まるみのあっちこっち巡り

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ミシュラン1つ星の名所 臥竜山荘

2023-09-23 00:44:29 | お出かけ 四国



肱川流域随一の景勝地「臥龍淵」に臨む
三千坪の山荘で、大洲出身の貿易商が購入。
匠の技を結集させて造った3棟の庵が建ち、
日本建築の粋と卓越した美学を感じられます。







清吹(せいすい)の間

別名「夏の部屋」と呼ばれ、高天井に屋久杉、
藤の敷物など夏向きに工夫された部屋で、
高台寺の蒔絵を模した欄間「花筏」の
透かし彫りが印象的です。







水にちなんだ透かし彫りが見た目に
涼しさを感じさせてくれます。







壱是(いっし)の間

格調高い書院座敷で畳を上げれば能舞台、
床下には音響をよくするための備前壺が並びます。
本床の松皮菱の花頭窓は、桂離宮新御殿と
同じ櫛形の黒漆縁となっています。







霞月(かげつ)の間

農家の詫びた風情を感じさせる茶室。
霞を表す違い棚や月を表現した丸窓など、
鼠色の襖には蝙蝠の引手があり、
夕暮れの空間を表しています。







匠の細やかな心配りを随所に感じることができる
臥竜山荘の国指定重要文化財の臥竜院。
茅葺屋根の農家風の外観ではあるものの
類まれな名建築に驚愕でした。







幕末までは歴代藩主の遊賞地として
厚く保護されていたそうですが、
明治維新後は補修されることもなく
自然荒廃したそうです。







現在の山荘は、1897年に木蝋の輸出で成功を収めた
貿易商河内寅次郎が余生を故郷で過ごしたいと
10年の構想と工期を費やし、財を投じたとか。







他に類をみない匠の技を施した臥竜山荘は、
2011年にはミュシュラン・グリーンガイド・
ジャポンの1つ星を獲得しました。







知止庵は浴室であったものを1949年に
茶室に改装したものです。







灯篭には十二支が刻まれています。







臥竜淵を足下に見るがけに舞台造りに建つ
数寄屋造りの庵である不老庵です。
建物そのものを船に見立てています。
何と贅沢なことでしょう







月の光反射を狙った竹網代張り天井や
生きた槙の木を使った「捨て柱」、
巧妙な趣向を凝らしています。








「蓬莱山が龍の臥す姿に似ている」という
言葉が由来で、大洲藩主加藤泰恒が
「臥龍」と名付けて誕生した臥竜山荘。
素晴らしいものを遺してくれた先人に感謝です。







自然と人工の典雅な調和をみせ、
四季折々に違った顔を見せてくれるでしょう。
「茶の心」や「日本の心」が今なお息づく
臥竜山荘へ来ることができ、本当に良かったです。

愛媛県大洲市大洲411-2

2023.4.30


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