▲スナゴケ(伊豆高原にて撮影)
少しずつ日が暮れるのが遅くなって、
向こうの空に落ちていく夕日や
薄紅色の空のグラデーショが
じっくり見られるのが嬉しい今日この頃。
とはいえ、夜は急に冷え込んだり雪が降ったりと、
けっこう寒暖の差が激しい今日この頃でもある。
先日のテレビのニュースによると、
場所によってはもうそろそろ
ツクシが地上に顔を出す時季なのだとか。
ただ、春の陽気を感じたと思ったら、
翌日は雪が積もったりするので、
ツクシも思いきって伸びることができず、
出ようかどうしようか迷っていて、
結局例年よりも出るのが遅くなっているらしい。
さて、コケはどうだろう。
コケは他の植物よりも春の気配を
敏感に感じ取り、一足早く起きて葉を広げ始める。
大きな草木の枝葉が伸びて
日がさえぎられないうちに
光合成をスタートさせるためだ。
これはからだが小さいコケならではの処世術。
けれど今年は目覚めたものの、
翌日には雪も降るほどの寒さ。
いまごろ「二度寝でもするかぁ」と
大あくびしているやつがいるかもしれない。
たとえば、このスナゴケ。
葉が開いているか閉じているか見てすぐわかるので、
起きているか寝ているのか、区別がつきやすい。
▲起き出してを伸ばしてみたものの、寒さと乾燥で再び葉を閉じるスナゴケ。
▲こちらの群落は完全に二度寝中。ぐぅぐぅというイビキが聞こえてきそう。笑
空気が乾燥していると葉先が霜が降りたように
白く見えるのがこのコケの特徴。
葉を閉じ、活動を最小限に抑えてエネルギーを節約し、
ゆっくり寝ながら春を待っているようだ。
ちなみに・・・
▲起きているとこうなる。
ほどよい湿り気を帯び、葉が開いたスナゴケは、
ルーペで見ると黄色い星々が瞬いているようで本当に美しい。