湯を沸かすほどの熱い愛 (文春文庫 な 74-1)
(※リンクは文庫)
『湯を沸かすほどの熱い愛』
先日、飛行機の中で『湯を沸かすほどの熱い愛』という映画を見ました。
2016年、邦画界は実に賑わっており『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』の3作が圧倒的な人気でした。
私も『シン・ゴジラ』『君の名は。』は映画館で観ました。
『君の名は。』は期待していたほどでもなく(周りの評判からの期待というより、新海作品としての期待があって少し裏切られたように感じました)、
『シン・ゴジラ』はとにかくすごかった。
『シン・ゴジラ』は時間をおいてもう一度見たいと思わせる作品だったのは間違いないです。
事実、私は映画館で2回見ました。
では、ほかの邦画はどうだったのか?
「2016年 第90回 キネマ旬報 日本映画ベスト・テン」を見てみると…
1位 この世界の片隅に
2位 シン・ゴジラ
3位 淵に立つ
4位 永い言い訳
5位 リップヴァンウィンクルの花嫁
6位 湯を沸かすほどの熱い愛
7位 クリーピー 偽りの隣人
8位 オーバー・フェンス
10位 怒り
となっており、今回、私が見た『湯を沸かすほどの熱い愛』は第6位にランクインしています。
あらすじは…
=================
余命2ヶ月。
私には死ぬまでにするべきことがある。
銭湯「 幸の湯」を営む幸野家。
しかし、父が1年前にふらっと 出奔し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。
○家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる
○気が優しすぎる娘を独り立ちさせる
○娘をある人に会わせる
その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。
そして家族は、究極の愛を込めて母を 葬る(おくる)ことを決意する。
(公式ホームページより)
=================
ストーリーは確かに以上の通りです。
これを読むと単純に「母親が病魔に侵されて死ぬ」話だと思ってしまうのですが、全然違います。
この映画に登場する人物は基本的に主人公・双葉(演:宮沢りえ)の家族です。
そして、この家族と主人公・双葉の間には「重大な秘密」がそれぞれに存在します。
これが主人公・双葉が「自分の死期」を悟ったことによって、双葉の手で、突然に、そして、残酷にも突き付けられます。
さらに、主人公・双葉自身にも「病魔」以外にも「秘密」があり、それを観客の我々が知った時、主人公・双葉の人間的強さと愛に圧倒されます。
個人的な感想を言うと、常に唇をかむような状態が続きます。
双葉の行動で明かされる、家族に隠された「秘密」の重さに、登場人物たちは絶望してしまいそうになります。
「え、うそ」「まじか」「うわっ」って、見ている私にも登場人物たちの絶望が伝わって、打ちのめされてしまいます。
でも、主人公・双葉は絶対に逃げません。
双葉の行動にはひとつひとつ大切な意味が込められており、その意味に気づかされるたびに、双葉の「愛」に気づきます。
絶望の沼にどっぷりつかっていってしまいそうだったのに、いつのまにか光射す「希望」の入口に立っている。
むしろ、見終わった後は、さっぱりとした気持ちになります。
宮沢りえの演技もいいのだけど、なによりこの映画で力を発揮するのは、双葉の娘役です。
この娘たちの演技が双葉の「愛」を際立たせていると思います。
この映画はぜひ一度は見てもいいのではないかと思わせるものがありました。
でも、これが感動映画かっていうとそうじゃないと思うんですよね。
こんな悲惨な家族関係というか、状況って現実じゃあり得ない訳ですが、
その悲惨さに感情移入して、泣いて、感動したーーーーー!って感想にはなりませんでした。
主人公の芯の強さに惚れるというか、、そういう類の話だと思います。
全くの余談ではありますが、同じ飛行機の中で見た橋本愛主演の『バースデーカード』は、同じ母親が死ぬ話でも、2度と見るかと思わせるほどの駄作でした。
(※リンクは文庫)
『湯を沸かすほどの熱い愛』
先日、飛行機の中で『湯を沸かすほどの熱い愛』という映画を見ました。
2016年、邦画界は実に賑わっており『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』の3作が圧倒的な人気でした。
私も『シン・ゴジラ』『君の名は。』は映画館で観ました。
『君の名は。』は期待していたほどでもなく(周りの評判からの期待というより、新海作品としての期待があって少し裏切られたように感じました)、
『シン・ゴジラ』はとにかくすごかった。
『シン・ゴジラ』は時間をおいてもう一度見たいと思わせる作品だったのは間違いないです。
事実、私は映画館で2回見ました。
では、ほかの邦画はどうだったのか?
「2016年 第90回 キネマ旬報 日本映画ベスト・テン」を見てみると…
1位 この世界の片隅に
2位 シン・ゴジラ
3位 淵に立つ
4位 永い言い訳
5位 リップヴァンウィンクルの花嫁
6位 湯を沸かすほどの熱い愛
7位 クリーピー 偽りの隣人
8位 オーバー・フェンス
10位 怒り
となっており、今回、私が見た『湯を沸かすほどの熱い愛』は第6位にランクインしています。
あらすじは…
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余命2ヶ月。
私には死ぬまでにするべきことがある。
銭湯「 幸の湯」を営む幸野家。
しかし、父が1年前にふらっと 出奔し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。
○家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる
○気が優しすぎる娘を独り立ちさせる
○娘をある人に会わせる
その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。
そして家族は、究極の愛を込めて母を 葬る(おくる)ことを決意する。
(公式ホームページより)
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ストーリーは確かに以上の通りです。
これを読むと単純に「母親が病魔に侵されて死ぬ」話だと思ってしまうのですが、全然違います。
この映画に登場する人物は基本的に主人公・双葉(演:宮沢りえ)の家族です。
そして、この家族と主人公・双葉の間には「重大な秘密」がそれぞれに存在します。
これが主人公・双葉が「自分の死期」を悟ったことによって、双葉の手で、突然に、そして、残酷にも突き付けられます。
さらに、主人公・双葉自身にも「病魔」以外にも「秘密」があり、それを観客の我々が知った時、主人公・双葉の人間的強さと愛に圧倒されます。
個人的な感想を言うと、常に唇をかむような状態が続きます。
双葉の行動で明かされる、家族に隠された「秘密」の重さに、登場人物たちは絶望してしまいそうになります。
「え、うそ」「まじか」「うわっ」って、見ている私にも登場人物たちの絶望が伝わって、打ちのめされてしまいます。
でも、主人公・双葉は絶対に逃げません。
双葉の行動にはひとつひとつ大切な意味が込められており、その意味に気づかされるたびに、双葉の「愛」に気づきます。
絶望の沼にどっぷりつかっていってしまいそうだったのに、いつのまにか光射す「希望」の入口に立っている。
むしろ、見終わった後は、さっぱりとした気持ちになります。
宮沢りえの演技もいいのだけど、なによりこの映画で力を発揮するのは、双葉の娘役です。
この娘たちの演技が双葉の「愛」を際立たせていると思います。
この映画はぜひ一度は見てもいいのではないかと思わせるものがありました。
でも、これが感動映画かっていうとそうじゃないと思うんですよね。
こんな悲惨な家族関係というか、状況って現実じゃあり得ない訳ですが、
その悲惨さに感情移入して、泣いて、感動したーーーーー!って感想にはなりませんでした。
主人公の芯の強さに惚れるというか、、そういう類の話だと思います。
全くの余談ではありますが、同じ飛行機の中で見た橋本愛主演の『バースデーカード』は、同じ母親が死ぬ話でも、2度と見るかと思わせるほどの駄作でした。
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