高山のパイズリケーキとは、筆者がサンノゼ市の中華スーパーで見つけたケーキのことである。告白するが、筆者は人生において“パイズリ”を経験したことはほとんどない。にも関わらずVHSやDVDやネット動画などで“パイズリ”を永く愛で楽しんできた。それほどに“パイズリ”は、30代独身日本式サラリーマンには(いや、案外既婚男性ほど・・)憧れがあるというものだ。さて最近は仕事のストレスが大きく、週末は長屋でじっとしなながら、仕事を“ファイヤー”して実家でぐうたら暮らす夢想に浸りがちだ。だがその夢想を現実に近づける毎に、ストレスフルな両親のことを思い起こして悶々としてしまう。30代独身日本式サラリーマン読者諸氏はどうだろうか。
このパイズリケーキの詳細は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。
①高山のパイズリケーキを見つける
サンノゼのアジア系スーパーマーケットのライオン・スーパーは、いつもレジの手前にお買い得商品が山積みにされていて、レジ待ち客の購買欲を煽る仕組みになっている。とはいえそのようなお買い得商品には、筆者の目に留まるものがまるでないので、普段は素通りするばかりだ。2023年6月下旬、いつものようにそのレジ周辺を素通りするも、僅かに視覚に入り込んだ“パイズリ”のカタカナ文字が、筆者の脳に特攻の拓並みの『!?』を与え、思わず振り向いて確認してしまった。高級感のある四角く黄色い箱には、確かに“パイズリケーキ”と書いてある。これは恥ずかしい。だが買いたい。数秒ほど迷った挙句、ついに手に取って買い物かごへ放り込んだ。レジ係の中年婆の心なしか冷たい視線が気になるが、彼女は日本語は解らないはずなので、これは筆者が勝手にドキドキしているだけである。
②高山のパイズリケーキの外観
高山のパイズリケーキの黄色く四角い箱は、ポップさと高級感を兼ね備えた、女子が好みそうな装丁だ。箱の正面中央にはホルスタイン牛が大きく描かれ“北海道産牛乳使用”と謳っている。また左上には赤く高山の屋号が載り、伝統ある洋菓子メーカー商品の風格がある。それでいて端部には調理具や果実などのかわいい絵柄が並んでポップな雰囲気を出している。中国語の商品名は“抜絲肉松蚕糕”なのだが、日本語ででかでかと“パイズリケーキ”との訳が併記されている。その他の中国語メッセージにも日本語訳が付されているが、『口のブラシは柔らかく、柔らかい』や『塩辛い甘いブレンドシルク靭性』などの意味不明な日本語ばかりで困惑する。
③高山のパイズリケーキについて調べる
高山のパイズリケーキは、神奈川県川崎市の高山商事というところが取り扱っているが、表記された住所を調べても小さなアパートしか出てこないので、かなりの零細企業もしくは日本では個人宅を事務所としているようだ。その他に中国や米国ニュージャージーやカナダにもオフィスがあるとの表記があるが、何だか怖くなったのでこれ以上の調査を止めることにした。パイズリでありさえすれば、あとは筆者にはどうでもよいことだ。
④高山のパイズリケーキの味
箱の中には小分けにされた丸型のカップケーキ風のパイズリケーキが入っており、その小袋にも『北海道風味』としっかりと記されている。その小袋を開けると、何だか保存剤のような薬品の臭いが強くて食欲が減退する。一口食べると、確かにしょっぱいような甘いような中途半端な風味で、それよりもやはり薬品臭が強くて耐えられず、ごみ箱へ放り込でしまった。この臭いはコネチカットのアドン・スーパーマーケットやフォスターシティの99ランチマーケットでたまに嗅ぐ臭いを強くしたものだ。このパイズリケーキは、見た目ほど気持ちよくないものだった。
さて、この高山のパイズリケーキの原文、“抜絲肉松蚕糕”について調べると、“肉松”という乾燥肉を粉末にしたもののケーキで、中国では一般的な食べ物なのだという。確かにアジアスーパーでは奇妙な肉紛を多く見かける。一般的には日本人が苦手な味ということだ。筆者の感じた臭いもこれのものだろうか。数か月前だったろうか、生乳の価格が下がってしまい国産の生乳を廃棄する羽目になっているというニュースがあったのを思い出す。もしかすると高山商事はそのときの北海道酪農家へ救いの手を差し伸べた業者なのかも知れない。ネーミングに失敗しているが、もともと日本人向けの商品でもなさそうなので問題ないのかも知れない、筆者のようなもの好き中国人が“パイズリってなんのこと?”と、グーグル検索しない限りは。
