かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

コケ好きのためのカレンダー「苔暦2021」が販売スタート! ※2020.12.17更新:完売御礼!

2020-12-10 13:23:04 | 文系女子のコケ目線
     
      
      ▲コケ好きのためのカレンダー「苔暦2021」。透かし紙の帯紙付き


今回は大変お待たせしましたっ!ようやっと準備が整いました!
今年もコケ好きのためのコケカレンダー「苔暦」の販売をスタートいたします。

※おかげさまで今年もたくさんのご注文を頂き、完売御礼となりました。たくさんのお申込みをありがとうございました!

「苔暦2021」<壁かけ用、1部:1400円+送料 ※送料についての詳細は下記をご参照>


今回の12か月はこちら!


  


  


  


  


  


  




▲仕様:210×148㎜(A5サイズ)/全4色カラー。祝祭日・振替休日の記載あり。吊り下げ用紐付き。
    ジェントルホワイトフェイス121.5K使用で、ややざらっとした手触りでマットな質感です



早いもので今回で8回目のカレンダー作り。続けていけるのも毎年楽しみにしてくださるリピーターの皆様のおかげです。

今回のテーマは「Moss with People(人のくらしのそばに息づくコケたち)」。

今年はコロナ禍で遠出が制限されたぶん、あらためて身の回りの自然に目を向けた人が多かったのではないでしょうか。
かく言う私も、ひっそりと、そして時に華やかに、四季折々の表情を見せてくれる身近なコケたちに心癒されました。
そして、人のくらしのそばをあえて選んで生きるコケたちの多様性を感じられたことが何より嬉しい発見でした。

そんな思いから生まれたのが今回のテーマです。

近所の道端で見られるおなじみのコケ、知らないうちに庭によく生えてくるコケ、
田畑が好きなコケ、社寺の趣深いコケ、今回も美しいコケたちが12か月を彩ります!



●2021年版のプチリニューアル その1


▲ここ2年ほど、キャプションはコケの「種名・学名」と「撮影場所」くらいだったのですが、
 今回は月ごとにコケの特徴などを記しました



●2021年版のプチリニューアル その2


▲今回から月曜始まりにしてみました。
 コケのイベントはだいたい土日に集中しているので、予定が書き込みやすくなりました




▲カレンダー上面に穴があいています。壁掛けカレンダーとしてどうぞ




▲ご自宅にワイヤースタンド(皿立て)などがありましたら、卓上カレンダーとしても使えますよ




----------------------------------ここからお申込み方法--------------------------------------------------------------------------

カレンダー代に加え、下記の通り別途送料がかかります。
それぞれ最安値の配送方法を選んでいますが、
ご希望の配送方法(宅急便など)がある場合はご注文の際にご相談ください。


【ご注文冊数による送料の違い】 ※カレンダーは1400円(税込)/冊です。

■1冊:送料140円(普通郵便)

■2~4冊:180円(スマートレター)

■5冊以上:送料無料 ←(一度にそんなにご購入くださるのは大変ありがたいので!)
 

購入希望の方は当ブログ左側のバーにある「プロフィール」の下、「メッセージを送る」にご連絡ください。
その際、下記の必要記入事項をご記載ください。

 ※iphone からこのブログを読まれている方だと「メッセージを送る」の欄が表示されないようです。
  ご注文は、bird0707◆mail.goo.ne.jp (◆を@に変えてください)のメールアドレスに送ってくださいませ。


こちらからご注文の確認とお振込先についてのお返事を差し上げます。


----メッセージへの必要記入事項-------------------


1.お客さま情報
  
・お名前:
・カレンダーの送付先:〒
・電話番号:
・メールアドレス:
  
2.必要部数   部  送料     円  ★合計金額  円

------------------------------------------------

●金額
 1部=税込1400円(送料:1冊140円。2~4冊は180円、5冊以上は無料)
 
●代金 
 ご注文メールをいただいた方、各々に振込先をお知らせします。
 振込手数料はお客様の御負担でお願いします(入金確認後の送付となります)。

●発送方法
 PP袋で個包装の上、「普通郵便」または「スマートレター」「レターパック」等で発送します。 

●ご注文期間:2020年12月10日~2021年1月いっぱい頃まで。
 
 ※品切れ次第終了いたします。

 ※ご注文メールを頂いてから、基本3日以内にはにこちらから確認メールを差し上げます。
  3日以上たっても確認メールが届かない場合には、御手数ですがご一報ください。
 ※Amazonや巷の通販のような敏速な対応はできませんが、できるだけ早めに対応・発送させていただきます。

ではでは、皆さまのお申込みをお待ちしております!



