なんかつくってりゃしあわせ

なんかつくってりゃしあわせ。。。

母は口が悪かった

2021-02-06 09:00:04 | 雑感
私の母は自意識過剰なのか、承認欲求が強いのか
まぁ、よく人を口汚く口撃していた。
アナウンサーを、旬の女優を、政治家を、
近所の奥さんを、総じて他者を。

その反面
自分の産んだ子、そしてお気に入りの親族達に対しては
盲目ぶりを見せた
自分に繋がりの濃いものを褒め称える事で
自分の優秀さを確認したかったのだろう
そういうのを『鬼子母神』というのも覚えた

母の人に対する酷い言い方は、好きになれないし、
そういう汚い言葉を使って他者を非難する人間を
(いくら母親だとしても)尊敬する気にはならなかった

しかし

しかしだ

母は私に『言い方』を若い頃から煩く言ってきたのだ
いわく
まり子あのね、「嫌い」って言っちゃだめ
言うなら「苦手だ」とか「好きではない」という言い方に変えなさい
(母はすぐ「嫌い!」「ブス!」などと言ったが)

言い方一つで人からの信頼を集め、
いくらその人が善良な人間だとしても
言い方一つで人は離れていく
しかもそれを訂正してくれる人はまずいないよ

苦手な人をケチャンケチョンまでに罵倒する母が
私にそう教えてくれて
当時の私としては(どの口が言う?)と思っていたんだけど
接客業を経て、そして年齢を重ねる事にその感覚がわかるようになってきた
気取った言葉を操るのではなく
いかにして相手の気持ちを優しく抱くのか

私の母国茨城は訛りが強く、しかも発音の時、語尾が強く、音はとび上がる
だから、私たちが通常会話をしていても他国の人間は
「喧嘩してるん?」と思うくらいだ
上京してから標準語に切り替えた後も語尾の強さと
主張の強さは変わらなかったし
今は違うが、当時の私は音で言葉を発する前に心の中で色々話をするタイプ
(いわゆる無口)で、不満を蓄積する爆発型だった。

それでいいと思っていた

それが偽らざる自分だとも思っていた

その自分の言い方で、私の気持ちも考えてもらえずに
離れていく人間とは付き合わなくたっていいさ
などと増上慢な考え方さえしていた
(言わなくてもわかるだろうっていうアレ)

接客業について
すごく勉強になったのは

外見は特記する所はないのだけど、
なんというか、人の心を掴んで離さないスタッフが居た

なんでだろう
なんでこの人は人望があるんだろう
よくよく観察してると
言葉の使い方、そしてその言い方、スピード、タイミングだろうか
それが、とても心地よいのだ

大人になると
お金で買えないものの価値がわかるようになってくる
お金で買えるものではなく、お金で買えないものが欲しくて堪らなくなる

それは言葉で変換できるものではなく
村上春樹の小説は読むものではなく感じるものだ、と同じなんだけど

その人と一緒に仕事をするうちに
ぜひこの話し方を習得しようと思い
随分矯正をしたものだ
ちょっと気を緩ませると悪い癖が出てくるけど
だいぶ違ってきて
人からも独特な話の仕方と言われるようになった

今では母の気持ちがわかる気がする
自分はできなかった悪い癖を
見習って欲しくなかったんだろうな

文章も同じ、言葉は一生使うものだから
おっちょこちょいの私は気を使っていきたいものだ

そんな母は16日に88歳を迎える



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