このパイズリケーキの詳細は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。
①高山のパイズリケーキを見つける
サンノゼのアジア系スーパーマーケットのライオン・スーパーは、いつもレジの手前にお買い得商品が山積みにされていて、レジ待ち客の購買欲を煽る仕組みになっている。とはいえそのようなお買い得商品には、筆者の目に留まるものがまるでないので、普段は素通りするばかりだ。2023年6月下旬、いつものようにそのレジ周辺を素通りするも、僅かに視覚に入り込んだ“パイズリ”のカタカナ文字が、筆者の脳に特攻の拓並みの『!?』を与え、思わず振り向いて確認してしまった。高級感のある四角く黄色い箱には、確かに“パイズリケーキ”と書いてある。これは恥ずかしい。だが買いたい。数秒ほど迷った挙句、ついに手に取って買い物かごへ放り込んだ。レジ係の中年婆の心なしか冷たい視線が気になるが、彼女は日本語は解らないはずなので、これは筆者が勝手にドキドキしているだけである。
②高山のパイズリケーキの外観
高山のパイズリケーキの黄色く四角い箱は、ポップさと高級感を兼ね備えた、女子が好みそうな装丁だ。箱の正面中央にはホルスタイン牛が大きく描かれ“北海道産牛乳使用”と謳っている。また左上には赤く高山の屋号が載り、伝統ある洋菓子メーカー商品の風格がある。それでいて端部には調理具や果実などのかわいい絵柄が並んでポップな雰囲気を出している。中国語の商品名は“抜絲肉松蚕糕”なのだが、日本語ででかでかと“パイズリケーキ”との訳が併記されている。その他の中国語メッセージにも日本語訳が付されているが、『口のブラシは柔らかく、柔らかい』や『塩辛い甘いブレンドシルク靭性』などの意味不明な日本語ばかりで困惑する。
③高山のパイズリケーキについて調べる
高山のパイズリケーキは、神奈川県川崎市の高山商事というところが取り扱っているが、表記された住所を調べても小さなアパートしか出てこないので、かなりの零細企業もしくは日本では個人宅を事務所としているようだ。その他に中国や米国ニュージャージーやカナダにもオフィスがあるとの表記があるが、何だか怖くなったのでこれ以上の調査を止めることにした。パイズリでありさえすれば、あとは筆者にはどうでもよいことだ。
④高山のパイズリケーキの味
箱の中には小分けにされた丸型のカップケーキ風のパイズリケーキが入っており、その小袋にも『北海道風味』としっかりと記されている。その小袋を開けると、何だか保存剤のような薬品の臭いが強くて食欲が減退する。一口食べると、確かにしょっぱいような甘いような中途半端な風味で、それよりもやはり薬品臭が強くて耐えられず、ごみ箱へ放り込でしまった。この臭いはコネチカットのアドン・スーパーマーケットやフォスターシティの99ランチマーケットでたまに嗅ぐ臭いを強くしたものだ。このパイズリケーキは、見た目ほど気持ちよくないものだった。
さて、この高山のパイズリケーキの原文、“抜絲肉松蚕糕”について調べると、“肉松”という乾燥肉を粉末にしたもののケーキで、中国では一般的な食べ物なのだという。確かにアジアスーパーでは奇妙な肉紛を多く見かける。一般的には日本人が苦手な味ということだ。筆者の感じた臭いもこれのものだろうか。数か月前だったろうか、生乳の価格が下がってしまい国産の生乳を廃棄する羽目になっているというニュースがあったのを思い出す。もしかすると高山商事はそのときの北海道酪農家へ救いの手を差し伸べた業者なのかも知れない。ネーミングに失敗しているが、もともと日本人向けの商品でもなさそうなので問題ないのかも知れない、筆者のようなもの好き中国人が“パイズリってなんのこと?”と、グーグル検索しない限りは。