<追伸>
じつは隠花植物つながりのお友達、「きのこびと」さんから、
「ブログでの通販はGoogleフォームを使うととても便利」と教えていただいたのですが、
とにかく私はパソコンやインターネットが不得手でして、
今回はGoogleフォームの門前には立ったものの扉を開けるまでに至らず・・・。

来年は使い方を習得して、よりお申込みやすい専用フォームを作りたいと思います。
ちなみに、きのこびとさんが作られているキノコカレンダー「2021年 茸暦」も素敵です。
2021年版のネット販売分はすでに完売とのことですが「どうしても買いたい!」という方には
実店舗での販売情報など教えてくださると思いますよ。


【短信】コケカレンダー「苔暦2021」が完成!→販売は12/10(木)から始めます!(今度こそ!)

2020-12-03 14:34:50 | 文系女子のコケ目線

       

       ▲スマホで撮ったもので画質がイマイチですが、今回も出来はバッチリです!  

 

コケ好きのためのカレンダー「苔暦2021」が先日、印刷会社からあがってきました。
この週末(遅くとも12/7(月)中には!)には購入申し込みフォームを整えて、詳細をお知らせしようと思います。

もうしばし、お待ちを!!!

→<2020.12.7追記>
レギュラー仕事の締め切りに追われ、カレンダー販売の準備追い付かず!
12/8(火)中には申込フォームを整えます。申し訳ありません!

→→<2020.12.9再追記>
大変お待たせしており申し訳ありません。レギュラー仕事がようやく一段落つきました!
今晩準備しまして12/10(木)中には申込フォームを整えます(今度こそ!必ず!)。あと一日だけお待ちください。今回は少し印刷部数を増やしましたので数はまだまだあります!

 

 

 


【お知らせ&コケ情報いろいろ】登山WEBマガジン「YAMA HACK」にコケの記事掲載/「東京苔展」が開催中!@渋谷区ふれあい植物センター/琥珀から新種のコケ発見@岩手県久慈市

2020-11-07 12:22:05 | コケ情報

今日はコケの情報が盛りだくさんです。

ここ最近、コケのことでいくつか取材を受けていて、
先がけてその一つが公開されましたのでまずはそのお知らせから。


「変化する植物!?登山者をも魅了する世にも奇妙な『コケ』の世界へようこそ」
   ※↑クリックして頂いたら記事にジャンプします。





登山WEBマガジン「YAMA HACK」さんに取材して頂きました。
登山中にコケが気になる方に向けた〝入門編〟としてライトに読んで頂ける内容になっています。
コケを五感で楽しむあれこれ、ご参考になれば幸いです。


しかも、↓記事↓中にある「かわいいコケブログ」をクリックして頂くと、
過去のこのブログの中から「登山」に関するものだけを抜粋して見られるリンクも貼ってくださいました。
こちらもご参考になればぜひ!(古い情報もあるのでそこはご容赦を・・・)






企画展「東京苔展〜あなたの傍にそっとコケ〜」@東京都渋谷区ふれあい植物センタ

「日本で一番小さな植物園」でおなじみの渋谷区ふれあい植物センターにてコケの企画展が開催されています。





約500種の植物を有する屋内型植物園にて、アーバンモスの写真展示や、体験コーナー、苔テラリウムの展示もあり。
さらに渋谷周辺のコケ散歩動画の放映や、希望者にはコケのミニ図鑑のプレゼントもありますよ。
岡山コケの会関東班のメンバーたちが中心となってアイデアを出し合った力作です。
開期は11月15日(日)までですので、都内近郊の方はぜひ!
  ※ちなみに私は写真展示で少し協力させてもらいました(ギンゴケの乾湿の差を比較したパネル写真です)。





久慈の琥珀から新種のコケ発見、「クジフタマタゴケ」と命名される

9月のニュースでいまさらながらになりますが・・・。
岩手県久慈市の琥珀採掘場で採掘された琥珀の中に閉じ込められた植物が、
新種のコケ植物であることはわかったそうです(鑑定は服部植物研究所の片桐知之所長)。
これで琥珀から新種のコケが出てきたのは国内2例目とか。

現在、久慈琥珀博物館ではその現物が特別展示されているそうですよ(2020年12月30日まで)。

 ※関連情報→ ☆1  ☆2  ☆3

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以上です。
おかげさまでコケカレンダー「苔暦2021」もようやく制作が走り出しました。12月初旬には完成の予定。
また完成しましたら、このブログで改めてご案内しますね。


【短信】コケ好きのためのカレンダー「苔暦2021」を鋭意制作中!

