「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

都知事選 許せない週刊誌の選挙妨害

2016-07-22 06:37:26 | 2012・1・1
昨日の新聞広告をみてビックリした。東京都知事選の投票日まで10日、選挙戦たけなわなのに、野党統一候補、鳥越俊太郎氏のスキャンダラスの記事が載っている。”女子大生との淫行”疑惑という刺激的な大見出しもさることながら、なぜ、この選挙のヤマ場のこの時期に、こんな記事を掲載するのかだ。誰が見ても選挙妨害である。

鳥越氏の弁護団は週刊誌を公選法違反で東京地検に告訴するようだが、これだけ大きく報道されては鳥越氏の受けた打撃も大きいと思うのだが、そうでもないらしい。記者団の質問にも答えなかったし、何より他の主要候補に比べて、都民への露出回数が少ない。新聞に出ている候補の一日の行動表を見ると、他の候補は朝から夕方までかけずり回っているのに、1日1地区だけだ。どうなっているのか。

週刊誌にかかれている内容が事実だかどうか知らないが、最近の話ではなく14年前のことのようである。それを今、選挙の真っ最中に暴露するというのは明らかに一つの意図が感じられる。舛添騒動も週刊誌のスッパぬきから始まったが、今回も何か一候補の”淫行”の話だけではない。他人の足の引っ張り合いである。

言論の自由、出版の自由すべて好い事ずくめの国だが、選挙妨害と知りながら、これを記事にし、平気で広告に掲載しても顧みない。そして、誹謗されても本気で怒らないような候補者、すべて馴れ合いなのかと思いたくなる。しかし、週刊誌のこのような報道姿勢は許せない。

大橋巨泉 永六輔世代の”戦争”トラウマ

2016-07-21 05:38:03 | 2012・1・1
テレビタレント、司会者として昭和の時代、一世を風靡した大橋巨泉が82歳で亡くなった。先日同じ世代のタレント、作詞家の永六輔が83歳で亡くなった訃報を聞いたばかりである。二人より若干、年上の僕だが、やはり複雑な気持ちである。昭和の時代は、確実に遠くへ去りつつある。

巨泉が司会した深夜番組「11.PM」は昭和43年から始まったが、僕が44年、新聞社から民放テレビ局に移って、まず驚いたのは新聞社とテレビ局とが同じマスコミとはいえ、まるっきり違うことだった。その象徴ともいうべきなのは、巨泉のパイロット万年筆のCM”ハッパ.フミフミ”で、びっくり、戸惑ったのを今でも覚えている。”新聞人”と”テレビ人”との違いである。日本のテレビ業界の創生期の人材は新聞社から提供されている。「11.PM」の初代司会者、山崎英佑氏も社は違うが、僕の大学の先輩であった。山崎氏の司会時代は、視聴率も上がらなかったが、巨泉に代って一躍話題になったのは、時代がテレビという新しいメディアにあったタレントを望んでいたからであろう。

永六輔は昭和8年生まれ、巨泉は9年だが、同じ昭和1ケタ生まれでも、1ケタ初期の僕らとは考え方が違う。政治についての関心が強く、晩年まで、安保関連法案について発信していた。二人とも戦争中は、学童疎開していた年世代で、直接戦争体験はない。それなのに、安保反対をいい続けたのは、恐らく戦後の占領下の教育の”戦争”トラウマなのかもしれない。自分より若い人の早逝の報は複雑である。





他人事ではないドイツ難民少年の犯罪

2016-07-20 05:56:37 | 2012・1・1
南ドイツのビュルツブルクで走行中の列車内でアフガン難民の少年(17)がいきなり持っていた手製の斧で乗客を切りつけ4人に重傷を負わせた上、射殺された。少年は2年前に単身アフガンからドイツにやってきて現在,難民申請中だったという。ドイツのメルケル政権はEU内では難民に対して最も寛容だとされているが、一方、難民にからむ犯罪が急増中で大きな国内問題化している。ドイツ連邦刑事局(RKA)の2016年度第1.4半期の統計によると、なんと6万8000件(未遂を含む)の犯罪が起きており(ロイター電)、言ってみれば、この事件は氷山の一角とも言えるのだ。

