と情の間で揺れる主人公の物語が豊に表現されており、
藤沢作品に一貫して流れる世界観が堪能出来る。
見終わったあと、日本人で良かったとつくづく思ってしまう。



『花のあと』や『必死剣鳥刺し』ほどの派手さは無いが、
確実に心に染みわたる静かな感動を覚える作品だ。

主人公の戌井朔之助(いぬいさくのすけ)には東山紀之。
藤沢作品は2008年の『山桜』以来2度目。今回も素晴らしい肉体と
静かで男らしい武士の姿を演じている。
そして朔之助の妹、田鶴(たず)役には菊池凛子。



また、田鶴を慕う新蔵には勝地涼と、健B者な若者が脇を固める。
監督は篠原哲雄。『山桜』以来2回目の藤沢作品を手鰍ッる。
そしてこれまた情景と見事にマッチした美しい音楽を担当するのは、
『花のあと』と同じ武部聡志。脚本チームや音楽も『花のあと』と
同じスタッフでもあり、必然的に共通した雰囲気となるのも
うなずける。



また『小川の辺』の特徴として、今回は海坂藩から
江戸までの道のりを10日間ほどで旅する物語が展開するが、
日本の美しい山や小川などの風景を見ながら楽しめる、
一種のロードムービー的な要素も面白い。

さて、気になるストーリーを簡単に紹介しよう。

藩から上意討ちの命を受けた戌井朔之助。
狙う相手・佐久間森衛の妻が妹・田鶴だったことから、
朔之助は肉親の情愛と藩命の間で苦悩する。田鶴自身が剣術遣いでもあり、
もし刃向かえば彼は妹を斬らなくてはいけない…。
その朔之助が佐久間を探す道中に付き従うのは、
戌井家に仕える若党の新蔵。彼は朔之助や田鶴とは兄弟同然に育った仲で、
田鶴には主従関係以上の思いを抱いていた。
妹を思う朔之助と、愛する人を死なせたくない新蔵。
二人の男の心情は、田鶴との再会によって臨界点を迎える――。

『小川の辺』を鑑賞して、改めて日本人が本来持っている
凛としたカッコ良さ、そして武士魂のことを再認識することが出来た。
当分は藤沢ワールドにはまりそうである。
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