『SAPIO』09年7月22日号掲載の「ゴーマニズム宣言」で小林よしのりが、6月22日に放映されたNHKの番組「〃集団自決〃戦後64年の告白~沖縄 渡嘉敷島~」について描いている。『SAPIO』7月8日号以上に酷い内容で、番組に出た金城重栄・重明兄弟に対して、小林は自らが聞いたという伊江島の「集団自決」の話と強引に結びつけて次のように描いている。
〈NHKに出た金城兄弟も、
「軍命」や「戦陣 . . . 本文を読む
那覇市の桜坂劇場でちょうど今、映画『カメジロー 沖縄の青春』を上映している。明日7月17日(金)までとのことだ。スクリーンで見られる機会は少ないと思うので、まだ見ていない人におすすめする。ただ、上映時間が平日の昼間というのは、勤め人には厳しいが。
『SAPIO』09年7月8日号に載った小林よしのり「ゴーマニズム宣言」について、もう少し書きたい。
小林はこの間、慶良間諸島の「集団自決」をめぐ . . . 本文を読む
小林よしのりが『SAPIO』09年7月8日号の「ゴーマニズム宣言」でとりあげている古木杜恵〈「敵」を捏造する言説、差別を流通させるメディア〉は、『世界』09年6月号に掲載されていて、次の六つの章から成り立っている。
①「マンガ右翼」の論理破綻
②版元の見識と常識は問われないのか
③小林的言説を看過するメディア
④右派勢力の「敵」としての沖縄
⑤「全体主義の島」という印象操作
⑥ウソも一〇〇回つけ . . . 本文を読む
『SAPIO』09年7月8日号の「ゴーマニズム宣言」で小林よしのりは、沖縄は〈サヨク〉の〈全体主義の島〉というデマキャンペーンの材料として、もう一人お仲間の例を挙げている。
〈沖縄大学の宮城能彦教授は
わしの『沖縄論』の案内役を
務めたために、
それまでかかわってきた
調査研究プロジェクトに
いられなくなってしまった。〉
〈「沖縄タイムス」「琉球新報」の
二紙が作り出す論調に
. . . 本文を読む
小学館発行の『SAPIO』09年7月8日号に載っている「ゴーマニズム宣言」で、小林よしのりが〈「世界」に暗躍する全体主義者〉という漫画を書いている。何ともおどろおどろしい題名だが、岩波書店発行の『世界』6月号に掲載された古木杜恵(ノンフィクションライター)の〈「敵」を捏造する言説、差別を流通させるメディア〉に反論したものだ。例によって沖縄は〈サヨク〉の〈全体主義の島〉であるというおバカな主張をや . . . 本文を読む
小学館発行の雑誌『SAPIO』6月24日号掲載の「ゴーマニズム宣言」に、私が指摘した小林の盗作問題への言及があることを、少し前に本ブログのコメント欄で教えてもらった。沖縄は雑誌の販売が一週間ほど遅れるので、昨日やっと購入して確認することができた。欄外の短い文章だが、小林よしのりはこう書いている。
〈目取真俊が『沖縄論』の「亀次郎の戦い」が盗作だと因縁つけているらしいが、あの章は瀬長や瀬長の妻 . . . 本文を読む
『解放』09年4月号に掲載されたエッセーを下記に引用して紹介したい。掲載時には「ゴーマニストに告ぐ まやかしだらけの右翼扇動家」という題名が編集部によって付けられていました。
同誌の09年2~4月号の「水平線」欄では、連続して小林よしのり批判のエッセーが掲載され、2月号に上村英明氏、3月号に大田昌秀氏が原稿を寄せていた。それに続いて4月号に私が書いたエッセーである。
小林よしのりの卑 . . . 本文を読む
『創』09年3月号掲載の佐藤優氏の連載「ナショナリズムという病理」第26回は、「大城立裕氏に学ぶ」と題して小説「二世」についての読解がなされている。『小説新潮』09年2月号に載った佐藤氏の「カクテル・パーティー」の読解も読んだのだが、二つとも長々と引用がなされている割には(その故か)佐藤氏の分析は少なく、インテルジェンスの専門家が関心を持ちそうな作品であることは分かるが、文学作品の読解としては物 . . . 本文を読む