しかし他人事ではない。わが国でも表面化していないが、難民の犯罪が増加していている。それは難民入管法違反(不法滞在者)の急増だ。その大半は外国人技能実習制度で来日、実習先から無断で失踪した”実習生”である。法務省によると、2016年度までの10年間に2万5000人もおり、平成26年度1年だけで4800人もいる。つい最近東京の天王洲アイルの運河で発見されたスーツケース入り女性の遺体遺棄事件の被害者も容疑者も数年前、京都市の自動車部品工場から失踪した中国人実習生であった。

ドイツの場合は、難民救済保護について歴史があり、法も整備されているが、わが国はまったくないに等しい。2万8000人もの不法滞在者がいても、あまり問題にはされない。さいわい治安が良いからだが、熊谷のペルー人による連続殺人事件のようなケースもある。これだけ問題になっている「技能実習制度」である。抜本的な制度の改善が緊急に必要である。

選挙公報は期日前投票前に 候補は服装でなく政策を

2016-07-19 05:06:33 | 2012・1・1
東京都知事選の投票券が配られてきた。15日から期日前投票が出来るそうだが、有権者が投票の際の基本的な判断材料となる「選挙公報」が、まだわが家には届いてこない。果たして、法で定められている投票2日前までに届くのだろうか。町の候補者掲示板にも空欄が多い。今回は有力候補が選挙告示直前に立候補の意思を表明したその影響だろうか。

日曜日朝のフジテレビ系の番組「新報道2001」を見ていたら出演者の一人の猪瀬直樹元都知事が都知事選挙活動に触れ”街頭演説は限られた群衆だけだ。候補者は視聴者の多い、こういった地上テレビの番組に出て欲しい”と発言していた。僕もまったく、その通りだと拝聴したが、この発言には裏があり、局側は放送に当たり、小池百合子、増田寛也、鳥越俊太郎三有力候補に出演依頼したが、鳥越候補が断ってきたため中止となったのだという。

鳥越候補がなぜ出演を断ったのか。まさか”行き付け”のTV局でなかったからではないだろう。公的な立ち合い演説会が1983年の選挙法の改正で廃止になって以来、有権者は一同で候補者の話を聴く機会が少なくなっただけに、鳥越氏の不参加は残念である。

有権者が一票を投じる判断材料に苦慮しているのに、一方では例によって例の如しのマスコミの事前予想が始まった。何を基準にして予想しているのか判らない。候補も候補で有権者に媚びるような服装をして街中を練り歩くだけ。あれだけ大騒ぎして、悪評の知事を追い出し、大金を使って再選挙しているのだ。候補者は推薦政党や組織のためではなく、都民のための政策を訴えるべきだ。

年寄りには解からない認知症の”D(ディリ)カフェ”

2016-07-18 05:32:53 | 2012・1・1
僕の住む東京の区の公報誌(区報)に区内の”D(ディリ}カフェ”と”コミュニテイ.カフェ”を紹介していた。”Dカフェ”とは”認知症の方を支える交流の場で、”コミュニケーション.カフェ”は認知症方だけでなく、広く老人介護の問題を抱える人たちが誰でもが気軽に立ち寄りお茶とお菓子で楽しく交流する場とあった。

老人福祉介護の問題、とくに認知症の問題が深刻化していることは85歳の僕でも承知しており、その解決策の一つとして”Dカフェ”や”コミュニテイ.カフェ”の紹介には大賛成である。しかし、肝心の高齢者のどれだけが”カフェ”について知っているだろうか。残念ながら、僕も言葉は聞いたことはあるが、出かけたことはない。

”カフェ”とは今様の喫茶店を指すようだが、戦前昭和の時代を多少知っている僕らには風俗喫茶を想い出す。永井荷風の小説に出てくる女給さんが、きわどいサービスをした”カフェ”である。僕が育った五反田の中通り街もネオン輝くカフェ街で、戦争中はここに出入りする学生は警察に逮捕された。

若い世代が新語、流行語を使いたい気持ちは、マスコミ経験者として理解できる。しかし、役所の広報誌はどんなものだろうか。”D(デイリ)カフェ”としているが、デイリは何の意味なのか。多分デイサービス”から来ているのだろうが判らない。戦争中、英語は敵性語として学ばなかった老人たちである。出来るだけ横文字は避けて貰いたいものだ。カフェは何もカフェと気取っていわず、喫茶で十分である。介護は老人の視点でも見てほしいものだ。

