奈落と云う漢字を見ると、一般の方は舞台や花道の床下を想像するかと思いますが、仏教用語では地獄あるいは地獄に落ちる意味があるそうです。明るくない前振りで申し訳ございません。
今回の題材は、いちごナンプレ研究所 さんが、ご自身のブログで いちごナンプレ として公開された作品で、次の図です。
このヒント数字配置を見ると、相棒ナンプレでもあります。
私はこの作品を「奈落」と名付けました。解き手順としての「ありじごく」初公開だからです。
候補数字を入力すると、この図になります。確定する数字が有りませんのでこの図が解き始め図です。
この作品は、相棒で いちごナンプレ ですので、専用の法則を使うと簡単に解けます。
いちごナンプレの「性格の不一致の別居」を使用すると、▢の1は3と同居しないし8は9と同居しないので、6が確定します。
相棒ナンプレの「中心マスは5が確定」を使用すると、第5列の2・5・8が確定し、第5行の2・5・8も確定します。
専用手順を使用しないで通常問題として解きます。
▢と▢に4の4個型強リンク有ります。
「ありじごく」で、▢の4が削除されて、▢の4と▢の6が確定します。4で進めて、
2で進めて、
3で進めて、
5で進めて、
6で進めて、
正解です。
ご覧の通り「ありじごく」の一手詰めです。根拠が無い新手の一手詰めは納得できないと思われる方は多いでしょうね。もう一度解き始め図をご覧ください。
この図を眺めていると面白いことに気が付きます。それは、1・2・3・7・8・9の Loop が出来ているとです。これを利用します。
1の Loop です。
7の Loop です。
二つの Loop を重ねます。
▢で一回接触します。
共倒れの原則で1と7は削除されます。
これを4個型強リンクに移します。
4と6が確定します。
たまたまの偶然でしょうと言われる方には、「ありじごく」も「共倒れ」も使わない手順を。
解き始め図からです。
▢は3・5の二択マスです。
▢に3が入りますと、▢に3が入ります。
また、▢に5が入りますと、▢に6が入り▢に6が入ります。
この図になります。
一方の色が決まっている二択マスには反対色が入ります。
従って、▢の9が確定します。9で進めて、
▢は5・7の二択マスです。全く同じ作業をします。
すると、▢の1が確定しますので1で進めて、
この図になります。
5で進めると5は削除されます。
二国同盟で、
2と5と8が確定して、後は芋づる式に決まります。
おまけです。
この解き始め図に1・2・3・7・8・9の Loop が出来ている事を記しました。
その Loop 同士が▢で一回接触しています。
この9個の▢の内どの▢を1個選んでも一手詰めです。
おまけ2です。
4個型強リンクを眺めていて気が付いた事が有ります。
説明のため本文とマスの色を変更しています。良く見ると▢と▢は同じ列の強リンクで、▢と▢は同じ行の強リンクで、▢と▢はブロックの強リンクです。そして、4個の数字4を全て使った Loop は不可能です。
3個の4を使って強制 X-Wing が造れるのは1個のみです。そして、仲間外れの▢の4が確定します。
次に Chain の4個型強リンクについてです。
先に「やじろべえ」の3個型強強リンクです。上の図をA図とします。
この配置ですと▢に5が有ろうが無かろうが▢の5が確定します。
この配置(B図とします)でも。
▢に5が有ろうが無かろうが▢の5が確定します。
Chain の4個型強リンクは上の2例の▢と▢のどちらかに別の強リンクが在ると云う事になります。
A図の▢に別の強リンクが在るとすると、ブロックですので▢のどちらかです。
何処でも同じ結果になりますので、この▢とします。
X-Wing が造れるのは▢▢▢▢のこの形のみです。従って、仲間外れの▢の5が確定します。
根拠は、
この図と一緒です。これは ロジック と云うよりも 定跡 と云った方が正しいかもしれません。
そして、▢に別の強リンクが在ったとしても同じです。
次にB図の▢に別の強リンクが在るとすると、列ですので▢のどちらかです。
この場合も▢がどちらに有っても結果は同じです。
▢に5が入ると X-Wing は造れません。従って、この図では確定する数字は有りません。つまり、使用不可です。
▢に別の強リンクが在るとすると、列ですので▢のどちらかです。
何処でも同じ結果になりますので、この▢とします。3個の4を使って強制 X-Wing が造れるのは▢▢▢▢の1個のみです。そして、仲間外れの▢の5が確定します。この仲間外れの数字は必ずブロックに在ります。
