昨日の土曜日は、神奈川芸術劇場のこけら落とし公演、
原作は三島由紀夫、
主演は、V6の森田剛クン。
他に、高岡蒼甫さん、中越典子さん、高橋長英さん、岡本麗さんらの出演です。
三島由紀夫の「金閣寺」という作品は、
金閣のある鹿苑寺の徒弟が、
金閣に放火して消失させた事件(昭和25年、1950年)を基にしています。
あるお寺に生まれた障害を持った少年、
その少年の父は、いつも金閣の素晴らしさ、完璧さを
少年に話していました。
自分の障害にコンプレックスをもっていた少年は、
完璧な美しさを持つという金閣を想像し憧れていきます。
しかし、父親に連れられて初めて見た金閣、
その姿は想像していたものと異なり、
ひっそりとして、小さく、少年は愕然とします。
その後、父が死に、金閣のある鹿苑寺に
徒弟として入った少年。
尊敬する老師、親友、大学に入ってできた障害者の学友、
母、大学の女学生、生け花の師匠、
軍人、軍事教練、そして敗戦、
米兵、娼婦、
様々な人々と知り合うが、
深く知り合うことなく、
期待し、裏切られ、
あるいは裏切られたと勝手に傷つき、
師や女性や憧れの存在から、
人生や世界に絶望し、いつしか完璧な美しさの金閣を、
この世から消し去らなければならないと思いはじめる。
森田くんの迫真の演技に
もちろん宮本亜門さんの演出や
共演者の方々の演技にも、
ぐいぐい引き込まれていきました。
色々と考えさせられた公演でした。