海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

忘れずにいたいこと

2010-07-29 18:50:00 | 米軍・自衛隊・基地問題
 10年前に行われた九州・沖縄サミット当時に書いた文章を資料として7本載せた。最初の〈「沖縄サミット」に思う〉はサミット主会場が沖縄に決定した1ヶ月後に書いたものだ。当時、サミット誘致に成功したと沖縄中が沸き立っていた。その背景に普天間基地の辺野古「移設」を進めるという狙いがあり、前年11月に誕生したばかりの稲嶺保守県政を支援するために政府が行った「格段の配慮」であることは、辺野古「移設」に反対し . . . 本文を読む
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資料:沖縄サミットの問題点

2010-07-27 15:55:41 | 米軍・自衛隊・基地問題
 以下の文章は2000年8月2日付沖縄タイムスに掲載されたものです。 〈沖縄サミットの問題点〉  沖縄サミットも終わった。その成否や意義、問題点をめぐって多様な論議が行われることが望ましいが、私の考えた問題点を四点挙げておきたい。  一つは、九州・沖縄サミットに要した八百十五億円という額の巨大さである。これがどれだけ異常な数字であるかは、一昨年のバーミンガム・サミットの費用が約十一億円。昨年の . . . 本文を読む

資料:幻想に終わった沖縄サミット

2010-07-26 15:45:02 | 米軍・自衛隊・基地問題
 以下の文章は2000年7月25日付朝日新聞に掲載されたものです(一部訂正してあります)。 〈幻想に終わった沖縄サミット〉    23日の午後、サミットが終わると同時に土砂降りの雨が名護市を襲い、雷鳴が響いた。まるで抑えつけられていた鬱憤が噴き出したような雨だった……、と書けば、三流小説の典型のような文章だが、サミットなんてしょせんその程度の比喩がふさわしい「幻想物語」でしかなかったのではないか . . . 本文を読む

資料:サミット直前の沖縄

2010-07-26 14:40:24 | 米軍・自衛隊・基地問題
 以下の文章は2000年7月19日付南日本新聞に掲載されたものです。 〈サミット直前の沖縄〉    サミット直前の沖縄はいま、異様な雰囲気に包まれている。サミット歓迎のための芸能公演やイベントが行われ、マスコミや自治体が盛り上げに躍起になる一方で、米軍による女子中学生へのわいせつ事件やひき逃げ事件があいつぎ、七千人規模の抗議集会がもたれた。  そしてサミット主会場の名護市のブセナ岬やホテルが並ぶ . . . 本文を読む

資料:サミット沖縄開催の意味

2010-07-25 18:06:11 | 米軍・自衛隊・基地問題
 以下の文章は2000年7月4日付沖縄タイムスに掲載されたものです。 〈サミット沖縄開催の意味〉  サミットまで残すところ三週間を切った。選挙も終わり、これからサミット狂想曲が大々的に吹き鳴らされるであろう。すでに市民生活に影響を及ぼしている警察の警備も、一段と厳しさを増していく。下手をすれば騒然とした雰囲気のなかで、私たちはサミットに振り回されかねない。そういう意味で、今あらためて、沖縄でサ . . . 本文を読む

資料:沖縄メディアの試金石

2010-07-25 16:52:12 | 米軍・自衛隊・基地問題
 以下の文章は2000年3月4日付琉球新報に掲載されたものです。 〈沖縄メディアの試金石〉  「九州・沖縄サミット」まで四ヶ月余りとなり、県内各メディアの報道もサミット関連の比重が日に日に増している。ただ、その中身を見るとき、あたかも政府や県の広報班とでも化したかのようで、ジャーナリズム本来の役割である問題の掘り下げと検証はどうなっているのだろうか、と疑問を覚えずにはおれない。  たとえば、二 . . . 本文を読む

資料:沖縄サミットと普天間基地移設

2010-07-24 19:30:57 | 米軍・自衛隊・基地問題
 以下の文章は2000年1月4日付朝日新聞に掲載されたものです。10年前に開催された九州・沖縄サミットが持っていた意味を考えるために資料として載せます。 〈沖縄サミットと普天間基地移設〉  西暦二〇〇〇年年を迎え、沖縄では今、九州沖縄サミットの主会場建設が急ピッチで行われている。会場となる名護市でも、歓迎ムード一色で盛り上がっている、と普通ならなるのだろう。しかし、そういう雰囲気とは程遠い。普 . . . 本文を読む

資料 「沖縄サミット」に思う

2010-07-24 17:50:54 | 米軍・自衛隊・基地問題
 2000年の7月21日から23日にかけて、名護市の万国津梁館を中心に九州・沖縄サミットが開催された。ちょうど10年前のことだ。その年の3月に宮古から名護に転勤して来たのだが、当時住んでいた宿舎からは、名護湾をはさんで部瀬名崎の万国津梁館がよく見えた。名護湾にはサミット開催前から警備艇が常駐し、会場周辺の海岸は立ち入り禁止となった。名護市内ではサミットに反対する団体のデモや集会が開かれ、厳戒態勢が . . . 本文を読む

