俺もお前も人生の敗北者

とりあえず否定から入るネガティブ思考で常にB級嗜好なATOPのブログ

旅の良さ3-オルタナティブ

2014-04-30 23:08:55 | レビュー

さて過去2回にわたり「旅の良さ」について触れてきたわけですが、今回もそれについて。今回が最後です。

 
 
 
今回も『BRUTUS5月号』より記事を少し抜粋。
 
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こうしてエチオピアを旅し、地獄のような、ファンタジー世界のような絶景を間近で見て、果たして己の人生観は変わったのだろうかと胸に手を当ててみる。正直に言うと、答えはノーだ。人生観というのは、いい意味でも悪い意味でもそんなに脆弱ではないのだろう。しかし、これだけは言える。今回の旅を経て、心の中に「オルタナティブ」ができたことは間違いないと。自分の価値観や生活感の延長線上にはない、断絶した、別の価値観や空間や時間の流れがあることを、エチオピアの砂漠は教えてくれた。
(ダナキル砂漠/エチオピア 地球が創り出した”神秘の景観”を訪ねて、灼熱の地アフリカへ。より)
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そうなのである。
 
別に旅をしたから人生観が変わるかといったらそんなことはない。もちろん変わることもあるのだろうけど。
 
決定的なのはそもそも我々が旅行なり旅をするうえで、必ず帰るところがあってそれをするからちょっとやそっとじゃ変わらないということでしょう。
 
日常を確保したうえで隔絶した時間を楽しんでいるだけなので、見たこともない景色を目にしておいそれと帰る場所を捨てるようなことはなかなかできない。
 
日常における当たり前の感覚を捨てられるわけもなく、もし旅先の価値観に触れてそれがブレブレになるとしたら、よっぽど今生活をしている日常に対してもブレブレなんじゃないかと僕は思います。
 
 
 
じゃあ人生観は変わらないとしたら、どういう充実感を味わえるのか。
 
それは記事にあるとおり「オルタナティブ」(代替案・選択肢・イフ)です。
 
普段我々のやっていることが世界のどこでもみんな同じことをやっているんじゃないかという感覚になりがちだ(僕はわりとそう思っていた)けども、決してそんなことはありません。
 
 
パソコンに向かって仕事をしている間、名もなき村で観光客を相手に古くから伝わる音楽を奏でたりして生活をしている人間もいれば、生活という言葉すらほど遠くのたれ死んでいる人間だってたくさんいます。
 
そういう人生だってあるんだと気づかせてもらえる…理解するんじゃなくて思わずにはいられなくなるのが旅なんだと思うんですね。
 
朝6時に起きて満員電車乗って出勤して午前様で帰ることもそれで得られる幸せは必ずあるし、でもだからといってそれが絶対ではないんだと教えてくれる。
 
 
僕らが思う当たり前と、海を挟んで向こう側にある当たり前。どっちが上だ!下だ!とかでなく、良い悪いでもなく、それもあるのか、そんな生き方もあるのかと知ることで普段まったく見ようとしなかった心の景色に光が当たる。
 
そして「自分は少し大きくなれたかもしれない」「心の豊かさを持てたかもしれない」と思えるのが旅であり、魅力なんだと僕は思います。
 
だから旅はやめられないんだろうなぁ。
 

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