某シアトル系コーヒー店で元気に働く私である。
今日もこのクレイジーな天気の中、私は仕事をしてた。
私が勤める店は、全面がガラスなのだ。だから外の天気の移り変わりが良くわかる。
風が強く吹き、そしてやがて雨が降り、暴風雨のために傘をすぼめてさしている方が通る。
一日の風景の様子を中側から眺めながら仕事ができるのは、私にとってとても気分が良い事だ
そのお客様は午後の2時過ぎにいらっしゃった
年配の女性で脚がお悪いのであろう、豪華な花柄付きの赤いカートを引いてゆっくりとそして確かな足取りでメインレジの私のところにいらっしゃった。 そして私の目を見て開口一番こういった
「これでおかわり飲ましてもらえるの?」
彼女はゆっくり白い紙を私に差し出した
その紙は少し皺になっている。よほど大事に持っていたのだな。
しかし、だ。それを見ると某シアトル系コーヒー店の浅草の方にある店舗である。
そして日付をみると3月の12日にホットの小さいサイズのコーヒーと、パンケーキを召し上がったことになっている。
某シアトル系コーヒー店では、一杯のコーヒーをお買い上げいただくと、それと同等サイズ迄のホットかアイスのコーヒーのお代わりを“当日”に限って100円で召し上がれる、事になっておる。店舗はどこでも大丈夫だ。
私は丁寧に説明した
「お客様、このレシートはドリップコーヒーをお買い上げいただいたその当日に限って、お代わりが100円で召し上がれるのですよ。このレシートは3月の12日でございますから、残念ながらお代わりは出来ないのです。申し訳ございません。」
すると女性はすぐに私を睨め付けるようにいった
「なんも、わざわざこんな、雨の中を浅草から買いに来て、そんでお代わりが出来ないってどういうことだよ。せっかく来てあげたのに。あのねぇ普段は私、三角のサンドウィッチ食べてんの。あれ美味しいよねぇ、もうあたし、こんなだからさ、なんも楽しみが無いの。食べる事だけなの」と言った。
私はすかさず
「そうですか、いつもありがとうございます。コーヒーのお代わりはできかねますが、新しく発売されたコーヒーの試飲用のサンプルを召し上がっていただくことはできますよ、ほんの少しですけど」
彼女のレシートは3月の12日なので15日発売の新しいカテゴリのコーヒーはお出しできるわけだ
すると彼女は表情を変えて言う
「サンプルはいくらなの?」
「もちろん、無料でございます」
彼女はこの、“無料”というキーワードがとても素敵だったのだろう
すぐさま相好を崩して
「じゃあ、あたしはサンドイッチ買うよ」
とフードをお選びになった。
私は柔らかめで一口サイズのミックスサンドウィッチをおすすめしたのだが、彼女はホットサンドで人気のハムとチーズの入った少し固めの棒状パンを選んだ。
私は支払いを済ませた彼女にサンドウィッチとサンプルをお持ちするからお座りになってお待ちいただくように促し
小さなカップにコーヒーを入れ、ホットサンドとお水とともに席にお持ちした。
彼女は嬉しそうに待っていたが、私の置いたサンプルコーヒーを見たとたん哀しげな顔になって
「こんな小さいの?」という
「お試し用のコーヒーですから小さいのです。」
というと、隣の席のドリップコーヒーをマグで飲んでいる方を見て
「あのぐらいのがいい」という
「私の権限ではこのコーヒーしかお出しすることができませんので」と優しく言うと
「じゃあ、お代わりくれる?」とすがる
ここまでくると子供と同じで、なだめるようなキモチになってくる
「お代わりは出来ないのですよ」
「なんも、わざわざこんな、雨の中を浅草から買いに来て、そんでお代わりが出来ないってどういうことだよ。せっかく来てあげたのに、お代わりのコーヒーだしなぃ。」と先ほどと同じセリフでごねる
「それでは、コーヒーの飲み較べはできますので、もうひとつのお味のコーヒーをお持ちしましょう」といって私はまた小さいカップに今度は味の違う物を入れてお持ちした。
二つコーヒーが揃ったけど小さいから少し不満足だろうけどなんとか楽しんでくれると良いなと思い接客する
「お砂糖とクリームを普段お使いならお持ちしますよ」と言ったら
「お願い。お砂糖は沢山」と言うのでシュガーを2つクリームを1つ持って行ったら今度はなんとか気が収まったようすだ
しばらくの後、彼女は食べ終わり帰ろうとするところで私のところに寄って来て
「さっきはありがとうね、お姉さん。スター○ックス大好き。美味しいもん。」
そう言って帰っていかれた。
私はなんだか少し嬉しくなって
彼女の後ろを追い、自動ドアを開けてお見送りをした
結構逞しく生きている彼女と、もしかしたらあと何回か使用されるレシートを心配しながら。
今日もこのクレイジーな天気の中、私は仕事をしてた。
私が勤める店は、全面がガラスなのだ。だから外の天気の移り変わりが良くわかる。
風が強く吹き、そしてやがて雨が降り、暴風雨のために傘をすぼめてさしている方が通る。
一日の風景の様子を中側から眺めながら仕事ができるのは、私にとってとても気分が良い事だ
