▲麓の町ツェルマットから見たマッターホルン。
標高4477mの名峰マッターホルン(ちなみに富士山は3776m)。
山はスイスとイタリアの国境をまたぐ。
スイス人はこの山にイタリア側から
よく雲が流れてくるのを見て、
「今日はイタリア人がたくさんパスタを茹でてるな~」
とジョークを飛ばす。
・マッター=草場の開けた場所、
・ホルン=鹿などの角。そこから転じて角のように尖った山も指す。
というのが名前の由来。
その雄々しい尖り具合が、
到着当日・翌日は幸いにも
晴天に恵まれて拝むことができた。
3日目はガイドのまきさんの案内で、
逆さマッターホルンが映る湖周辺のハイキングコースへ。
しかし空はちょっと怪しい曇り空。
やはり山は雲に隠れて見えなかったが、
山と山の間に横たわる氷河眺めつつ、
地元の野生動物モーマット(げっ歯類でぽっちゃりしたカワウソみたい)と、
放牧中の白黒ヤギもみかけて興奮しながら歩いていると、
いよいよ雨が降ってきた。
▲湖シュヴァルツゼー(ゼーとは湖の意)からの景色。逆さマッターホルンは見えず。
▲マッターホルンの稜線の延長を歩く。雲が降りてきて雨も降ってきた。
すると、ごろごろとあたりに転がる大きくて平たい石と
背の低い草で覆われていた斜面から、
キラキラと光り輝くものが浮き立ってきた。
おぉ、コケだ!!
▲左:真上から見たところ。 右:見下ろしたところ。
今まで目についたのは色とりどりの高山植物と、
そこら中の石にビッシリ張り付く地衣類ばかり。
そもそも標高が高い場所だから
コケを期待していなかったということもあり、
こんなにたくさんのコケがいたなんて気づかなかった!
▲近寄ってみると、シモフリゴケの群生だった。
コケは雨水を含んで黄緑色の束が
ふんわりモコモコ膨らんで元気いっぱい。
そして他の草花はいまや雨に濡れて
一気に存在が薄れたこともあり、
草原の主役は一気にシモフリゴケに
とってかわられたのであった。
「ひゃー、きれいだわー! こんな所にも、こんなにコケがあるなんて感激だなー」
私のあまりの興奮のしように、ガイドのまきさんもコケのことが気になったご様子。
「え、どこにコケがあるんですか?」
「ここですよ、これ。たぶんシモフリゴケです」
「へぇ~~、今まで気づきませんでした。きれいなもんですねぇ」
よし、この人もコケに興味がありそうだと踏んだ私は、
「ほら、ここにも。見て見て、あっちにもありますヨ」
と、こっちを指差し、あっちを指差しで、
雨に打たれる寒さも忘れてヒートアップ!
まきさんもすぐにコケに目が慣れて、
「あ、これもそうじゃないですか? ほら、こっちのもコケですよね!」
と積極的に岩や地面にはりついていた。
▲種類はわからないけれど、水もしたたるいいコケ!
▲石のかげにひっそりとスギゴケも。
マッターホルンは雲隠れで見えなかったけれど、
この雨の日は思わぬ高山のコケ観察日和となったのであった。
帰りは途中から雨もやみ、
針葉樹林帯に生えていた野生のブルーベリーを
つまみながら下山という、これまた贅沢なひと時を過ごせた。
▲つまみ食いした野生のブルーベリー。
ちなみにガイドのまきさんのその日のレポートはこちら
(今回お世話になったフェロートラベルのHPより)。
●08月27日 雨の日の楽しみかた♪(ツェルマット)
http://www.fellow-travel.co.jp/cgi-bin/topics_aw.cgi?
▲巨大キノコも発見!(さすがにこちらは食べてません)