2020-10-11 13:18:00 | 文系女子のコケ目線



近所の街路樹のイチョウも銀杏をつけるようになりました。

先の記事でもお知らせしましたとおり、今年は京都府立植物園での
「苔・こけ・コケ展」は例年通りとはいかず、屋内での展示や物販、講演会はなし。

そんなわけで・・・遅れております、コケカレンダーの制作が・・・(^^;)。

いつもなら今頃はこのコケ展に間に合うようにと制作の佳境に入っている頃ですが、
今年はこのコロナ禍で野外でのコケ撮影もままならず、エンジンがかかるのにも時間がかかっていました。

しかし、すでに何件かお問い合わせも頂いており、やはり作らねば!と思い腰を上げたところ。
今回は11月下旬~12月頃には販売スタートできたらと思っています。

しばしお待ちくださいませ!

取り急ぎの近況報告まで。


●おまけ
トップ画像はカレンダー候補の1枚。秋の那谷寺(石川県)にて。
コケはおそらくホンモンジゴケです。

【コケ情報】10/10苔とマコモのちいさなお祭り@新潟県胎内市

2020-10-04 06:30:30 | コケ情報

      


間近のお知らせとなり恐縮ですが、「苔とマコモのちいさなお祭り」という魅惑のイベントが新潟県胎内市で開催されます。

●「苔とマコモのちいさなお祭り」HP→ 

コケとマコモ(イネ科の植物)が主役のこのイベント、体験・販売・食、さまざまな角度からコケとマコモを推しています。
とくにコケは、コケテラリウム作りやフィールドワークをはじめ、苔の種(蒔き苔法に使うコケを裁断したもの)や
モスペーパー(細かくしたコケを和紙と混ぜて漉きとったもの)、苔スイーツなど、気になる企画やグッズが満載です。


       


光栄なことに、コケ友・MさんとのMOSS-T PROJECTからもコケ画-Tシャツとポストカードを出品させて頂いております。
Tシャツは色・サイズに限りがありますので、もしご興味のある方はお早めに販売ブースへ!

秋の里山、のどかな田園風景、そこでコケとマコモを存分に楽しむ。
もっと近くだったらなぁ!と関西の私は指をくわえるばかりですが、当日はお天気に恵まれますように。

新潟県とその周辺地域の皆様、ぜひ足を運んでみてくださいませ。


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そして!この秋は、ほかにも関西や関東でコケ関連のイベントが控えています。
また近くなったら詳しくお知らせしますので、しばしお待ちを~。


 ※でも少しだけ情報解禁!
 例年11月に開催されてきた京都府立植物園での「苔・こけ・コケ展」は、
 今年は園内の敷地を使ったウォークラリー形式での開催となります。
 会場での展示や物販はなく、植物園に入園された方にコケMAPをお配りし、
 各自自由に園内のコケを見て回ってもらう予定です。
 会期は11月~12月となりそうです。


 
      ▲先日、オカモス関西のメンバーで下見へ行ってきました



 
 ▲スダジイのどんぐり。かわいいなと思うとともに、この夏の猛暑にもめげず
  着々と結実していく植物のたくましさ、勤勉さには本当に憧れてしまう


コケ恋しい9月&【コケ、キノコ・粘菌情報】NHK文化センター神戸教室にて人気の講座がこの秋冬にも!

2020-09-04 14:21:25 | コケ情報


                            ▲福岡県にて(2019年8月)


ひところの昼夜問わずの酷暑からは解放され、ここ最近は朝晩が少し過ごしやすくなってきた。
入道雲とうろこ雲を交互に見ながら、夏と秋の匂いをどちらも感じられるこの季節がとても好きだ。
とはいえ、これからの実りの秋を前に、台風が心配な時季でもあるのだが・・・。

そんなコロナ禍のまま突入する秋のはじまり、皆さまはどのようにお過ごしですか?

こちらはいまだ県内外のコケを自由に見て回ることができないストレスを抱えながらの日々ですが、
先週末は、8/30まで鳥取県立博物館で開催されていた「変形菌展」を観に行くべく、日帰りで鳥取県へ。
久々の日帰り旅行(しかも人生初の鳥取県!)に心身ともにかなりリフレッシュできました。
やはり私の人生に旅は欠かせない。つかのまでも旅ができる喜びを噛みしめた次第。
早く何でもない日常がかえってきてほしいなぁ。

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さて、コケ繋がり、キノコ・粘菌(変形菌)繋がりの諸先輩方が
この秋冬に神戸で一日講座(座学)を開催されますので、そのお知らせです。


10月3日(土)13時~「探検!ミクロな生物の世界」講師:左木山祝一氏

コケ好き、虫好きの人必見のブログ「そよ風のなかで Part2」の主であり、
コケの国のふしぎ図鑑』の著者である左木山さんの講座です。
昨年に続き第2回目の開催となります。




※お申し込みはこちらから→  (NHK文化センター神戸教室のホームページへ飛びます)



