海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

不平等な日米地位協定を許さない抗議集会

2011-06-26 21:35:46 | 米軍・自衛隊・基地問題


 6月25日午後2時から北中城村中央公民館で開かれた「不平等な日米地位協定を許さない抗議集会」(與儀功貴君の遺族を支える会主催)に参加した。地域住民や与儀君の友人など270人(受付名簿記入者)の参加があった。
 今年1月、与儀君は成人式に参加するために帰省中、米軍属との交通事故で亡くなった。事故は米軍属が対向車線に突っ込んできたことが原因であり、米軍属の過失は明らかであった。しかし、職場からの帰宅途中をもって「公務中」とされ、裁判権は日本側にないとして、那覇地検は不起訴処分とした。人ひとりの命が失われたにもかかわらず、米軍属は刑事事件に問われることもなく、米軍は5年間の免許停止という軽い処分ですませている。
 日本国内で起こった交通事故であるにもかかわらず、「公務中」であるとの理由で加害者の米軍属を日本の裁判所は裁くことができない。米兵や米軍属を守るために沖縄県民は犠牲を強いられる、という日米地位協定の不平等さに、与儀君の母親や友人たちが怒りの声を上げるのは当然のことだ。
 1995年9月の少女暴行事件をはじめ、日米地協定の問題が露わになるたびに、沖縄から地位協定の全面改定を求める声がくり返し上がった。しかし、日本政府は「運用改善」という小手先のごまかしを続けてきた。自公政権から民主党中心の政権に替わっても、普天間基地の「移設」問題と同じように、アメリカに従属して沖縄県民の犠牲を省みない日本政府の姿勢は変わらない。
 25日の抗議集会では、与儀君の母親は体調不良のためメッセージを寄せたが、弁護士、与儀君の友人、北中城村長、県議会議長、県選出国会議員の発言が続いた。与儀君の友人として「支える会」の共同代表になっている山城翔士さんの発言を以下に紹介したい。真情がまっすぐに伝わってくる発言だった。テープおこしで聞き取れなかったところは(一部不明)としてあります。

 みなさん、こんにちは。僕は與儀功貴君の友人の新垣翔士といいます。高校の同級生です。今年の1月、成人式のため帰省した功貴君と再会する約束をしていましたが、事故に遭い、再会することができませんでした。
 あんな事故さえなかったら、功貴といっしょに仕事の話とか、将来の夢を語り合ったと思います。突然、この世に存在しなくなった功貴。いまだに信じられません。功貴のお母さんも、功貴の死が受け入れられず、いま、とても苦しんでいます。ぼくらも同じ気持ちです。
 ぼくらは、まだ二十歳になったばっかりで、もちろん、成人式も迎えたので、もう大人の仲間入りですが、でも、まだまだ自分の夢を追い求めている途中です。功貴も同じです。そういう意味で、やさしい功貴が、お母さんのことを大事に思いながら、一生懸命仕事にもがんばり、これからもっともっと楽しい人生を迎えるはずだった。あんな事故さえなかったら。
 皆さんは日米地位協定という協定を知っていますか。ぼくは功貴君が遭遇した悲惨な事故によって、初めて知りました。まさかこの協定によって、加害者の米軍属の男が不起訴になって、罪を償わずに普通の生活をして、守られている。そんな不条理なことが許されました。まったく信じられない気持です。
 功貴君は殺されたんですよ。みなさん、ぼくは悔しいです。悲しいです。ぼくらは日本政府からも、アメリカからも、なめられている。二度と帰ってこない功貴君の死は、いったい許されるのでしょうか。だれにこの悔しさをぶつければ、いったい、ぼくらは、この沖縄は変わるのか、教えてほしいです。
 過去にも(一部不明)ような事件・事故が起こっていますが、祖父母の時代、親の時代から何一つ変わっていないと、大人はよく言います。ぼくらの時代まで、こんな負の遺産を渡すんですか。功貴の死を無駄にしないでください。これ以上の犠牲が出るのは、絶対に許しません。功貴君のお母さんも、こんな悲しい思いは私で最後にしてほしい、と泣いていました。ぼくも功貴君の死を絶対に忘れません。これ以上、友達を亡くしたくありません。
 日本政府はぼくらを守ってほしい。命の平等を、人権の平等を実現してください。不平等な日米地位協定のもとで苦しめられている、たくさんの人々がいることを知ってください。日米地位協定が改正される日まで、ぼくらも頑張ります。皆さんのご協力をよろしくお願いします。



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1 コメント

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不平等条約 (ゲンシケン)
2011-06-27 17:33:56
 終戦直後から米兵、軍属の事件は後を絶たず。憤りはこの21世紀の若者も背負うことになり、言葉が見つからない。
 日本は、ある国営放送でさえドキュメンタリー(広島における原爆の人体への影響調査 公表されなかった東大医学研究者たちの米国への報告書)を組むほど米国への諂いをずっと行ってきている。その姿勢は今も変わらないようだ。
 国という権力者たちは利を得るために民を踏みにじるようだ。
 沖縄は、米国の国際戦略の犠牲になっている。そして日本国は、米国追従の占領国ではないのか。

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