そのお客様は午後の2時過ぎにいらっしゃった
年配の女性で脚がお悪いのであろう、豪華な花柄付きの赤いカートを引いてゆっくりとそして確かな足取りでメインレジの私のところにいらっしゃった。 そして私の目を見て開口一番こういった
「これでおかわり飲ましてもらえるの?」
彼女はゆっくり白い紙を私に差し出した
その紙は少し皺になっている。よほど大事に持っていたのだな。
しかし、だ。それを見ると某シアトル系コーヒー店の浅草の方にある店舗である。
そして日付をみると3月の12日にホットの小さいサイズのコーヒーと、パンケーキを召し上がったことになっている。
某シアトル系コーヒー店では、一杯のコーヒーをお買い上げいただくと、それと同等サイズ迄のホットかアイスのコーヒーのお代わりを“当日”に限って100円で召し上がれる、事になっておる。店舗はどこでも大丈夫だ。
私は丁寧に説明した
「お客様、このレシートはドリップコーヒーをお買い上げいただいたその当日に限って、お代わりが100円で召し上がれるのですよ。このレシートは3月の12日でございますから、残念ながらお代わりは出来ないのです。申し訳ございません。」
すると女性はすぐに私を睨め付けるようにいった
「なんも、わざわざこんな、雨の中を浅草から買いに来て、そんでお代わりが出来ないってどういうことだよ。せっかく来てあげたのに。あのねぇ普段は私、三角のサンドウィッチ食べてんの。あれ美味しいよねぇ、もうあたし、こんなだからさ、なんも楽しみが無いの。食べる事だけなの」と言った。
私はすかさず
「そうですか、いつもありがとうございます。コーヒーのお代わりはできかねますが、新しく発売されたコーヒーの試飲用のサンプルを召し上がっていただくことはできますよ、ほんの少しですけど」
彼女のレシートは3月の12日なので15日発売の新しいカテゴリのコーヒーはお出しできるわけだ
すると彼女は表情を変えて言う
「サンプルはいくらなの?」
「もちろん、無料でございます」
彼女はこの、“無料”というキーワードがとても素敵だったのだろう
すぐさま相好を崩して
「じゃあ、あたしはサンドイッチ買うよ」
とフードをお選びになった。
私は柔らかめで一口サイズのミックスサンドウィッチをおすすめしたのだが、彼女はホットサンドで人気のハムとチーズの入った少し固めの棒状パンを選んだ。
私は支払いを済ませた彼女にサンドウィッチとサンプルをお持ちするからお座りになってお待ちいただくように促し
小さなカップにコーヒーを入れ、ホットサンドとお水とともに席にお持ちした。
彼女は嬉しそうに待っていたが、私の置いたサンプルコーヒーを見たとたん哀しげな顔になって
「こんな小さいの?」という
「お試し用のコーヒーですから小さいのです。」
というと、隣の席のドリップコーヒーをマグで飲んでいる方を見て
「あのぐらいのがいい」という
「私の権限ではこのコーヒーしかお出しすることができませんので」と優しく言うと
「じゃあ、お代わりくれる?」とすがる
ここまでくると子供と同じで、なだめるようなキモチになってくる
「お代わりは出来ないのですよ」
「なんも、わざわざこんな、雨の中を浅草から買いに来て、そんでお代わりが出来ないってどういうことだよ。せっかく来てあげたのに、お代わりのコーヒーだしなぃ。」と先ほどと同じセリフでごねる
「それでは、コーヒーの飲み較べはできますので、もうひとつのお味のコーヒーをお持ちしましょう」といって私はまた小さいカップに今度は味の違う物を入れてお持ちした。
二つコーヒーが揃ったけど小さいから少し不満足だろうけどなんとか楽しんでくれると良いなと思い接客する
「お砂糖とクリームを普段お使いならお持ちしますよ」と言ったら
「お願い。お砂糖は沢山」と言うのでシュガーを2つクリームを1つ持って行ったら今度はなんとか気が収まったようすだ
しばらくの後、彼女は食べ終わり帰ろうとするところで私のところに寄って来て
「さっきはありがとうね、お姉さん。スター○ックス大好き。美味しいもん。」
そう言って帰っていかれた。
私はなんだか少し嬉しくなって
彼女の後ろを追い、自動ドアを開けてお見送りをした
結構逞しく生きている彼女と、もしかしたらあと何回か使用されるレシートを心配しながら。
マダムが浅草から出向いたご用を済ませた時点ですでに天候は荒れ始めていたと思うのですが、それでも寄りたくなると思われているシアトル系コーヒー店も素晴らしいところですね。
お客様ともてなし側のせめぎ合い、っていうか。
せっかく働いているなら、いろいろ工夫して毎日を生きて行こうと思う訳です。
お褒めいただきありがとうございます
まり子さんのお客様に対する言葉づかいは、同じ敬語でも、どこか温かいんです。
素敵な日記でした
コメントありがとうございます。
おばあさま、また来店されたらいいなと思っています。ごねて、甘えてみたいのでしょうね。皆さんの温かく、そして機転の利いた接客楽しみにしています。