紹介:ハンセン病パネル展と1フィート上映会

2010-07-23 23:48:38 | 差別問題
 名護市立図書館に行ったら、ハンセン病について理解を深める写真展をやっていた。7月23日(金)から30日(金)まで1階の展示コーナーでやっている。夏休みなので家族連れで図書館に訪れる人も多いと思う。ぜひ1階まで降りて見てほしい。  沖縄愛楽園では下記の日程で「沖縄戦を伝える1フィートフィルム上映会」が行われる。こちらにもぜひ足を運んでほしい。 ☆沖縄戦を伝える1フィートフィルム上映会 . . . 本文を読む

沖縄県知事選挙への官房機密費流用問題

2010-07-22 18:17:41 | 米軍・自衛隊・基地問題
 7月21日に放映されたTBSのNスタとNEWS23クロスで、鈴木宗男議員が官房機密費の流用問題について重要な証言を行っていた。小渕内閣当時に官房副長官を務めていた頃に知った事実として、自民党の総理経験者に年間2000万円が渡されていたことや、1998年に行われた沖縄県知事選挙で、自民党が推した稲嶺恵一氏の陣営に3億円が渡されたことを明らかにしていた。 http://www.dailymotio . . . 本文を読む
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先島諸島への陸自配備に反対する。

2010-07-20 23:55:28 | 米軍・自衛隊・基地問題
 7月20日付琉球新報1面に〈宮古、石垣に陸自配備/「国境警備」数百人/防衛省検討 与那国は沿岸監視100人〉という見出しの記事が載っている。 〈沖縄県の先島諸島周辺での中国海軍の活発な活動などを踏まえ、防衛省が宮古島や石垣島に陸上自衛隊の国境警備部隊(数百人)を、与那国島に沿岸監視部隊(約100人)を、5~8年後をめどに段階的に配備する方向で検討していることが、19日、複数の同省幹部の話で分か . . . 本文を読む

在沖海兵隊不要論

2010-07-16 23:56:15 | 米軍・自衛隊・基地問題
 7月16日付琉球新報の1面トップに〈在沖海兵隊 広がる不要論 下院の重鎮「冷戦の遺物」〉という見出しの記事が載っている。 〈在沖海兵隊の不要論が最近、米国内で急速にわき上がっている。米民主党の重鎮で、政府に影響力を持つバーニー・フランク下院歳出委員長が「米国が世界の警察だという見解は冷戦の遺物であり、時代遅れだ。沖縄に海兵隊がいる必要はない」と公に訴えたことがきっかけだ。同氏らの意見が反響を呼 . . . 本文を読む

参議院選挙…本音は?

2010-07-08 17:06:50 | 米軍・自衛隊・基地問題
 参議院選挙も11日の投票まで三日となった。選挙の宣伝車は大票田の那覇や中南部を中心に回っていて、ヤンバルはほとんど通らないのでいたって静かで、電柱に貼られている政党や候補者のポスターを除けば、名護の街でさえ選挙らしい雰囲気は乏しい。普天間基地問題が選挙の焦点から消されていることや、政権交代後の民主党の変貌ぶりに政治への期待や政治家の発言への信頼が失われたことも影響しているのだろう、7月6日付琉球 . . . 本文を読む

サイパン・テニアンの追悼式の記事

2010-07-06 20:52:48 | 沖縄戦/アジア・太平洋戦争
 今朝(7月6日)の琉球新報に、サイパン島の「おきなわの塔」前で5日に開かれた「第41回南洋群島県出身戦没者と開拓殉難者の追悼式」の様子が報じられている。今年は沖縄から約60人が参加し、現地の人々と合わせて約120人が参列したとのこと。昨年の追悼式に参加したときのことを思い出しながら記事を読んだ。今日6日にはテニアン島で追悼式が行われている。  66年前の7月6日は、サイパン島守備隊の最高指揮官で . . . 本文を読む

ヤンバルの花、森、歴史

2010-07-04 00:08:37 | 沖縄戦/アジア・太平洋戦争
 ヤンバルの野山は野ボタンの花も終わりに近づいた。写真の花は慰霊の日にナングスクで撮ったもの。 6月23日の沖縄戦慰霊の日は、牛島満第32軍司令官が自決し、組織的戦闘が終わった日とされている。ヤンバルでは宇土部隊が敗走したあとも、第3遊撃隊、第4遊撃隊が秘密遊撃戦や情報収集活動などを行っていた。 和魂の碑の傍らにはハイビスカスが咲いていた。 宇土部隊や中南部の戦場から脱出してきた兵隊たちが敗残兵と . . . 本文を読む