「引用と二重基準に問題」という沖縄タイムスに発表した文章を『沖縄・地を読む 時を見る』に収録する際、追記を付け加えたので以下に紹介したい。単行本では『沖縄の青春 米軍と瀬長亀次郎』の引用部分と比較できるように『新ゴーマニズム宣言SPECIAL沖縄論』の337~338ページを途中に引用してある。関心のある人は実際に小林の漫画と『沖縄の青春』からの引用とを比べてみてほしい。
[追記]
小林よし . . . 本文を読む
小林よしのりといえば以前、『新ゴーマニズム宣言SPECIAL沖縄論』の第19章「亀次郎の戦い」について盗作問題を指摘したことがある。同書の第1~18章は『SAPIO』連載時に読んでいたのだが、新しく加えられた「亀次郎の戦い」を読みながら違和感を覚えた。共産党幹部だった瀬長亀次郎を小林が絶賛すること自体胡散臭いものだが、「左」の側にも読者を拡大しようという営業戦略として理解はできる。実際、共産党機 . . . 本文を読む
雑誌『SAPIO』08年11月26日号の「ゴーマニズム宣言」第36章で小林よしのり氏が、日本青年会議所沖縄地区主催の講演会のことを書いている。その中で〈わしの講演と同時刻に「言論封殺魔」の講演があるらしい〉〈以前、先生がやった時も、目取真俊という左翼が同時刻にぶつけてきたよね〉と書いていて、笑ってしまった。
沖縄は基地、環境、教育、歴史、経済、文化等々、いろいろと問題や話題の多い島のせいか、土 . . . 本文を読む
本書の第4章を読んでいると、小林や宮城、高里、砥板、匿名の卑怯者Aの五名は、〈セカンドレイプのひと言で言論封殺〉する沖縄の社会状況の中で、自分たちはタブーを破る勇気ある発言をやっているとでも思っているようだ。だが、実際にこの五人がやっているのは何か。被害者が決して声をあげることができない弱い立場に置かれているのを承知のうえで、被害者の落ち度をあげつらい、沖縄社会の問題を強調することによって、加害 . . . 本文を読む
今年の2月に沖縄で中学生の少女が米兵に連れ回され、性暴力をふるわれる事件があった。少女が携帯電話で友人に助けを求め、家族や警察が少女を捜し出して保護した。その後、米海兵隊員の二等軍曹が逮捕されたのだが、被害者と逮捕された米兵の供述には食い違いがあった。暴行(強姦)されたと被害者が訴えたのに対して、米兵はそれを否定した。しかし、少なくとも、米兵が声をかけて少女をバイクに乗せ、家に連れ込んで暴行しよ . . . 本文を読む
本書には昨年行われた9・29県民大会のことが、ほんの少しだけ出てくる。本書で議論されている内容からして、もっと論じられてもよさそうだが、参加者は2万人だった、といういつものデマで小林がケチツケしている程度だ。ただ、一点集中的に取り上げられているのが、県民大会での二人の高校生の発言である。
沖大教授の宮城能彦は、「あとがき」でこの高校生の発言を取り上げ、自分の日記に書いたという〈稚拙な詩〉を載せ . . . 本文を読む
この本では、自分たちが相手にされないことへの鬱憤晴らしからか、沖縄のマスコミに対してヒステリックな罵倒が浴びせられている。また沖縄で何か悪いことがあるのはすべて左翼のせいと、実体不明の左翼なるものにも罵倒が浴びせられている。しかし、個人を特定しての批判は少ない。その少ない中で目立つのが、自分たちよりも非力であることが明白な若手や若者への執拗なまでの批判である。
例えば、琉球新報で私が連載してい . . . 本文を読む