季節感もなく行事もすたれてきた東京のお盆

2016-07-17 05:51:22 | 2012・1・1
昭和10年代の遠い記憶の中に孟蘭盆(お盆)の行事がある。東京の区部ではお盆は7月11日から16日頃までで、昔はほとんど、どこの家でもお盆の入りには、ご先祖の精霊しょうろう)を迎え入れるため、オカラ(麻殻)を焚き、ナスとキュウリで精霊馬(牛)をつくって玄関前に置き、盆提灯を仏壇にともしたものだ。昨夕はその送り火の日だったが、わが家からは、いっさい行事はなくなってしまった。形式的に先日、老妻が娘とともに菩提寺へ墓参に出かけたにすぎない。

わが家からお盆の風習が消えたのは、40年ほど前転勤で札幌の移住してからだ。北海道では函館、釧路など一部では7月のお盆もあるそうだが、札幌は”月遅れ”の8月に行われていた。その違和感からか、わが家からお盆の行事はいっさいなくなってしまった。ただ、7月のお盆には東京の菩提寺へ「お布施」として送金していた。

わが家だけではない。昨夕買い物を兼ねて近所を散歩をした老妻の話では、門前で送り日を焚いていた家は一軒もなかった。昔、わが家の近くが農村地帯であった頃は、精霊馬(牛)などは、近くの小川に流したようだが、その”精霊流し”の習慣も、今は小川が暗渠になり出来なくなった。

もともと7月のお盆は明治6年、新暦に切り替わる際、行事もそのまま7月に残したため季節感が伴わない。それに列島改造によって東京の人口構成も変わり、8月のお盆に併せて、故郷に帰る東京人が多くなってきたので、ますます7月のお盆は意味のないものになってきた。町内会のかっては新暦にあわせて7月に行われていた盆踊りも8月に代ってきた。

自爆テロは"kamikaze Attack"ではない 抗議すべきだ

2016-07-16 06:06:50 | 2012・1・1
フランスの革命記念日の7月14日、南部の観光都市、ニースで、また自爆テロが起こり、花火見物の観衆の中にトラックが飛び込み84人が死亡、100人以上が負傷した。フランスでは昨年11月、パリの同時多発で130人が死亡、まだ全土に非常事態宣言が布かれているさ中の痛ましい事件である。

欧米のメディアは自爆テロのことをKamikazeと呼んでいるようだ。たまたま15日深夜のNHKラジオのワールドニュースを聞いていたら、フィレンツエ(イタリア)からの報告のなかで、そのことにふれていた。自爆テロを”Kamikaze Attack"と欧米のメディアが呼び出したのは2001年9月11日の米国の同時多発テロ以来である。”Kamikaze"とは第二次大戦末期、日本海軍の「神風特別攻撃隊」のゼロ戦が敵の艦艇に体当たり攻撃したことを指している。この神風特攻隊の攻撃でで3868名の若い尊い生命が失われている。

自爆テロを神風特攻隊に擬えるのは英霊に対する冒涜である。先のバングラディシュの人質テロ殺害事件がなぜKamikaze Attack"なのか。政府は、この種の誤った呼称に鈍感すぎる気がする。例えば「従軍慰安婦」とか「性奴隷」とかいった言葉だ。まったくなかった言葉に抗議もせず放置していたために完全に独り歩きをし始めてしまった。

昭和の時代には、"ソープ.ランド”の事を”トルコ風呂”と呼んでいたが、当時”日本に留学していたトルコ人地震学者の抗議で渡部浩三厚労大臣時代、小池百合子氏の尽力で”トルコ”の名前を廃したのは有名な話だが、都知事候補の約束としてKamikazeの誤使用について抗議してもらいた。

天皇陛下の「生前退位」報道の意図するもの

2016-07-15 05:39:39 | 2012・1・1
天皇陛下の「生前退位」の報道が突如出てきた。宮内庁は公式には否定しているが、各紙の報道によれば、陛下の「生前退位」へのご意向は強いようで、これを受けて政府は皇室典範の改定に乗り出したという。天皇陛下は82歳、皇后陛下も81歳というご高齢であり、しかも天皇陛下は、前立腺ガンの手術を受け、心臓バイパス手術までされている。

