ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

リトル・バングラディシュで食べたビーフ・テハリ

2024-06-10 04:16:24 | 食事

リトル・バングラディシュとは、ロスアンジェルスにあるバングラデッシュコミュニティのことである。2024年メモリアルデー連休の初日、筆者はロスにいた。ロスは今回の旅の中継地点であって目的地ではない。ロスで何をして遊んでいいのかもよく分らない。ただ、西海岸に永らく暮らしていながらロスのことをほとんど知らないというのも格好悪いので、立ち寄ることにした。到着するのがちょうど昼飯時だというので、何か珍しいものを食べようと考えたすえ、“リトル・バングラディシュ”というエリアへ行ってみることにしたのだ。べーカーズフィールドの町を越えると広大なセントラル・バレーは終わり、道路は山を越える。大きく山を下ればロスの町に入る。

 

この日の思い出は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

 

①リトル・バングラディシュへ

ナビの示すままにリトル・バングラディシュへ向かうと、それはロスアンジェルスのダウンタウンからは少し西へ外れた場所であった。街並みがバングラバングラしてくるかと思いきや、全くそんな気配はなく、周辺は圧倒的にハングル文字が目立つ。そう、このリトル・バングラディシュエリアはコリアンタウンに囲まれている。ウィキペディアによれば、リトル・バングラディシュ地区はもともとコリアンタウンだったエリアに新たに2010年に作られたもので、当時はこの地区の設立に関して韓国系移民との摩擦が生じたとの記載がある。バングラバングラしているのはほんの数ブロックだし、それに言うほどバングラバングラしている様子がない。ベンガル文字が見える店舗はほんの数件だ。

 

 

②そしてバングラ・バザール

そしてバングラ・バザールを見つけた。店は小さなグローサリーストアのようだが、通りに面した空間が飲食コーナーになっていて、中で数人のバングラディシュ人風の男が食事をしているのを見ることができ、少し安心した。ローカル臭が強く入りやすくはないが、勇気を出して扉を開ける。入ってすぐにデリ・コーナーがあって、容器にカレーや米類が並んでいる。スキンヘッドにメガネの男店員に、『何せバングラディシュ料理は初めてなので、どのようにして注文するのかを教えてほしい』とお願いすると、丁寧に教えてくれた。しかも小さな容器を使って味見もさせてくれたのだった。筆者が初めて会話したバングラディシュ人は、優しい男だった。

 

 

③ヤギのカレーと牛肉まぜご飯

その店員に味見させてもらった週末スペシャルの牛肉まぜご飯と、ヤギのカレーを購入すると、料理は紙の器に盛られ、お盆に載せられる。食堂にプラスチックの簡易なスプーンとフォークがあって、それを使って食べるのだ。これがとても旨い。特に牛肉混ぜご飯が秀逸だ。ふんだんに効いたスパイスと玉ねぎの甘みと、そして牛肉(カス肉だと思われる)の脂分が美味く混ざり合い、スプーンが止まらない。ナプキンで汗をふきふきパクつく。2合近くはあろうかというボリュームを一気に平らげてしまった。ヤギのカレーも美味だったが、ヤギ肉を嚙み切ると中が赤かったのが不安になった。

 

腹がいっぱいになり、紙皿をゴミ箱に放り込んで飲食コーナーを出ようとすると、さっきのスキンヘッドメガネ店員が出口付近のテーブルに腰を掛け、手でカレーを食べていた。そこで『この牛肉の料理は最高でした。名前をさっき聞き洩らしたので教えてくれませんか』とお願いすれば、“ビーフ・テハリ”だという。そう、バングラディシュはムスリム国家で、牛を神聖視するヒンドゥー国のインドではあまり味わえない牛肉入りのスパイス料理が楽しめる。筆者は、満腹感で苦しいのと、赤いヤギ肉の不安のため、この日は早めに宿で休むことにした。