![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/58/6967b856f3dd0f4e25b3a8e2fe894cbd.jpg)
肱川流域随一の景勝地「臥龍淵」に臨む
三千坪の山荘で、大洲出身の貿易商が購入。
匠の技を結集させて造った3棟の庵が建ち、
日本建築の粋と卓越した美学を感じられます。
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清吹(せいすい)の間
別名「夏の部屋」と呼ばれ、高天井に屋久杉、
藤の敷物など夏向きに工夫された部屋で、
高台寺の蒔絵を模した欄間「花筏」の
透かし彫りが印象的です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/05/8d7a893036620fcc9caead06921de5c3.jpg)
水にちなんだ透かし彫りが見た目に
涼しさを感じさせてくれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/fe/6e5cdc2df15ff8066777c2ffc7d1f457.jpg)
壱是(いっし)の間
格調高い書院座敷で畳を上げれば能舞台、
床下には音響をよくするための備前壺が並びます。
本床の松皮菱の花頭窓は、桂離宮新御殿と
同じ櫛形の黒漆縁となっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/ba/7754f670586fc66510147dc350f04866.jpg)
霞月(かげつ)の間
農家の詫びた風情を感じさせる茶室。
霞を表す違い棚や月を表現した丸窓など、
鼠色の襖には蝙蝠の引手があり、
夕暮れの空間を表しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/50/e44a9146937285a893f9297953917e77.jpg)
匠の細やかな心配りを随所に感じることができる
臥竜山荘の国指定重要文化財の臥竜院。
茅葺屋根の農家風の外観ではあるものの
類まれな名建築に驚愕でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/e6/e04e5f865725d7ddb7a95c2742d70b0f.jpg)
幕末までは歴代藩主の遊賞地として
厚く保護されていたそうですが、
明治維新後は補修されることもなく
自然荒廃したそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/60/5717cfcce2aa5e9a15dd5139073e3135.jpg)
現在の山荘は、1897年に木蝋の輸出で成功を収めた
貿易商河内寅次郎が余生を故郷で過ごしたいと
10年の構想と工期を費やし、財を投じたとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/ba/9153b889201a5151dc8ea171678cb58b.jpg)
他に類をみない匠の技を施した臥竜山荘は、
2011年にはミュシュラン・グリーンガイド・
ジャポンの1つ星を獲得しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/fe/f9764e021f175538482181f72a830ef7.jpg)
知止庵は浴室であったものを1949年に
茶室に改装したものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/61/f6432ee906ee0b33dae9a3a6ca7f9255.jpg)
灯篭には十二支が刻まれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/26/57b9fa58648bfe12b3ddd44dcf6d261a.jpg)
臥竜淵を足下に見るがけに舞台造りに建つ
数寄屋造りの庵である不老庵です。
建物そのものを船に見立てています。
何と贅沢なことでしょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/84/9fb3db622dfc3a9ce5b2b96e8d242272.jpg)
月の光反射を狙った竹網代張り天井や
生きた槙の木を使った「捨て柱」、
巧妙な趣向を凝らしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/25/0b4beedbdc5b2889a883e987009472ce.jpg)
「蓬莱山が龍の臥す姿に似ている」という
言葉が由来で、大洲藩主加藤泰恒が
「臥龍」と名付けて誕生した臥竜山荘。
素晴らしいものを遺してくれた先人に感謝です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/27/66eeec0f69943e2d563ae4db7b3bcb35.jpg)
自然と人工の典雅な調和をみせ、
四季折々に違った顔を見せてくれるでしょう。
「茶の心」や「日本の心」が今なお息づく
臥竜山荘へ来ることができ、本当に良かったです。
愛媛県大洲市大洲411-2
2023.4.30
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