両陛下は「生前退位」のご意向として”日本国と日本国統合の象徴”(憲法前文)としての公務や皇室祭祀がしっかりと実施するのが難しくなってきたことをあげている。戦中戦前、わが国には不敬罪という法律があり、僕が新聞社に入社した昭和20年代後半でも、多少冗談混じりだったが、皇室関係の扱いは注意しろと先輩記者から強く言われたものだ。その意味では、こういった記事を書くことさえ昔はできなかったが。

「生前退位」が突如流れたタイミングである。天皇陛下は、先日死去した永六輔さんと同学年で、戦時中学童疎開され、戦後は食糧難を体験された。推測だが、天皇陛下は永六輔さんの死去に日頃、感じられてい事を改めて”関係者”にもらされたのかもしれない。各紙とも「生前退位」の報のニュースソースを明らかにしていないが、この”関係者”が参院選挙後の憲法改正機運に結びつけてマスコミを利用したのかもしれない。

現行の皇室典範には「生前退位」の規定はなく改正が必要で、その改正には憲法の解釈論議も必要になるかもしれない。よって国民の関心はどうしても憲法改定に向いてくる。思いすぎかもしれないが、国民の大半は、両陛下の「生前退位」に同情的であり、自然と憲法改定に目が向いてくる。ちなみに、僕は憲法改定に賛成派であるが。

都知事選に当たっての自民党都議連の「党紀保守」通達は憲法違反

2016-07-14 10:31:48 | 2012・1・1
都知事選挙前に、東京都議連が所属国会議員と地方議員関係者に配布した「党紀保守」につぃての全文が、小ブログ「小池百合子氏の”度胸”としがらみのない都政」(7月7日更新)に対するコメントという形で、lordyupa さんから投稿頂いた。lordyupaさんは、コメンンと中で「党紀保守」文書が議員の親族にまで強制するのは憲法違反ではないかと指摘している。僕もまったく同感である。自民党は支部とはいえ、こんな文書発送すべきではない。小池氏は自民党員であり、除名されたわけではない。

お二人を同時推薦して判断は有権者(都民)に任せてもよかったのでは。野党の候補者は高齢で病人である。都知事として何をやるのか具体的な抱負も政策もない。自民党内部での足の引っ張りあいで、共倒れになる心配はない。

自民党都議連の”翼賛”選挙

2016-07-14 06:08:18 | 2012・1・1
自民党東京都連が都知事戦を前に所属する国会議員や地方議員に対して”党紀の保持について”という文書を配布し、党の推薦していない候補者(小池百合子氏)を応援した場合は、除名などの処分の対象にすると通達したという。僕はこの新聞を読んで、まさかかと耳を疑った。大げさに言うなら、かってのソ連のスターリン時代と同じ手法である。

自民党都議蓮は、会長代行の小池百合子氏が議連に諮らずに知事に出馬したのは規律違反だとしているが、小池氏は改めて規律に従って立候補届を出している。小池氏は会長の石原伸晃氏とも話し合いをしている。にも拘らず、かたくなに都議蓮が小池氏を推薦しないのは、なにか。小池氏の言うように、都議蓮内に個人的に小池氏に反対する”一握りのボス”が存在すると思われても仕方がない。

戦前から80年も東京に住んでいる都民の一人だが、はっきりいって都会議員は何をしているのか判らない。怒られるかもしれないが地元の区議を何年かやった後、都議に”出世”した方が多く、全部とはいわないが、小池氏の言うようにボスがいるのも事実のようである。ボスの中には大臣までやった都議OBまでいて、顧問の名で依然口を出している。小池氏が都議蓮を指して”ブラックボックス”と呼ぶはのは理解できる。

わが区選出の都議は、小池氏が学んだ関西の大学の後輩で、都議選出の際、小池氏の推薦を受けている。当然、今回の知事選では小池氏を応援するのが人の道だが、都議蓮の通達では、除名処分になるので、ご本人はどうするかだ。戦時下、東條内閣下で行われた選挙では大政翼賛会の烙印を貰わないと当選できない仕組みであった。何か今回の都議蓮の通達はそれを思わせるものがある。