12月6日(日)13時~「きのこや粘菌をとことん楽しむ方法」講師:新井文彦氏


北海道や東北でキノコ・粘菌(変形菌ともいいます)の写真を撮り続けている写真家の新井文彦さんの恒例の講座。
新井文彦さんといえば、これまでたくさんのキノコや変形菌のご本を出しておられるほか、
ほぼ日の「きのこの話。」でご存じの方も多いはず。




毎年、この講座のためにわざわざ神戸にお越しくださるという新井さん。
講座の後には今年も一緒に六甲山界隈をコケさんぽしたいなぁ。

※お申し込みはこちらから→  (NHK文化センター神戸教室のホームページへ飛びます)


どちらの講座も受講申込みはすでにスタートしているとのこと。
興味がある方はぜひお席が埋まらないうちに早めにお申し込みくださいませ!


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さて、話は飛ぶが、じつは今日から2日間、コケの研究者が集まる学会「日本蘚苔類学会」の第49回高知大会が開催される。
とはいえこのご時世なので、今回は高知県に集合せず、zoom内で研究者各自の発表、総会、懇親会などが行われる予定だ。

直接会えないうえ、現地でのエクスカーション(コケが豊富な場所でのフィールドワーク)がないのはさみしい限りだが、
オンラインになったことで、いつもはなかなか参加できない遠方の学会員の方々の参加が多いというのは喜ばしいことだ。


それで、ふと思いついて、昨年(2019年)の第48回福岡大会はどんなふうだったかなと、
コケの画像ばかり入れているパソコン外付けのポータブルハードディスクの中を探してみた。
昨年の学会は2019年8月27~29日開催で、最終日のエクスカーションは県内の野河内渓谷を訪れていた。

とはいえ、ちょうどこの3日間は台風が九州に接近していて福岡県内も連日大雨。
野河内渓谷に向かう際に至っては局地的集中豪雨を受け、バスも道中で足止めをくらう。
学会の常連で岡山から参加のKさんの

「ごめ~ん、オレの強力な雨男パワーでこんなことになっちゃって!」

との冗談に笑いながらも、私は内心(本当に行くのはムリかも…)と
バスの屋根を打楽器みたいに叩きつける雨粒の音を聞きながら半分あきらめモードだった。

それでも、会員たちは全国各地からせっかく福岡県まで来たのである。
学会員全員の一縷の望みを繋ぐかのようにバスは雨雲の合間を縫うようにゆるゆると進んだ。

そして、ちょうど渓谷入口の駐車場に到着したとき・・・・・・
なんと、不思議なくらいぴたりと雨がやんだのだ。

「奇跡!!」

私をはじめ、おそらく多くの学会員が心の中でそう叫んだことだろう。

なぜこんな奇跡が突然?!

そう、じつはバスには学会初参加で、事前に台風の予報があったにもかかわらず、

「私、めちゃくちゃ晴れ女なんで。」

と折り畳み傘すらもってこなかった、埼玉が生んだ最強晴れ女のOさんが乗っていたのだ!!

その時、余裕の表情で「台風に勝ちましたね」とさらりと言いのけて
静かにバスを降りていくOさんの背中がどれだけまぶしかったことか!(思わず手を合わせて拝みました)

いま思えばその瞬間をカメラにおさめておけばよかったと後悔しているが、
とにかく、雨上がりのコケ、嬉々としてバスを降りていく学会員たち、
学会の活動に毎度雨を呼び込む雨男vs霊長類最強の晴れ女、すべてがキラキラした思い出である。

そして、あの時のなにもかもがいま猛烈に恋しい。



▲バスを降りて一番最初に目に留まったフデゴケ



▲カビゴケ。植物体が濡れて形状がルーペでもはっきり見えなかったが、匂いをかいだらすぐわかった
 


▲ヒメシノブゴケ



▲じつは上のヒメシノブゴケの生えているところから数十センチ離れたところに
 近縁種のトヤマシノブゴケも生えていた。「区別つきません~!!」と混乱気味のコケ好きたちに、
 すかさずK先生が違いを説明してくださり、ありがたや~!な1枚



▲タマゴケのタマちゃん。春は青りんごのような形状の胞子体が美しいが、真夏はこんな感じ



▲渓谷まわりの民家の裏道



▲民家の脇を流れる水路にはカニも



▲駐車場の目の前の田んぼ。カナヘビ(かな?)の赤ちゃんもいました



▲田んぼといえばつい探してしまうのがイチョウウキゴケ。大量のウキクサ(アオウキクサかな?)に
完全アウェイな状態ながら、がんばって稲の根元にしがみついていました


暑中お見舞い申し上げます。

2020-07-28 16:26:10 | 未分類

▲シフネルゴケ

 

