ナンプレの答えを出すソフトは、コンピューターに詳しい方ならご自分で作成するのは然程難しくは無いでしょう。でも、解くソフトは、私の知っている限り「数独ソルバー」のみです。しかしながら、いちごナンプレ研究所 さんはご自分のブログで「数独ソルバーが困っている」との記述が少なくありません。ですので、現在の「数独ソルバー」にAIの機能を加えて新手を作る技術を開発させれば「無敵の数独ソルバー」が出現するのではないでしょうか。
今回の題材も、「りゅ~く net のブログ 数独-超難問10選!【解き方やコツ】最難問のナンプレにチャレンジ!」で紹介されている、ヒント数字17個の難問のうち仮定法を複数回使用しないと解けないと云う作品で、次の図です
予告で記した様に「居食い」を使用しますので、私はこの作品を「飛鷲」と名付けました。
ちなみに、飛鷲は ひじゅう と読み、角鷹は かくおう と読みます。
候補数字を入力しますとこの図になります。そして、前回と同じく幾つかの数字が確定します。
左中ブロックの4で進めて、
中上ブロックの1で進めて、
左上ブロックの5で進めて、
第2行の3で進めて、
左上ブロックの2で進めて、
第1行の8で進めて、
右上ブロックの6で進めて、
右下ブロックの4で進めて、
ここで止まります。従って、この図が解き始め図です。
▢▢▢に3の3個型強リンクが有り、▢▢▢にも3の3個型強リンクが有ります。「やじろべえ」を使いたいのですが、これはどちらかは誤りです。
その理由として、単純に繋げるとこの図になります。一見 Loop の様に見えます。しかし、▢の3から強弱を調べますと 強・強・弱・強・強・弱 となり、偶数個連鎖になりませんですので、これは誤りです。何よりも Loop にすると「やじろべえ」が消えてしまいます。
ですので、小さい Loop になります。▢▢▢▢の Loop とすると、「やじろべえ」で▢の3が決まります。
また、▢▢▢▢の Loop とすると、「やじろべえ」で▢の3が決まります。従って、 Loop絡みの3個型強リンクが2個有る場合は手が出せない事になります。
これは5の3個型強リンクが2個の場合も、同様に手が出せません。
「やじろべえ」が使えるのは、▢▢▢の1の3個型強リンクと▢▢▢の2の3個型強リンクになります。
「やじろべえ」で▢の1と▢の2が確定します。1で進めて、
2で進めて、
第7列の5で進めて、
第5列の3で進めて、
第9列の2で進めて、
第3行の6で進めて、
第3行の1で進めて、
第9行の4で進めて、
第7列の6で進めて、
中下ブロックの8で進めて、
右中ブロックの7で進めて、
最初の1の「やじろべえ」は正しい事の説明の為の手順ですので、2の「やじろべえ」だけで此処まで来た様なものです。
「居食い」の出番です。6の Loop が出来ています。
2回接触の数字を探しますと、▢と▢で7が該当します。
「居食い」で7は削除されます。
7が消えたので次に進めます。
二国同盟で、
9で進めて、
8で進めて、
7で進めて、
6で進めて、
4で進めて、
9で進めて、
正解です。
「やじろべえ」「居食い」と「二国同盟」の3手順で解けました。でも、先の2手順を知らない方には超難問だと思います。
おまけです。
「やじろべえ」は、正しいと云う根拠がないので使えないと云う御仁に、「やじろべえ」を使わない手順を。
解き始め図から。
三国同盟で、
ロジックを使ったので「やじろべえ」は禁止です。
▢と▢に1の強リンクが有ります。
▢に1が決まりますと、第7列に7・9の二国同盟が出来て、▢に5が決まります。
また、▢に1が決まりますと、▢に3が決まります。
一方の色が決まっている二択マスには反対色が決まります。
▢の1と▢の1との共通の領域に有る▢に1が入ります。従って、1は削除されます。
6で進めて、
第8列の1で進めて、
第9行の4で進めて、
二国同盟で、
右下ブロックで5が決まります。
青色数字は誤りなので、全て削除されます。
▢に2が決まります。この続きは本文と同じになりますので割愛します。
そして、▢▢▢は2の3個型強リンクですので、「やじろべえ」が正しいと云う証明になるのではないかと思います。
それでもまだ疑念が残ると云う方には、おまけ2です。
ふたたびの、解き始め図です。
正解図から3と5を抜粋した図です。
それぞれの強制 Loop を造ります。一見どちらも正しい様に見えますね。
▢をご覧ください。3と5が接触してますね。誰が見てもこのマスから2・6・9が削除されるのは明らかです。
以前の記事の「共倒れの原則」の中で、 Loop と Loop が一回接触の時は双方の数字は共に削除されると云う証明をしました。ですので、3と5の片方もしくは両方ともこの Loop では無い事が判ります。
3は▢▢▢▢の Loop ですので、第3行7列の3が確定して 3・3・3 の「やじろべえ」が存在し、
そして、5は▢▢▢▢の Loop ですので、第6行5列の5が確定して 5・5・5 の「やじろべえ」が存在して、3個型強リンクの中央が確定すると云う手法が正しい事になります。
この図が3と5の「やじろべえ」です。
この結果を見てロジックとしての「やじろべえ」の定義が出来た様に思えます。
解き始め図に於いて、
Ⅰ.数字Aの3個型強リンクが1個存在している場合は、その中心の数字が確定する。
Ⅱ.数字Bの3個型強リンクが複数存在している場合は、その中の1個のみが正しい。
ⅲ.数字Aの中心と数字Bの中心が接触しているマスが在している場合は、数字Aが確定する。
おまけ3です。
「居食い」の進化形です。
おまけで4・7・9の三国同盟を使った後の図です。
良く見ると4の Loop が出来ています。
この Loop に2回接触する数字が▢▢に在ります。
1と8の二数字が該当します。以前接触する数字2個在る時は「居食い」は使えないとしましたが、この場合は同じマスですので、特例として使えます。
1が誤りとすると、8は削除されます。
また、8が誤りとすると、1は削除されます。
発想の転換をすると、1と8のどちらかは必ず残ると云う事になります。従って、この特殊な数字配置の場合は2回接触する数字以外が削除されると云う「居食い」になります。ナンプレって面白いですね。
次回は、いちごナンプレ研究所 さんがご自身のブログで公開された作品で、次の図です。
私はこの作品を「奈落」と名付けました。作家さんはこの作品を「いちごナンプレ」と記しています。
この作品は通常に解いて、結果が いちごナンプレ になる問題図ですので、初中級の方は難しいと思ったら「にじおとめ」で使った「性格の不一致の別居」若しくは「足して15」を使用したら宜しいかと。上級の方は通常問題として解いた方が面白いでしょう。
ご覧頂きまして有難うございました。