ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

スタロポルスカ・レストラン

2018-03-06 09:41:10 | 食事
 スタロポルスカ・レストランとは、ニュー・ブリテン市にあるポーランド料理のレストラン、バーだ。ニュー・ブリテン市には“リトル・ポーランド”と呼ばれる多くのポーランド人が古くから住むエリアがあることが判明したのだ。たいていの30代独身日本式サラリーマンと同様に、筆者はポーランドとまったく縁がない人生をおくってきており、こうして “ポーランド” とタイピングすることも人生で初めての経験のような気がする。どうせ暇であるし、これも何かの縁と思い週末に訪ねたところ、この魔法の言葉のような店名のレストランを見つけたので、早速入ってみたのだ。


このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①歴史
いくつかのホームページを流し読み、ポーランド人がこのニューイングランドに移って来た背景をさらりと学ぼうと試みた。簡単に言ってしまうと19世紀のプロイセンやオーストリアからの迫害政策が大きな理由となるが、そこには古くはモンゴル帝国からの侵攻、カリシュ法令以降のユダヤ人との関係やキリスト教宗派の問題、ソ連からの共産主義の触手などと、海に守られた日本人には想像できない背景があり、「さらり」では十分に理解できなかった。


②アクセス
9号線を降りて南からニューブリテン市のメイン・ストリートを上がっていくと緩やかなカーブの上り坂になり、そこに“ウェルカム トゥー リトル・ポーランド”の文字看板が施されブロック擁壁が見えてくる。その擁壁を過ぎれば通りの名前はボード・ストリートに変わり、ポリッシュ系のベーカリーやスーパーマーケットなどがポツポツと並ぶ。スタロポロスカ・レストランはその通りの外れにある。


③スタロポロスカ・レストランの雰囲気
店内は左右に分かれており、左側がバー、右側がダイニングになっている。ダイニングは4人用卓が両側に並び、教会や白髪老人の肖像などの小さなセザンヌ風の画が飾られている。4人卓にどっかりと独りで座り、ポーランド料理を楽しむ客も見られる。バーには独り客が集い、ビールを飲みながらサッカー観戦をしている。ハイエンドなレストランではなく、“食堂兼飲み屋”のような雰囲気で、30代独身日本式サラリーマンでも安心なお店と言えよう。店員はポーランド系の人のようで、日本人には聞き取りやすいはっきりとした発音なのもありがたい。



④メニュー
スタロポロスカ・レストランのメニューには、ニシンの酢漬けやキャベツの漬物、赤いビートのサラダなどロシア料理に近いものが見られた。ニシンはトマトソースとからめて出され美味であった。ロールキャベツ風肉ダンゴやソーセージ料理などはドイツ料理の影響であろうか。子供の頃に憧れた“肉料理”そのものの見た目が嬉しく心が躍る。どれも美味ではあるが、最初のうちはパクパクと美味しく頂けるが、バター風味ばかりが濃厚であまりパンチのないだらっとした風味に舌が飽きてくる。“ピエロギ”と呼ばれる柔らかい小麦の生地の中に肉やボルチーニ茸を詰め込んで煮た料理もとても美味しいが、やはりバターが濃厚で、多くは食べられない。食事メニューよりもアパタイザーを2皿程度とピエロギ1枚といった感じで注文する方が、一人客にはよいようだ。



⑤ポーランド・ビール
ティスキ、ゼウィック、レックという銘柄のポーランド産瓶ビールがよく冷やされた状態で売られていて、非常に嬉しい。これらのビールはどれも非常に飲みやすいピルスナービールで、ほのかに麦の風味があって爽やかに飲み干せる。バターたっぷりのポーランド料理を一気に胃の中に流し込むのに最適なビールであり、嬉しい発見であった。

 
 さて、ポーランドは欧州の中ではかなりの親日国だという話だ。というのも20世紀初頭に日本政府と日本赤十字社が、ロシアによってシベリアに抑留されていたポーランド独立を目指す人々の孤児数百名をポーランドへ送り返したこと、その孤児のうちの一人が成長して組織した独立運動をナチスから密かに庇護したことなどで、日本に対して感謝の念を抱いているというのだ。これまで全く縁がなかった30代独身日本式サラリーマン諸氏も、大和魂Tシャツなどを着てスタロポルスカ・レストランへ通えば、 “あらアナタ、日本人ネ?” とニュー・ブリテン在住日本好きポーランド女子に見初められ、大逆転人生が訪れるかも知れません。