近年まれに見る梅雨の長さで、いまだ本格的な暑さを感じない毎日。
「暑中」ではないよなぁと思いつつ、皆さんお元気ですか? こちらは元気ですよ!
というのが伝えたくて、更新した次第です。


とはいえ、つい昨日のこと。
5年くらい前から時々通っていたごはん屋さんが6月下旬に閉店したと知り、びっくり。ひどく落ち込んでしまった。
このコロナ禍、気に入っているお店が潰れないようできる限りは利用していたつもりだったが…。
彼女たちの力になれなかった。「悔しい」の一言に尽きる。

そして、そんなことが今の日本の、いや世界のいろんな場所で、いろんな形で、
日々無数に起こっていることなのだろうと思うと、途方に暮れてしまう。

 

不穏なお天気に、不穏な世相、気が晴れる材料がなかなか見つからないが、
いまできること・必要とされていることを黙々と続けていくこと、期待に応えていくこと。
大切な人への連絡はできるだけ取ること。
リラックスして笑える時間を忘れないこと(いまは今月から始まったドラマ「半沢直樹」にはまってます。笑)。
そんなことを改めて胸に刻んだ夜だった。

 
先月の京都のコケ観察会以来、またコケから少し離れている日々だが、
梅雨が長いおかげで近所のコケたちがいつもふくふくとした緑色で、癒される。

とはいえやはり恋しい。山のコケ。
もうそろそろ、近くの山へ出かけねばなるまい。

そんなわけで、山への恋しさを募らせるあまり、
今日のトップ画像は初春に観察したシフネルゴケ(苔類)を載せてみた。
夏に見るとまた涼しげで緑麗しく、ほれぼれしてしまうなぁ。

 

ちなみに、コケ観察会は、秋以降にお預けになっているものが、一つ、二つ。
この夏は〝執筆〟を仕事のど真ん中において、コツコツがんばりたいと思う。

 

▲その時は胞子体もたくさんつけていた。初めて見るシフネルゴケ、さらに胞子体まで!と大興奮したことが懐かしい!

 

▲ルーペで覗くと、からだはレースのようにひらひらとして華のあるコケだが、風景の中で見ると意外と小さくて地味

 

 

【最近読んだ本、いま読んでいる本】

「ざらざらをさわる」(三好愛/晶文社)

 

 

作家の川上弘美さんの本が学生時代から好きで、「某(ぼう)」という本が出版されたときに本屋さんで見かけ、
「あ、また川上さんの本でたんだな」となにげなく手に取って表紙画を見て以来、
ずっと気になっていたイラストレーターの三好愛さん。

最近Twitterで彼女をフォローしたら、なんと今度はご自身のエッセー集が出たというのでさっそく購入。
一見したらわざわざ書かなくてもいいかもしれない日常のこと、思い出、これからしてみたいこと、
それらが何とも絶妙な角度から、絶妙な言葉選びとテンポで紡ぎ出されていて、静かな驚き多々。
ニヤニヤさせられたり、そういうもののとらえ方って面白いな、
あれ、こっちはなんだか懐かしい感覚だなとか思わされているうちに、あっというまに読んでしまった。

1つ1つのお話が短いので隙間時間に読めるのもいいし、各お話の末尾にそのお話にまつわる挿画がついているのも贅沢。
この本をきっかけに、一日の中で毎日少しだけ「自分」というものについて振り返る時間を持ちたくなった。

また少し時間が経ったら、きっと読み返したくなると思う。

 

 


子どものコケ目(め)、大人のコケ目(め)

2020-07-06 16:05:47 | 関西コケスポット




新型コロナウイルスとの付き合いがまだまだ長引きそうな今日この頃。
雨も多く、暑さも増してきましたが、皆さまお元気ですか?

―――――

6月27日、京都で今年初めてのコケ観察会の講師を務めさせていただいた。
いつもなら3月〜5月に依頼を受けてあちこちでコケ観察会・コケ講座させてもらうが、今年はこれが初仕事。

今回は15人までの少人数制、ソーシャルディスタンスを保つため、屋内でのレクチャーはなし。
野外での解説・観察中も皆さんにはマスクをつけていただき、お互いに距離を取りながら行うことに。

さらにフィールドで紹介するのは大きな群落に育っている種類に絞り、
群落には数か所ずつ種名を書いた立て札を立てておいて、
めいめいにコケをつまんで離れて観察するスタイルにした。

開催までには主催の京都科学読み物研究会のメンバーの皆さんと
何度も相談を重ねながら、いまできる限りの工夫を行ったつもりだ。


当日の参加者は、幼稚園の年中さんから70代(くらいとお見受け)までとじつに幅広い年代の老若男女。
ほとんどの皆さんがコケをじっくり観察するという行為が初めてのようだったが、熱心な方ばかりでびっくり。

