海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

F18墜落

2008-12-10 06:54:53 | 米軍・自衛隊・基地問題
 昨日9日付県内紙の夕刊一面トップは、米西部カリフォルニア州サンディエゴ市近郊の住宅街に米軍のF18戦闘機が墜落し、子どもを含む住民3人が死亡、1人が行方不明になっているという記事だった。操縦士はパラシュートで脱出し無事だったという。記事を読んで、石川市の宮森小学校への米軍ジェット機墜落事故や04年8月の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故、去った10月24日に起こった名護市真喜屋の米軍関係セスナ機の墜落事故などが次々と頭をよぎった。
 琉球新報同夕刊によれば〈米カリフォルニア州サンディエゴ市の民間地に墜落したF18戦闘攻撃機の同型機は、米空軍嘉手納基地や米軍普天間飛行場にもたびたび飛来している。一日から五日まで、嘉手納基地で実施された合同即応訓練には、米海兵隊岩国基地(山口県)所属機も参加し、現在も沖縄に残り訓練を続けている。嘉手納基地では九日午前も、F18が爆弾を装着して離陸するのが確認されている〉〈沖縄には、岩国基地所属の海兵隊所属機のほか、空母艦載機の米海兵隊所属のF18も頻繁に飛来し、普天間飛行場も利用している。本島周辺の訓練場で実弾訓練も実施している〉という。
 ニュース23の報道によれば、両方のエンジンが働かなくなった、と墜落機の飛行士は話していたという。琉球新報の記事では、この十一月に米本国の機体で主翼の補助翼に亀裂が見つかり、全機点検が行われ、〈全世界で十機が飛行停止、二十機が飛行制限〉になっていたという。そういう欠陥だらけの戦闘機が、岩国や沖縄の上空を飛んでいるわけだ。
 米軍機や自衛隊機の事故を批判すると、民間機だって事故を起こすではないか、という人が必ず出る。しかし、軍用機と民間機の事故は根本的に性格が違う。民間機は最大限安全性を優先して飛行するが、軍用機は安全性を優先していては訓練にならない。急降下や急上昇、急旋回、タッチアンドゴーなど危険を冒してでも訓練しなければ実戦に役立たないだろう。機体の損耗度だって民間機の比ではないはずだ。
 沖縄ではこれまで何度もF15戦闘機の墜落事故が起こっている。F18戦闘機の事故だっていつ起こってもおかしくない。サンディエゴ市の事故は他人事ではない。嘉手納基地周辺の住民は日々爆音被害を受けているのだが、いつ墜落事故の被害を受けるかという不安の中での生活を強いられてもいる。沖縄人の命を日々脅かしているのは、北朝鮮でもなければ中国でもなく、米軍なのだ。

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