ツイッターで難易度ポイントを公開されている方のポイント付与基準がバージョンアップされまして、現在の基準がより正確に近いと、ご自身のブログに記されています。その新基準での難易度ポイント第1位の528Pを付与された作品は、いちごナンプレ研究所 さん作の「神髄」です。おめでとうございます。ちなみに、同じ基準で「世界一の難問」は389Pです。
今回の題材は、いちごナンプレ研究所 さん作のヒント数字52個の作品で、次の図です。
少し前の作品で、付与されたポイント133Pの当時の基準で公開された中での最下位の問題図のように見えましたので、「西海」と名付けました。でも新基準ですと321Pの上級問題です。上級の方でもヒント無しですと解けない方もいらっしゃるかもしれません。
候補数字を入れます。ヒントは「相棒ナンプレ」ですが、使わない方が楽しめます。
整理するとこの図になりますが、次の一手が難しいのです。
この作品の急所は▢の2と▢の8の両方もしくは片方の数字を消すことです。そうしないと迷路から脱出出来ません。
突破口は▢です。
▢の8を8とします。
▢に8が入ると▢にも8が入ります。
▢の8と▢の8の共通の領域である▢に8が入ります。従って、▢の8は削除されます。
急所の8が削除されました。これで次に進めるとが出来ます。
8の奇数個連鎖です。8から下へ 強・強・強・弱・弱 で、8は削除されます。
進めて、
この図になります。次の手に困るように見えますが、奇数個連鎖の効果が出ます。
▢の2と▢の2は一心同体です。そして、▢の2と▢の2も一心同体です。
▢に2が入りますと▢に5が入ります。
二択マスには反対色の数字が入ります。
▢と▢を残しますと、
▢の2・5と▢の2・5は腹違いの二国同盟ですので、共通の領域である▢の2・5は削除されます。
8で進めて、
5で進めて、
2で進めて、
正解です。
ご覧のように「あの▢の8が消えればこのロジックが使えるのに」と考えるのも解法の一つです。ですので、▢の8を消す方法を探すことから始めます。相棒ナンプレですので、全く同じ手順で▢の2も消せます。
短手数で終わりましたので、おまけです。いちごナンプレ研究所 さんのヒント数字57個の2問を違った手法で解きます。
Ⅰ.強リンクを主にします。
奇数数字は全て確定しています。如何にもクセの有りそうなヒント数字配置ですね。とりあえず候補数字を入れます。
この図を解きます。
4で進めて、
6で進めて、
4の奇数個連鎖です。4から右へ 強・強・強・弱・弱 で、4は削除されます。
6の奇数個連鎖も出来ますが、工数が増えるだけですのでここでは割愛します。そして思いがけない現象が発生します。
▢と▢をご覧ください。180度回転すると重なります。
▢に6が入ると、8が入り、4が入って、▢に6が入ります。占めたと思ってこれで進めると先の方で矛盾が生じます。正しくは▢に4を入れて▢に6が入らないといけません。Nishio の手法です。気を取り直して本線に戻ります。
4の強リンクが在ります。
二つの4のそれぞれと共通の領域である▢に4が入ります。従って、4は削除されます。
ここにも4の強リンクが在ります。
強リンクを伸ばします。
▢の4と▢の4のそれぞれと共通の領域である▢に4が入ります。従って、4は削除されます。
6で進めて、
8で進めて、
XY-Chain です。2・6-6・2-2・4-4・2-2・4-4・6-6・2 で、▢の2は削除されます。
8で進めて、
4で進めて、
2で進めて、
正解です。
Ⅱ.既存のロジックで解く。
この作品にはツイッターでの難易度ポイント302Pが付いて、上級テクニック×1、摩天楼×1、XY-Wing×1が必要とされています。私は「鎖とクサリ」と名付けましたが、ロジック3回では解けませんでした。
候補数字を入れます。
4で進めて、
6で進めて、
4の奇数個連鎖です。4から右上へ 強・強・強・弱・弱 で、4は削除されます。(第7行の4を土台とした変形の摩天楼です)
6の奇数個連鎖です。6から上へ 強・強・強・弱・弱 で、6は削除されます。(これも)
XY-Chain です。4・8-8・6-6・8-8・4 で、▢の4は削除されます。
XY-Chain です。6・2-2・4-4・2-2・6 で、▢の6は削除されます。
6の強リンクが有ります。
▢に6が入ると▢に6が入ります。
すると▢に6が入り▢に6が入りますので、6は削除されます。
4で進めて、
6で進めて、
2で進めて、
XY-Chain です。8・4-4・6-6・8-8・4-4・8 で、▢の8は削除されます。
XY-Chain です。6・4-4・8-8・6-6・8-8・6-6・2-2・6 で、▢の6は削除されます。
XY-Chain です。2・8-8・4-4・8-8・2 で、▢の2は削除されます。
2で進めて、
6で進めて、
8で進めて、
正解です。
おまけのおまけです。
おまけの2問については、いちごナンプレ研究所 さんは「相棒ナンプレ」と指定していません。ですので、通常ナンプレとして解きますと、
この図はあながち誤りではありません。単純な chain です。反対色を入れますと、
4の強リンクを加えますと、
これは Nice Loop でしょうか? AICでしょうか?
Nice Loop にしても AIC にしても、4は削除されます。しかしこれは誤りです。4こそが正解なのです。逆に言えば Nice Loop も AIC も使えないという事になるかもしれません。
正しくは、Nishio を使ってこの図になります。( ▢に4が入っても6が入っても▢に6が確定する。)
これは画期的なことです。Nice Loop や AIC よりも、 共通の領域である▢に反対色を入れる手法の方が優先手筋になっているからです。
次回の題材は、いちごナンプレ研究所 さん作の作品で、次の図です。
盾が2個向かい合っているように見えたので、私は「楯と盾」と名付けました。作家さんの「相棒ナンプレで中央ブロックは魔法陣」と云うヒントが付いていて、多分色付きブロックにも1~9の数字が入るのでしょう。出題図は点対称では無いので、ヒントを使うと初級問題になってしまいます。ですので、無条件の通常問題として解いてみました。
相棒ナンプレに多重解は有りませんので、必ず解けます。自信の有る猛者は挑戦してみてください。
ご覧頂きまして有難うございました。