とくに幼稚園児、小学生の男の子たちは、コケに心釘付け!というふうで、
数メートル進むごとに「これ何ゴケですか?」という質問はもちろんのこと、

「日本だけにいるコケってなんですか?」

「(原糸体を見て)これもコケでしょ?めちゃくちゃ小さいコケだよねぇ?」

「『コケ』って名前がつかないコケもいるの?」

「世界一大きなコケってどれくらい大きいの?」

などなど、私の背中に次々と質問をぶつけてくる。

そして振り返って彼らの顔を見ると、その眼のキラキラに今度は私の心が釘付けに。


また、そんな子供たちから刺激を受けてか、大人からも、

「新種のコケってこれからも見つかりますか?」

「(新芽を見て)これは若いジャゴケですよね?」

「(ジャゴケ雌株の生殖器官を見て)この膨らみは何でしょう?」

「食べられるコケはありますか?」

「ウマスギゴケが茶色く倒れているのは枯れているからですか?」

など、これまたたくさん質問を頂いた。
よしよし、大人のコケ目もなかなかいい感じじゃないか(笑)。





「そうですね~、それは……」と努めて平静に答えつつも、
内心はかなりエキサイティングしていた私。

誰かと一緒にコケを見ること、話をすることってやっぱり面白い。
サビついていた脳細胞が久々に活性化したような思いがした京都での一日だった。
この日の観察会をきっかけに、参加者の皆さんのコケ目がこれからも持続するといいな。

京都科学読み物研究会の皆さん、参加者の皆さん、そして快くコケ観察のために場を提供してくださった法然院さん、
法然院森のセンターさん、あの日は本当にありがとうございました。


ちなみに・・・
当日の質問のなかで、一つだけ答えられなかったものがあった。
これも小学生の男の子からの質問。
日本で帰化した欧州原産のコケ(ミカヅキゼニゴケ)の話をした際のことだ。

「じゃあ、外国にも、日本から渡ってきて帰化したコケってあるんですか?」

え? 

本当だ、そんなコケってあるんですかね??

いやー、この変化球にはこちらもすっかりお手上げ。
そして言われてみればとても気になる。

たしかに種子植物には、観賞用として日本から欧米にわたったという
クズやスイカズラが帰化に成功している(成功し過ぎて現地では厄介者扱いされているらしいが)。

たとえば苔庭・盆栽には欠かせないコケたちの中に、
園芸文化とともに欧米に居ついたものはいないだろうか。

想像は広がるばかりだ。

海外で帰化した日本のコケ、もしご存じの方がいらしたらぜひご教示くださいませ。


▲こちらはヨーロッパからきて日本で帰化に成功したミカヅキゼニゴケ


●おまけ




▲当日は観察対象としなかったが、法然院の境内の土上にはウキゴケの仲間も!
 許可を頂き少し採取できたので、また顕微鏡で調べたい





【お知らせ】旅情報サイト・旅色プラスにて〝ご近所散歩で楽しむコケトリップのすすめ〟

2020-06-07 13:25:00 | コケ情報

                                  ▲撮影:堀内雄介

 

「緊急事態宣言」が全国的に解除され、少しずつ日常がまた回り始めたと実感している6月。
とはいえ「東京アラート」が発動中だったり、相変わらず密度の高い電車等を見かけると、
これでいいのだろうか、これからどうなっていくのだろうかと漠然とした不安がまとわりつく。

とはいえ、図書館や映画館、美術館、デパート、お気に入りのカフェや雑貨屋など、
これまで慣れ親しんできた施設・店舗が再開してくれるのは素直に嬉しい。

各所から依頼されていたコケ観察会もこの春はやむなく中止・延期となったが、
今後は少人数・分散で行うなど、これまでのスタイルを見直しながら再開できればと思う。
もともとコケ観察そのものは、ソロで楽しめるアクティビティのそれこそ代表格のようなもの。
この間に改めて身近な自然の魅力に気づき、楽しんでいる人も多いというから、ぜひコケにも目を向けてもらえたら嬉しい。

そんなことを考えていた矢先、奇遇にも旅の情報サイトの「旅色プラス」からの依頼で
遠出せずとも楽しめる「ご近所コケトリップ」というテーマで記事を書かせていただいた。

常日頃ご近所のコケをチェックされている方にはいまさらな情報かもしれませんが、
コケ初心者の方がコケを楽しむヒントになればと思う(下記をクリックしてみてください)。

☆旅色プラス「コケ愛好家・藤井久子さんに聞く! ご近所散歩で楽しむコケトリップのすすめ 」

 

