まるみのあっちこっち巡り

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にっぽん丸 東京発着 春の小笠原クルーズ 鳥島を見ましょう

2023-07-22 22:23:05 | 2023 にっぽん丸 東京発着 春の小笠原クルーズ



午後1時頃には鳥島が見えてきました。
7階のスポーツデッキでは、
「鳥島を見ましょう」のイベント。
鳥島の簡単な説明をしていただきました。







東京の南、都庁から約582kmに位置する、
伊豆諸島の島である鳥島(無人島)。
全島が国の天然記念物(天然保護区域)に指定、
ほぼ円形に近い二重式成層火山島です。







鳥島は、日本の領域外の無人島でしたが、
幕末には、中濱万次郎など漂流者の奇跡的な
生還によって知られるようになり、
明治10年代には、小笠原航路が通り、
充分に認識される島となりました。







「遠目で見ると白雪が堆積するようであり、
近くで眺めれば、欧米でも類を見ない規模の
一大養鶏場のようである」という記述が残るほど
多くのアホウドリが生息していたのです。







しかし、アホウドリの乱獲が行われて絶命危機に。
現在、鳥島に飛来するアホウドリは
40年以上に渡る保護活動によるもので、
絶滅が免れ順調に個体数を6000羽と伸ばしています。

望遠レンズで見ると白い個体が見えています。







鳥島が火山島であることを懸念し、
小笠原諸島・聟島へひなを移動させ、
繁殖を分散させる活動も行われました。

アホウドリの繁殖に合わせ、10月~5月までを
鳥島で過ごし、ひなの巣立ちに合わせ、
5月後半に旅立つそうです。
飛来の季節でもあり、その姿を確認しました。







海上保安庁の飛行機も飛んでいました。
何か災害が起きたのでなければ良いですね。







ジョン万次郎こと中濱万次郎は足摺岬の沖合で操業中、
突然の強風に船ごと吹き流され、難破。
漂流した後、鳥島に漂着、この島でわずかな溜水と
海藻や海鳥を口にしながら143日間を生き延びた島です。







日本は明治8年に小笠原諸島を回収、
政府は官吏を含む27人を小笠原に派遣。
その中に八丈島の大工、玉置半右衛門がおり、
アホウドリの乱獲などで巨万の富を築きました。







アホウドリの羽毛は真っ白なため、
大変高額で取引され、横浜港を経由し、
被服や寝具などに需要がある海外へ輸出。

アホウドリは、出稼ぎ労働者の鳥島初上陸から
半年で4万羽、明治35年8月鳥島大噴火で
労働者125人が全滅するまでの15年間で
約60万羽が撲殺されただけでなく、
その後も乱獲を続けた玉置半右衛門。







当時の年収は現在の貨幣価値に換算すると約10億円。
帝国ホテル近くに「アホウドリ御殿」と呼ばれた
大邸宅を建て、成り上がったとか。

現在は保護活動の懸命な努力で
次世代にその命をつないでいます。
無人島にもこのような歴史があったのです。

にっぽん丸は、鳥島を一周して
小笠原諸島を目指しました。

2023.3.18


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