これら4例の結果「4個型強リンクの原則(定跡?)」らしきものが見えてきました。それは、
解き始め図においては、行・列・ブロックが各1回絡む4個型強リンクが在る場合では。
Ⅰ.蟻地獄型の4個型強リンクは中心の数字が削除される。
Ⅱ.ブロックに始点が在る4個型強リンクは、先頭の数字が確定する。
Ⅲ.Ⅱ以外の場合では、始点と終点の共通の領域に同じ数字が在る場合はその数字のみが削除される。
Ⅳ.Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに該当しない場合は使用不可。
これは、5個型奇数個連鎖にも影響を与えます。
解き始め図で、この数字配置の場合。
▢の5を起点にして右へ 強・ 強・ 強・弱・弱 で、▢の5が削除されるだけでしたが。
強・ 強・ 強・弱・弱 の場合でも、ブロックに始点が在れば、上図の様に▢と▢の数字が確定する事になります。解き始め図に限りますが、途中図でもこの結果になるとすれば、これは新手鴨。
1問のナンプレ作品で、これだけ遊べます。
今年はこの作品を締め記事とします。次回は新年で、いちごナンプレ研究所 さんの作品で、以前記事にした「宇宙二位の難問」です。
U字型を使わないで解いてみました。勿論既存のロジックだけでは解けません。
ご覧頂きまして有難うございました。
この作品はいちごで相棒の特殊ナンプレです。
ですので、候補数字も通常問題とは違っていると思います。
おまけ欄に記したようにDマスは1の Loop と3の Loop の接点ですので、
5が確定しています。
やはり、一方の数字は Loop の必要があると思います。
コメントについてですが、2図で誤りの5をAマスで進めていますが、
それですと、1は当然誤りのDマスに入ります。
ダブっているように思えるのですが。
そういう構想を考えたわけではなくて、
ーーー ーーー ーーー
ーーー ーーー ーーー
ーーー ーーー ーーー
ーーー ーーー ーーー
ーーー ーーー ーーー
ーーー ーーー ーーー
ーーー ーーー ーーー
ーーX ーーー ーZー
ーーー ーーー ーーー
記事の中に 「共倒れの原則」で Zが最初に決まる とあったので
それを確かめようとしたら、
Zが決まる前にXが決まり しかも
1と7のループの相互作用でなく 1と5の2つのリンクの相互作用
と気付いた
というだけです。
Aから始まる5のリンク:
5ーー ーーー ーーー
ーーー ーーー ー@ー
ーーー ーーー ーCー
ーーー ーーー ーーー
ー@ー @ー@ ー@ー
ーーー ーーー ーーー
ーーー @B@ ーーー
ーーA ーーー ーーー
ーーー ーーー ーー5
Dから始まる1のリンク:
ー7ー ーーー 1ーー
1ーー ーーー ー@ー
ーーー ーーー ーFー
ーーー ーーー ーー7
ー1ー ーーー ーーー
ーーー ーーー ーーー
7ーD ーーー ーーー
ーーー ーーー ーE@
ーーー 1ーー ー@ー
「共倒れの原則」は 別にループでなくても構わない、
かなり多くの場面で使える強力な手法 ?
と思うのですが いかがなものでしょう。
並の上級者なら、相棒ナンプレですので
中心マスの5を確定させようとするのですが、
それを利用して他のマスの数字を確定させる構想が見事です。
とても参考になります。
その考え方はとても有用と思います(理由は以下)。
・場合分けの数を減らせる(4パターン → 3パターン)
・原則自体 成立する可能性が高い
・成立しなくても どこかを確定できる可能性が高い
・ループ1つでも 利用できる可能性がある
次の図では X1 Y7 を確定できます。
57ー ーー9 168
1ー8 ー7ー ー24
ー2ー 8ー1 ーY3
ーー2 ー1ー 3ー7
ー1ー 7ー3 ー9ー
3ー7 ー9ー 8ーー
7ーー 9ー2 ー8ー
68X ー3ー 2ー9
249 1ーー ー35
「共倒れの原則」の考え方の応用の変形です。
57ー ーーー 1ーー
1ーー ーーー ー@ー
ーーー ーーー ーーー
ーーー ーーー @ー7
ー@ー @ー@ ー@@
ーーー ーーー @ーー
7ーー @ー@ ーーー
ー@X ー3ー ーー@
ーーー 1ーー ー35
こういう形だと X1を確定できます。
57ー ーーー 1ーー
1ーー ーーー ー@ー
ーーー ーーー ーcー
ーーー ーーー @ー7
ー@x @y@ z@@
ーーー ーーー @ーー
7ab @ー@ ーーー
ー@X ー3ー ーd@
ーーー 1ーー ー35
xyzどれか5 ですが、
x5なら a5 b3 X1、
y5なら ab35 X1、
z5なら c5 d7 X1 です。
Y7も同じです。