なお、過去にも旅色プラスでは「コケトリップ」をテーマに2つの記事を書かせていただいています。
こちらもよかったらのぞいてみてくださいませ。

☆「コケ愛好家・藤井久子さんに聞く! コケトリップの魅力 」

☆「コケ愛好家・藤井久子さんに聞く!石川県小松市にある「苔の里」ってどんなところ? 」

 

 

【最近読んだ本、いま読んでいる本】

在宅時間が長くなったぶん、読書時間が増えているという方も多いのでは?
〝遅読遅筆〟でおなじみ(?)の私ですが、じつは読書好き。
読んだ本の備忘録も兼ねておすすめの本をご紹介する第2弾です。
 


『大文字山トレッキング手帖』(フィールドソサエティー(法然院森のセンター)編/ナカニシヤ出版)


▲法然院森のセンターを運営している久山喜久雄・慶子ご夫妻による執筆。コケやキノコの章もあります

 

●『奥入瀬daily』(河井大輔/NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会)


▲ここ数年で『奥入瀬自然史博物館』『奥入瀬フィールドミュージアムガイドブック』に続く最終篇とのこと

 

前者は京都府の名山である大文字山山域、後者は青森県の奥入瀬渓流の森についてのガイドブックです。

京都の久山ご夫妻も、青森の河井大輔さんもそれぞれの土地に根を下ろし、
長年にわたって土地の自然を見つめ、その魅力を地域内外に発信し続けてきたベテランネイチャーガイド。

両地とも全国区の名所なのでガイドブックやインターネットで観光情報は溢れているでしょうが、やはりこうして一著者の手によってまとめられた本を読むと、
プロのガイドが何をポイントにその土地を見つめてきたのか、その土地にどういったストーリーを感じているのか、
来訪者に何を感じてほしいのかということがストレートに伝わってきて、いいものですね。

とくに『奥入瀬daily』は文章が1/3、奥入瀬の美しい四季が伝わってくる写真が2/3くらいの割合で、眺めているだけでも楽しいフォトブック仕立て。
各写真のそばに「●/● ●●:●●」と季節のみならず月日と時間まで記載していることで、
「今この瞬間の奥入瀬にはきっとこんな風景が広がっているだろうな」と読者に想像させる工夫も良いです。

従来ならこういった種類の本は「この土地を訪れてみたい」と考えている旅行者に向けられていたり、求めらていたりする本なのかなと思うのですが、
このコロナ禍で遠出が難しいいま、地元の人が地元の魅力を再発見するための一助としても最適な本なのではないかなと思います。

 

『ふたりっ子バンザイ』(石亀泰郎/夏葉社)

 

常に子どもたちを撮り続けてきた写真家のデビュー作。
約50年ぶりに夏葉社によって復刊された、新書サイズの小さな写真集です。
ご自身のとしごの息子さんたちが成長していく様子を数年間にわたって撮り続けた記録写真集。

普段は写真集を買うことはほとんどないのですが、少し前に日経新聞で夏葉社代表の島田潤一郎さんが半生を語っておられる連載があり、
「自分のところで作る本は量産はせず、何度も読み返される本だけを丁寧に作っていきたい」という主旨のことを仰っていました。
その言葉がなんだかずっと頭の片隅に残っていて、夏葉社さんの本が無性に買いたくなってしまいました。
わが家にも現在小さい人たちがいるということで、この本をチョイス。

時代も違う、よそんちの子供の成長記録なのに、なんだかわが家の小さい人らを客観的に眺めているような。
毎日他愛ないことで彼らと騒いでいる日常は、何にも代えがきかないかけがえのない時間なのだよなぁと思い直しました。

 


【コケ情報】苔テラリウムのさらなる高みへ!「魅せる苔テラリウムの作り方~部屋で育てる 小さな苔の森~」

2020-05-21 16:20:15 | コケの本棚

     

 

新型コロナウイルス蔓延の第1波が次第に落ち着き、近畿3府県は緊急事態宣言の解除が決定、
でもこれからの第2波、第3波に備えてまだまだ油断はままならない今日この頃です。
みなさまもお変わりなく、お元気でお過ごしですか?

さて、久々にコケ関係で明るいニュースが飛び込んできました。

つい先日、苔テラリウム作家で「道草」の屋号でおなじみの石河英作さんの新刊、
「魅せる苔テラリウムの作り方~部屋で育てる 小さな苔の森~」が家の光協会から発行されました。

第1弾「部屋で楽しむ 小さな苔の森」(2018年7月17日発行)からわずか2年弱。
拙著「知りたい会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑」も担当してくださった編集者Eさんとの
締切りをしっかり守って発行された今回のご本は、遅筆の私にはことさらにまぶしいのですが、
そのような歪んだ私観を抜きにしても、やはりすばらしい出来栄えです。

