かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

雨だから楽しい。

2010-09-10 11:46:33 | コケをめぐる旅

▲麓の町ツェルマットから見たマッターホルン。


標高4477mの名峰マッターホルン(ちなみに富士山は3776m)。
山はスイスとイタリアの国境をまたぐ。


スイス人はこの山にイタリア側から
よく雲が流れてくるのを見て、

「今日はイタリア人がたくさんパスタを茹でてるな~」

とジョークを飛ばす。


・マッター=草場の開けた場所、
・ホルン=鹿などの角。そこから転じて角のように尖った山も指す。

というのが名前の由来。


その雄々しい尖り具合が、
到着当日・翌日は幸いにも
晴天に恵まれて拝むことができた。




3日目はガイドのまきさんの案内で、
逆さマッターホルンが映る湖周辺のハイキングコースへ。
しかし空はちょっと怪しい曇り空。


やはり山は雲に隠れて見えなかったが、
山と山の間に横たわる氷河眺めつつ、
地元の野生動物モーマット(げっ歯類でぽっちゃりしたカワウソみたい)と、
放牧中の白黒ヤギもみかけて興奮しながら歩いていると、
いよいよ雨が降ってきた。



▲湖シュヴァルツゼー(ゼーとは湖の意)からの景色。逆さマッターホルンは見えず。




▲マッターホルンの稜線の延長を歩く。雲が降りてきて雨も降ってきた。



すると、ごろごろとあたりに転がる大きくて平たい石と
背の低い草で覆われていた斜面から、
キラキラと光り輝くものが浮き立ってきた。


おぉ、コケだ!!


    
▲左:真上から見たところ。       右:見下ろしたところ。



今まで目についたのは色とりどりの高山植物と、
そこら中の石にビッシリ張り付く地衣類ばかり。

そもそも標高が高い場所だから
コケを期待していなかったということもあり、
こんなにたくさんのコケがいたなんて気づかなかった!



▲近寄ってみると、シモフリゴケの群生だった。



コケは雨水を含んで黄緑色の束が
ふんわりモコモコ膨らんで元気いっぱい。

そして他の草花はいまや雨に濡れて
一気に存在が薄れたこともあり、
草原の主役は一気にシモフリゴケに
とってかわられたのであった。



「ひゃー、きれいだわー! こんな所にも、こんなにコケがあるなんて感激だなー」


私のあまりの興奮のしように、ガイドのまきさんもコケのことが気になったご様子。



「え、どこにコケがあるんですか?」


「ここですよ、これ。たぶんシモフリゴケです」


「へぇ~~、今まで気づきませんでした。きれいなもんですねぇ」



よし、この人もコケに興味がありそうだと踏んだ私は、


「ほら、ここにも。見て見て、あっちにもありますヨ」


と、こっちを指差し、あっちを指差しで、
雨に打たれる寒さも忘れてヒートアップ!


まきさんもすぐにコケに目が慣れて、

「あ、これもそうじゃないですか? ほら、こっちのもコケですよね!」

と積極的に岩や地面にはりついていた。




▲種類はわからないけれど、水もしたたるいいコケ!




▲石のかげにひっそりとスギゴケも。



マッターホルンは雲隠れで見えなかったけれど、
この雨の日は思わぬ高山のコケ観察日和となったのであった。



帰りは途中から雨もやみ、
針葉樹林帯に生えていた野生のブルーベリーを
つまみながら下山という、これまた贅沢なひと時を過ごせた。



▲つまみ食いした野生のブルーベリー。



ちなみにガイドのまきさんのその日のレポートはこちら
(今回お世話になったフェロートラベルのHPより)。


●08月27日 雨の日の楽しみかた♪(ツェルマット)
http://www.fellow-travel.co.jp/cgi-bin/topics_aw.cgi?





▲巨大キノコも発見!(さすがにこちらは食べてません)



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