 ※編集者Eさん:家の光協会の図書編集部所属。コケの本をいくつも手掛け、社内で「コケ専属編集者」の異名も持つ。

 

 

今回の本書のメインテーマは「着生」。
自然の中にあるコケをよく見ると、土上以外にも岩の上に生育しているコケをよく見かけます。
他の植物に比べてからだが原始的で根っこが発達していないコケは、必要な養分は全身で吸収しながら生きているため、
(ちょっと乱暴な言い方ですが)逆に言えば、根っこから養分を摂取する必要がほとんどありません。
つまり、土の上に生きることに縛られることなく、栄養分がない岩の上にも「着生」して生きることができます。

これまでも苔園芸の世界では、接着剤や粘土質の土を使って岩にコケをはりつける着生方法はあったものの、
本書は何がすばらしいかって、コケ本来のポテンシャルを信じて、コケが人工的な環境の中でも自力で岩の上に生えるよう、
最小限かつ最適な手助けだけで、美しい苔テラリウムに仕上げてしまいましょうという、
まさにコケの生き方、特性を最優先に考えた苔テラリウム本なのです。

そして同時に「着生」を苔園芸界の立派な「技」としての高みへ導いた、おそらく世界初の指南書ともいえるでしょう。

 

 

着生のさせ方、着生させた後の育て方はもちろん、コケを着生させる基物は溶岩を基本にいろんな素材があること、
多種の着生ゴケをガラス容器の中にどのように配置したら美しく仕上がるか、着生ゴケならではのメンテナンスの仕方など、
今回も石河さんならではのテクニック、センスが惜しげもなく披露されています。
また、カサゴケやコウヤノマンネングサなど本来は腐葉土上を好むコケも
見事に岩の上に着生させて育てられているというのも興味深いところです。

 


▲シダを取り入れたり、石のレイアウトに一工夫加えれば、さらに広がる着生苔テラリウムの世界。
 他にもさまざまな作品イメージが紹介されています


さらに!石河さんといえば、知る人ぞ知るコケを食べる「苔食」の第一人者でもあります。
第1弾のご本に続き、今回もやっぱりありました。苔食のページが!

 


▲えぇっ!?衝撃的で思わず二度見してしまった、コケに見立てたコケ料理「苔テラリウム丼」。

 


▲真っ黒な溶岩はまさかの鶏肉。「竹炭パウダーを加えた黒い衣は不気味だが~」って。不気味です!(笑)


ちなみにこの料理の場合、コケの緑はブロッコリーやディルで再現されております。
現代人の私にはちょっと容易には真似できませんが(作ってくれたら絶対食べるけど!)、
いまよりさらに食文化が多様化した数十年先の未来には、
人々にとってこのご本が苔食の先駆的教科書としても活用されているはず!(たぶん)。


また、今回は料理レシピの後に「コケ愛好家」の紹介ページもあり、石河さんと親しくなるべくして親しくなったであろう、
ちょっと変わった(?!)苔友たちの活動も紹介されています。
そして僭越ながら私までご紹介いただきました(変わり者のつもりはないんだけど・・・)。

 


▲個人的には、台湾を旅した時にお世話になった苔友・ヤンさんとのツーショットを載せて頂けたのが嬉しかったです

 

とにかく、どこから切ってもパイオニア精神あふれた内容となっていることは間違いない一冊。
先日からすでに書店やAmazon等にも並んでいるとのことなので、コケに興味のある方はぜひ!

また、このコロナ禍、またはコロナ後に、私たちの生き方や価値観がどう変わっていくのかまだまだわかりませんが、
こういう時だからこそ新しいことにチャレンジしたい、今まで以上に植物や住空間と向き合って、
自分の人生に彩りを増やしたいと考えておられるような方にも、大いに役立つ本です。

いろんな方にぜひ手に取ってみてほしいなぁと思っています。

 

<魅せる苔テラリウムの作り方  部屋で育てる 小さな苔の森> (←クリックで出版社の紹介ページに飛びます)

▲著者:石河英作、発行:家の光協会 、発行日:2020年5月20日、定価(税込)1,650円


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●掲載誌情報

すでに発行済みですが、少し前に2冊の雑誌に文章を書かせていただきました。

 

 

ディアゴスティーニ・ジャパンの「日本の名峰」は以前も屋久島(宮之浦岳)がテーマの時に
コケの森の成り立ちについて書かせていただきましたが、今回は北八ヶ岳のコケの森についてです。

 


「J-B style」はクレジットカードのJCBの会員向け雑誌。
特集で「コケの楽園」として青森県の奥入瀬渓流、屋久島が取り上げられています。
私はコケの魅力、その他のコケスポットについて書かせていただきました。

 

お手に取るチャンスがありましたら、ぜひ読んでみてくださいませ。